化粧品の輸入通関|販売目的と個人使用で変わる手続

化粧品の輸入通関で販売目的と個人使用の手続の違いを扱う記事のアイキャッチ

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海外のコスメを『自分用に取り寄せたい』『いずれは仕入れて販売したい』と考えている方も多いはずです。

結論から言うと、化粧品の輸入通関は、販売目的なら事前の許可が前提になり、自分で使う分なら一定の数量まで手続はシンプルです。

この記事を読めば、自分のケースで何を準備すればいいかと、通関で求められる書類が分かります。

目次

化粧品の輸入通関はなぜ手続が多いのか

先に結論

化粧品は、関税法の手続に加えて、医薬品や化粧品を規制する法律の確認が要る品目です。業として輸入するには、厚生労働大臣の製造販売業などの許可・登録が前提になります。

化粧品は肌に直接使うものなので、品質や安全について別の法律で決まりがあります。

このように関税法以外の法律の確認が要ることを、通関の現場では「他法令」と呼んでいます。

他法令の全体像は他法令と通関でまとめています。

税関のカスタムスアンサー1801では、他法令の許可や承認などが必要な貨物について書かれています。

その旨を税関に証明して確認を受けないと、輸入は許可されないんです。

『税金を払えば受け取れるんじゃないの?』と思いますよね。

実は、化粧品の場合は税金の前に「輸入していい立場か」を確かめられるんです。

化粧品が届くまでの通関の流れ

海外から届いた貨物は、輸入の手続が終わるまで保税地域に置かれます(カスタムスアンサー1102)。

化粧品の場合、その流れの中に他法令の確認が入ります。

段階何をするか化粧品で気をつけること
1. 到着貨物が保税地域に入る販売用なら許可の準備は済ませておく
2. 申告仕入書などと一緒に輸入申告許可証や承認書などの写しを添える
3. 確認・審査他法令の確認と書類審査自分用で数量が多いと輸入確認証が要る
4. 納税関税・消費税などを納める少額の免税が使える場合もある
5. 引取り輸入許可書を見せて引き取る許可が下りるまで動かせない

通関の全体像は通関とは?でも説明しています。

この記事で扱わないこと

この記事は輸入の手続についての記事です。化粧品の効果や使い心地の話はしません。成分や品質が規制に合うかは、担当の役所に確かめてみてください。

販売目的と個人使用の手続の比較

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

通関ドットコム編集部で、税関のカスタムスアンサー1805と1806をもとに、2つの目的の違いを表にしました。

比べる点販売目的(業として輸入)個人使用(自分で使う)
事前に要るもの厚生労働大臣の製造販売業または製造業の許可・登録原則なし
数量の目安許可の範囲で輸入標準サイズで一品目につき24個以内なら輸入確認証は不要
目安を超える場合許可の範囲で輸入地方厚生局に申請して輸入確認証を受ける
通関で出す書類製造販売業許可証の写し、製造販売承認書(認証書または届書)の写しなど輸入確認証が要る場合はその書類
相談先地方厚生局、通関業者地方厚生局、税関
化粧品の輸入を販売目的と個人使用に分け、事前の許可・数量の目安・通関で出す書類を比べた図解

「業として」が分かれ目

1805の原文では、製造販売業者でなければ「業としてこれらを輸入してはならない」とされています。

ここでいう「業として」は、販売などの事業として輸入することを指すと考えておくと分かりやすいです。

『少しだけ仕入れてフリマで売るくらいなら大丈夫?』と思う方もいるかもしれません。

ただ、売る目的で輸入するなら、数量の多い少ないにかかわらず個人使用とは言えなくなります。

よくある失敗

自分用として取り寄せた化粧品を、あとから人に売ってしまうケースです。自分用の扱いは自分で使うことが明らかな場合に限られるので、売る予定があるなら最初から販売目的の手続で考えておきましょう。

個人使用で取り寄せる時のポイント

自分で使う化粧品を海外から取り寄せる場合は、数量の目安を意識しておけば手続はシンプルです。

24個以内なら輸入確認証は不要

1806によると、化粧品は標準サイズで一品目につき24個以内なら、自分で使うことが明らかな場合に輸入確認証が不要です。

それを超える場合は、地方厚生局に申請して輸入確認証の交付を受けます。

『同じ口紅を色違いで買ったら、別の品目になるの?』と迷う方もいますよね。

数え方に迷う時は、注文の前に地方厚生局に確かめておくと安心です。

自分用の化粧品を注文する前に
  • 自分で使う分だけか、人に渡す・売る分が混ざっていないか
  • 一品目あたりの個数が24個以内に収まるか
  • 標準サイズの商品か
  • 送り方は郵便・国際宅配便・一般の貨物のどれか

送り方で通関のやり方も変わる

自分用に取り寄せる場合、送り方で通関を誰がするかが変わります(カスタムスアンサー3002)。

送り方通関の進み方
国際郵便課税価格が20万円以下なら、税関が税額を決めて通知が届く
国際宅配便通常は業者が通関を代行し、代行手数料が要ることがある
一般の貨物受取人が通関するか、通関業者に頼む

『追跡の画面で通関手続中のまま止まっている』という声もよく見かけます。

数量が多くて確認が要る場合などは、税関や業者から連絡が来ることがあるので、届いた連絡には早めに対応してみてください。

税金のかかり方

個人で取り寄せる場合、課税価格の合計額が1万円以下の物品は、関税と消費税が免税になります(カスタムスアンサー1006)。

自分で使う物の課税価格は、海外小売価格に0.6をかけて計算する特例があります(カスタムスアンサー1405)。

この特例は令和10年3月末で廃止されることが財務省の資料で示されているので、取り寄せる時点の税関の案内で確かめてみてください。

個人輸入の税金の全体は個人輸入の通関で説明しています。

販売目的で輸入する時の流れ

『海外コスメを仕入れて販売したい』という方向けに、販売用の流れを順番に見ていきます。

販売用化粧品の輸入通関の流れ
  1. 厚生労働大臣の製造販売業などの許可・登録を受ける
  2. 輸入する化粧品について、製造販売の承認・認証・届出のどれが要るかを確かめる
  3. 取引先から成分や製造の資料をもらう
  4. 仕入書などの通関書類に、許可証や承認書などの写しを添えて輸入申告する
  5. 税関の確認と審査を受け、関税・消費税を納めて輸入許可を受ける
販売用の化粧品を輸入する時に、許可・承認の確認・資料準備・申告・輸入許可と進む流れの図解

通関書類の基本は通関に必要な書類で確かめられます。

許可の準備は通関よりずっと前から

製造販売業の許可は、通関の直前に取れるものではありません。

『商品を発注してから許可を取ればいい』と考えていると、貨物が保税地域に置かれたまま動けなくなることも。

販売を考えているなら、まず許可の要件を地方厚生局などに確かめるところから始めてみてください。

自社で許可を取って輸入する
  • 仕入れる商品を自分で選べる
  • 輸入の知識が社内に残る
  • 許可の準備に時間と手間がかかる
許可を持つ事業者を通す
  • 自社で許可を取らずに済む
  • 準備の時間を短くできる
  • 輸入の段取りは相手に頼ることになる

相手に任せる時も確かめておきたいこと

許可を持つ事業者を通して輸入する場合でも、任せきりにせず確かめておきたい点があります。

依頼する前の確認
  • 相手が化粧品の製造販売業などの許可を持っているか
  • 輸入する商品について、承認・認証・届出のどれで進めるか
  • 成分や製造の資料を、誰がいつまでに用意するか
  • 通関を誰が担当し、トラブルの時にどこへ連絡するか

『誰がどこまでやるか』を最初に決めておくと、到着してから慌てずに済みます。

化粧品の輸入通関でよくある相談

Yahoo!知恵袋などで見かける相談から、テーマに合うものを3つ選んで答えます。

並行輸入の化粧品の通関を代行してくれる会社はある?

『並行輸入で化粧品を仕入れたい。通関を代わりにやってくれる会社はある?』という相談です。

通関業者は、他人の依頼を受けて輸入申告などを代理する事業者です(カスタムスアンサー9103)。

ただ、通関を頼めても、販売目的で輸入するための製造販売業の許可が要る点は変わりません。

通関業者の役割は通関業者とは?で説明しています。

化粧品の原料を輸入して販売したい

『化粧品の原料を輸入して、エステサロンなどに売りたい』という相談です。

原料が化粧品の規制の対象になるかは、物の中身と使い道で変わります。

自己判断で進めず、地方厚生局に成分の資料を持って相談してみてください。

クリームとハーブティーをまとめて輸入販売したい

『海外の美容クリームとハーブティーを一緒に仕入れたい』という相談です。

この場合、クリームは化粧品の規制、ハーブティーは食品の規制と、担当する法律が分かれます。

食品を販売目的で輸入するなら、検疫所への食品等輸入届出が必要です(カスタムスアンサー1802)。

品目ごとに手続を分けて準備しておきましょう。

『1つの箱にまとめて送ってもらえば手続も1回で済む?』と思うかもしれません。

ただ、箱が1つでも、品目ごとに必要な確認はそれぞれ残ります。

どちらか一方の準備が足りないと、箱ごと引き取れなくなることもあるので注意しておきましょう。

通関の仕事に興味が出たら

化粧品のように他法令が関わる品目は、通関の現場で知識が問われる場面です。通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。どんな資格かは通関士とは?で紹介しています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある質問

自分で使う化粧品を輸入する時、許可は要りますか?

自分で使うことが明らかな場合は、標準サイズで一品目につき24個以内なら輸入確認証は不要とされています。超える場合は地方厚生局に申請して輸入確認証を受けます。

化粧品を少しだけ仕入れて売るのにも許可は必要ですか?

業として輸入するには製造販売業などの許可・登録が前提とされています。売る目的なら、量が少なくても販売目的の手続で考えておきましょう。

化粧品の輸入通関で出す書類は何ですか?

販売目的なら、仕入書などの通関書類に加えて、製造販売業許可証の写しや製造販売承認書などの写しを出して確認を受けます。

自分用の化粧品を友人の分までまとめて頼んでも大丈夫ですか?

輸入確認証が要らない扱いは、自分で使うことが明らかな場合が前提です。人に渡す分が混ざると扱いが変わることがあるので、注文の前に地方厚生局に確かめておくと安心です。

化粧品が規制に合うかは税関に聞けますか?

税関は他法令の該非の照会には答えられないとしています。化粧品については地方厚生局などに確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 化粧品の輸入通関は、販売目的か個人使用かで手続が変わる
  • 業として輸入するには製造販売業などの許可・登録が前提
  • 自分用は標準サイズで一品目24個以内なら輸入確認証は不要
  • 販売目的は許可証や承認書などの写しを出して確認を受ける
  • 化粧品と食品を一緒に仕入れる時は、品目ごとに手続を分ける
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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