通関士に英語は必要?書類で使う英語と外資系で求められる力

通関士に英語は必要かを、書類で使う英語から考える記事のアイキャッチ

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通関士に興味はあるけれど、『英語が得意じゃないと無理なのかな』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、通関士の仕事で最初に必要な英語は「書類を読める力」です。

話せることや書けることは、職場によって求められる度合いが変わります。

この記事では、通関士が使う英語を3つの段階に分けて、自分に必要な英語の見極め方をまとめました。

目次

通関士に英語は必要?まずは「読めれば始められる」

先に結論

通関士試験の科目に英語はありません。ただ、仕事では海外の取引先が作った英語の書類を読む場面がよくあります。最初は決まった項目を読み取れれば十分で、書く・話す力は職場に合わせて伸ばしていけます。

通関士試験は、通関業法、関税法等、通関実務の3科目で行われます(税関「通関士試験」)。

英語の科目はないので、試験に受かるために英会話の勉強をする必要はありません。

一方で、輸入の申告に使う仕入書(インボイス)や包装明細書は、海外の取引先が英語で作っていることがよくあります(カスタムスアンサー1107)。

『じゃあ、やっぱり英語が読めないとダメ?』と不安になった方もいますよね。

実は、書類に出てくる英語は項目が決まっているので、慣れれば読み取れるようになるんです!

通関で使う書類の種類は通関に必要な書類で詳しく見ています。

通関士が使う英語を3つの段階に分けてみる

ここが大事なところです。

通関ドットコム編集部で、通関の仕事で出てくる英語を「読めればよい」「書く必要がある」「話す必要がある」の3段階に分けました。

段階主な場面求められる力多い職場
読めればよいインボイス、包装明細書、船荷証券、到着通知を読む決まった項目から品名・数量・価格・原産地を読み取る通関業者、フォワーダー
書く必要がある足りない情報をメールで聞く、輸出の書類を作る短い定型のメールや書類の項目を書くメーカーや商社の輸出入部門
話す必要がある海外の拠点や取引先と電話や会議で調整する手続の事情を説明し、相手の要望を聞き取る外資系企業の貿易部門
通関士が使う英語を「読む」「書く」「話す」の3段階に分けた図解

読めればよい段階

通関業者で申告の書類を作る時は、インボイスから品名や数量、価格を読み取ります。

項目名の英語と、その欄に何が書かれるかを知っていれば、まずは仕事を始められます。

大切なのは、英文を訳すことより、インボイスと包装明細書の数字が合っているかを確かめることです。

例えば、インボイスの数量と、包装明細書の箱ごとの数量の合計が合わない時は、荷主に確認が必要になります。

書く必要がある段階

書類に足りない情報がある時は、荷主や海外の取引先に確認のメールを送ります。

例えばこんな短い文です。

「Could you tell us the material of this item?(この品物の材質を教えていただけますか)」

決まった言い回しをいくつか持っておけば、多くの場面に対応できます。

よく使う言い回し意味
Could you send us the packing list?包装明細書を送っていただけますか
Please confirm the country of origin.原産国を確認してください
The quantity on the invoice does not match the packing list.インボイスの数量が包装明細書と合っていません
We need this information for the customs declaration.通関の申告にこの情報が必要です

メールは長く書くより、聞きたいことを1通に1つか2つに絞るほうが、返事が早く返ってきやすいですよ。

話す必要がある段階

外資系企業では、海外の本社の担当者と、日本の手続について話し合うことがあります。

「日本ではこの書類がないと申告できない」といった事情を、英語で説明する力が求められます。

例えば、食品を販売目的で輸入する時は、検疫所への届出が要ります(カスタムスアンサー1802)。

こうした日本の決まりを、海外の担当者に納得してもらえるように話すのは、英語の会話力に加えて手続の知識があってこそです。

書類でよく見る英語の一覧

『具体的にどんな英語が出てくるの?』という方のために、よく見る言葉を並べてみました。

英語意味主に見る書類
Invoice仕入書(インボイス)取引の明細を書いた書類
Packing List包装明細書箱ごとの中身や重さを書いた書類
Description品名インボイス
Quantity数量インボイス、包装明細書
Unit Price / Amount単価/金額インボイス
Country of Origin原産国インボイス、原産地に関する書類
Gross Weight / Net Weight総重量/正味重量包装明細書
Bill of Lading(B/L)船荷証券海上輸送の書類
Air Waybill航空貨物運送状航空輸送の書類
Arrival Notice到着通知船会社や航空会社などからの連絡

この中でも、品名と数量、価格、原産国は申告に直結するので、最初に覚えておきたい言葉です。

英語の書類を読む時の順番

『全部を英語で読もうとすると疲れてしまう』という方は、読む順番を決めておくと楽になります。

インボイスを読む順番の一例
  1. 誰から誰への取引か(売り手と買い手)を確かめる
  2. 品名と数量を読み、包装明細書と照らし合わせる
  3. 単価と金額、通貨を確かめる
  4. 取引条件の略語と、原産国を確かめる
  5. 分からない言葉があれば、印をつけて荷主に確認する

この順番で読めば、英文の細かい部分が分からなくても、申告に必要な情報は拾えます。

取引条件の略語も英語で出てくる

インボイスには、FOBやCIF、DAPといった取引条件の略語が書かれていることがあります。

これはインコタームズという、国際商業会議所(ICC)が定めた貿易取引条件の規則です(ジェトロ「インコタームズ2020」)。

略語和名(ジェトロの表記)
FOB本船渡し
CIF運賃保険料込み
DAP仕向地持込渡し
DDP関税込持込渡し

略語の意味が分かると、運賃や保険料がどこまで価格に含まれているかを考える手がかりになります。

職場ごとに求められる英語の違い

同じ通関の仕事でも、職場によって英語の使い方はかなり違います。

職場英語を使う主な場面求められやすい段階
通関業者書類から申告に必要な情報を読み取る読めればよい
フォワーダー海外の代理店とのメールのやり取り読む・書く
メーカーや商社の輸出入部門輸出のインボイス作成や取引先への確認読む・書く
外資系企業の貿易部門海外の本社との会議や手順の説明読む・書く・話す

英語を使いたい人は、外資系企業や商社の求人も見てみるとよいでしょう。

反対に、英語にまだ自信がない人は、読む力から始められる通関業者で経験を積むという選び方もあります。

求人の探し方は通関士の転職・求人の探し方で、資格の活かし方は通関士の資格を活かすキャリアで詳しく見ています。

外資系で英語と一緒に見られること

外資系企業の貿易部門では、英語の力だけで評価が決まるわけではありません。

英語と一緒に伝えたいこと
  • どんな品目の輸出入に関わってきたか
  • 日本の手続を、相手に分かる言葉で説明した経験
  • 社内の手順書やマニュアルを作った経験
  • AEOやEPAなど、制度に関わる仕事をした経験

英語は、こうした経験を海外の相手に伝えるための道具なんです。

英語以外の言語は?

取引先の国によっては、英語以外の言語が書類やメールに出てくることもあります。どの国との取引が多い会社かは、求人票や面接で確かめておくと安心です。

英語に不安がある人の準備の仕方

『英語は苦手だけど、通関士を目指したい』という方は、次の順番で準備してみてください。

英語の準備の順番
  1. 書類の項目名の英語を、一覧表で覚える
  2. 仕事で英語の書類を見る機会があれば、項目名に印をつけて読んでみる
  3. 確認のメールで使う短い言い回しを、5つほどメモしておく
  4. 外資系を目指すなら、手続を英語で説明する練習をする

まずは試験に集中し、英語は仕事を始めてから伸ばすという進め方も十分にありです。

英語に不安がある人が、通関の仕事に向けて準備する順番を示した図解
よくある思い込み

「英語ができれば通関の仕事は大丈夫」と考えるのは少し早いかもしれません。申告の中身を決めるのは関税法などの知識なので、英語はあくまで書類を読むための道具です。

独学で進めるか、講座を使うか

英語より先に、まずは通関士試験の3科目をどう勉強するかを決めておきましょう。

市販のテキストと問題集で独学するのも、十分に正当な選び方です。

一方で、通関実務の申告書の問題や計算問題の解説がほしい人、勉強時間が限られる社会人には講座が役立つ場面があります。

独学の進め方は通関士は独学で合格できる?、講座の比べ方は通関士の講座・スクールの選び方にまとめました。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある相談:通関士と英語のQ&A

通関士と英語について、よく見かける相談を3つ取り上げます。

相談1:通関士と英語の力があれば、いい会社に入れる?

『資格と英語をそろえれば、転職で有利になる?』という相談です。

2つがそろうと、外資系企業や商社の貿易部門など、選べる職場は広がります。

ただ、採用では実務の経験も見られるので、どの書類をどう扱ったかを具体的に話せるようにしておきましょう。

「英語のインボイスから品名と材質を読み取り、申告の準備をしていました」のように話せると伝わりやすいです。

相談2:英語以外の言語を使う機会はある?

『中国語を勉強しているけれど、通関で使えるの?』という声もあります。

取引先の国によっては、英語以外の言語でやり取りする職場もあります。

その言語を使う取引が多い会社かどうかを、求人票や面接で確かめてみてください。

相談3:試験が難しい上に、英語も必要?

『試験も大変なのに、英語まで求められるのは厳しい』と感じる方もいます。

試験の科目に英語はないので、まずは3科目の勉強に集中して大丈夫です!

英語は仕事の中で、よく出る書類から少しずつ慣れていけば間に合います。

求人票に英語の目安が書かれている場合は、その職場で求められる段階の手がかりになります。

書かれていない時は、面接で「どんな場面で英語を使いますか」と聞いてみると、入社後のイメージがつかみやすくなります。

よくある質問

通関士試験に英語の問題は出ますか?

試験の科目は通関業法、関税法等、通関実務の3つで、英語という科目はありません。

英語が苦手でも通関士になれますか?

なれます。最初は書類の決まった項目を読み取れれば仕事を始められ、書く・話す力は職場に合わせて伸ばしていけます。

通関士の仕事で一番使う英語は何ですか?

インボイスや包装明細書に出てくる品名、数量、価格、原産国などの項目です。申告に直結するので、最初に覚えておきたい言葉です。

外資系企業ではどんな英語が求められますか?

書類を読む力に加えて、海外の本社や拠点とメールや会議でやり取りし、日本の手続を説明する力が求められます。

英語の勉強はいつから始めればいいですか?

試験の科目に英語はないので、まずは3科目の勉強を優先して大丈夫です。書類の項目名の英語だけは、早めに一覧で覚えておくと仕事の初日から役立ちます。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士試験の科目に英語はなく、仕事では書類を読む力から始められる
  • 通関の英語は「読めればよい」「書く」「話す」の3段階で考える
  • 品名・数量・価格・原産国など、申告に直結する項目から覚える
  • 英語を多く使いたい人は、外資系や商社の貿易部門も見てみる
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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