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通関士の資格を活かして転職したいけれど、『どこに求人があって、何から始めればいいの?』と迷っている方も多いですよね。
結論から言うと、通関士の転職は「どの職場のルートを狙うか」を先に決めると、求人の探し方と準備がはっきりします。
この記事では、求人を4つのルートに分けて比べ、転職エージェントに相談する前の準備までまとめました。
通関士の転職は「どのルートで探すか」から決める
通関士の求人は、通関業者・フォワーダー・メーカーや商社の輸出入部門・外資系企業の貿易部門の4ルートに分けると整理できます。ルートによって、通関士の資格の使われ方と、求められる経験が違います。
まず押さえておきたいのは、通関士として名乗って働けるのは通関業者に勤める場合だということです。
税関の案内では、通関士は「勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者」とされています(カスタムスアンサー8001)。
ただ、通関の知識が役立つ職場は通関業者だけではありません。
貨物を運ぶ会社や、自社の商品を輸出入する会社でも、通関の流れが分かる人は頼りにされます。
4つのルートを1枚で比べる
通関ドットコム編集部で、4つのルートを「資格の使われ方」「求められやすい経験」「探し方」の3つの軸で並べました。
| ルート | 通関士の資格の使われ方 | 求められやすい経験 | 主な探し方 |
|---|---|---|---|
| 通関業者 | 申告書類を審査し記名する通関士として働く | 輸出入申告の書類作成、扱った品目、NACCSの操作 | 転職サイト、転職エージェント、ハローワーク |
| フォワーダー(国際物流) | 通関部門で通関士として働くほか、輸送の手配と合わせて手続を見る | 船や航空の輸送の流れ、書類の受け渡し、荷主との連絡 | 転職サイト、転職エージェント |
| メーカーや商社の輸出入部門 | 通関業者に頼む側として、書類の準備や確認をする | 取引先とのやり取り、インボイスの作成、他の法律の許可の確認 | 転職エージェント、企業の採用ページ |
| 外資系企業の貿易部門 | 輸出入の窓口として、通関業者や海外拠点とやり取りする | 英語の書類とメール、社内の手順づくり、AEOなどの制度対応 | 転職エージェント |

表を見ると、「通関士として記名する仕事」と「通関の知識を使う仕事」の2種類があると分かりますよね。
どちらを望むかで、応募する求人も変わってきます。
通関業者:通関士として働きたい人の本命
通関業法では、通関業者は営業所ごとに通関士を置くことになっています。
税関の案内では、通関業者は令和7年4月1日現在で988社、通関業務を行う営業所は2,042か所です(カスタムスアンサー9104)。
全国に営業所があるので、地元で働きたい人にも探しやすいルートです。
仕事の中身は通関士の仕事内容で詳しく見ています。
フォワーダー:輸送と通関をまとめて見たい人に
フォワーダーは、荷主から貨物を預かり、船や飛行機での輸送を手配する事業者です。
通関業の許可を持ち、社内に通関部門を置いている会社もあります。
輸送の流れ全体に関わりたい人は、このルートが向いています。
違いはフォワーダーと通関業者の違いにまとめました。
メーカーや商社の輸出入部門:頼む側から通関に関わる
メーカーや商社では、通関業者に通関を頼み、そのための書類をそろえる役割があります。
通関士として記名はしませんが、書類の不備に先回りして気づける人は重宝されます。
「通関業者から何を聞かれるか」を知っていることが、そのまま強みになるんです。
外資系企業の貿易部門:英語と社内調整が加わる
外資系企業の貿易部門では、海外の本社や拠点とやり取りしながら輸出入を進めます。
英語の書類やメールに加えて、日本の手続を海外の担当者に説明する場面もあります。
通関の知識と英語の両方を使いたい人には、選択肢の一つになります。
今の立場から、どのルートを先に見るか
『4つあるのは分かったけど、自分はどこから見ればいいの?』という方もいますよね。
今の立場ごとに、先に見ておきたいルートを並べてみました。
| 今の立場 | 先に見たいルート | 理由 |
|---|---|---|
| 通関業者で通関士として働いている | 別の通関業者、メーカーや商社 | 記名の経験をそのまま生かせる。頼む側に移る道もある |
| 通関業者で書類作成を補助している | 通関業者 | 合格すれば、同じ流れの中で通関士を目指しやすい |
| 物流会社で倉庫や輸送の仕事をしている | フォワーダー、通関業者 | 貨物の動きを知っていることが強みになる |
| 貿易事務をしている | 通関業者、メーカーや商社 | インボイスなど書類を作ってきた経験が伝えやすい |
| 英語を使う仕事をしている | 外資系企業の貿易部門 | 英語の書類とメールに慣れていることが生きる |
迷った時は、今の経験が一番そのまま説明できるルートから応募してみてください。
求人の探し方:転職サイト・転職エージェント・ハローワーク
ルートが決まったら、次は求人の探し方です。
通関士の求人を探す方法は、大きく分けて転職サイト、転職エージェント、ハローワーク、企業の採用ページの4つがあります。
| 探し方 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 転職サイト | 自分のペースで求人を見比べたい人 | 応募書類の作成や日程調整は自分で行う |
| 転職エージェント | 書類や面接の相談をしながら進めたい人 | 担当者に希望と経験をはっきり伝える準備が要る |
| ハローワーク | 地元の通関業者や物流会社の求人も見たい人 | 窓口で相談できるが、求人の中身は自分でも確かめる |
| 企業の採用ページ | 行きたい会社がはっきりしている人 | 募集が出ている時期が限られることがある |
転職サイトと転職エージェントの違い
『転職サイトとエージェントって、何が違うの?』と迷う方も多いはずです。
ざっくり言うと、転職サイトは自分で探して応募する場所、転職エージェントは担当者が間に入って進める仕組みです。
- 経験や希望に合いそうな求人を紹介してもらえる
- 職務経歴書の書き方を相談できる
- 面接の受け答えや日程の調整を手伝ってもらえる
- 求人の検索と見比べを自分で行う
- 応募書類を自分で整えて送る
- 面接の日程を企業と直接やり取りする
どちらが正解というものではありません。
転職サイトで相場観をつかみつつ、気になるルートは転職エージェントに相談する、という使い分けをする人もいます。
ハローワークも併用できる
ハローワークは、地域の求人を探すのに役立つ公的な窓口です。
ハローワークインターネットサービスでは、職種や地域を指定して求人を検索できます。
転職エージェントと並行して使っても問題はありません。
「通関士資格が必須か、歓迎か」「輸出と輸入のどちらが中心か」「扱う品目」「海上貨物か航空貨物か」の4点は、求人票で確かめておきましょう。入社後の仕事のイメージがずれにくくなります。
求人票によく出てくる言葉の読み方
通関の求人票には、慣れないと分かりにくい言葉が並びます。
| 求人票の言葉 | 読み取れること | 応募前に確かめたいこと |
|---|---|---|
| 通関士資格 必須 | 合格者を通関士として配置したい | 入社後に財務大臣の確認の手続を会社が行うか |
| 通関士資格 歓迎 | 資格がなくても応募できる | 補助の仕事から始まるのか、勉強の支援があるか |
| NACCSの操作経験 | 電子申告の入力に慣れた人を求めている | 輸出と輸入のどちらの業務か |
| 海上貨物・航空貨物 | 扱う輸送の種類 | 港か空港か、勤務地との関係 |
| 貿易事務 | 書類作成や手配が中心のことが多い | 通関に関わる範囲がどこまでか |
分からない言葉があれば、転職エージェントやハローワークの窓口で聞いてしまうのが早いですよ。
外資系や商社の貿易部門を目指す時にまとめておくこと
ここが大事なところです。
外資系企業や商社の貿易部門では、「何ができるか」を具体的に説明できる人が強いんです。
『通関業務をしていました、だけでは伝わらない?』と感じた方、その感覚は正しいです!
- 扱った品目の種類(食品、化学品、機械、衣類など)
- 担当した申告の種類(輸出か輸入か、海上か航空か)
- 他の法律の許可や届出に関わった経験(食品衛生法の届出など)
- 英語で読んだり書いたりした書類(インボイス、包装明細書、メール)
- AEOやEPAなど、制度に関わる仕事をした経験
- 社内や取引先向けに手順書を作った経験
例えば、食品を扱っていたなら、検疫所への届出の流れを知っていることが強みになります(カスタムスアンサー1802)。
EPAの原産地の手続に関わったことがあれば、関税を下げる仕組みに詳しい人として伝えられます。
AEOの経験は伝え方を工夫する
AEO制度は、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整った事業者を税関が承認・認定する制度です(AEO制度)。
認定通関業者で働いていたなら、社内の管理体制に触れた経験として話せます。
制度の中身はAEO制度とは?で確認しておくと、面接でも説明しやすくなります。
英語は「どの書類で使ったか」で伝える
英語の力は、試験の点数だけでなく、実際に読んだ書類で伝えると具体的です。
「英語のインボイスから品名と材質を読み取り、申告に使っていました」のように話すと伝わりやすくなります。
職務経歴書は「場面+数+工夫」で書く
経験を書く時は、どんな場面で、どれくらいの量を、どう工夫したかを1行ずつ書くと伝わります。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 伝わりにくい | 輸入通関業務を担当 |
| 場面を足す | 海上貨物の輸入申告で、食品と雑貨の書類作成を担当 |
| 工夫を足す | 品名の確認漏れを減らすため、荷主向けの確認票を作って運用 |
件数などの数字を書く時は、自分で確かめられる実績だけにしておきましょう。
盛った数字は、面接で深く聞かれた時に説明が苦しくなります。
求められる英語の段階は通関士に英語は必要?で詳しく見ています。
転職エージェントに相談する前の準備チェックリスト
転職エージェントは、準備ができているほど話が早く進みます。
相談の前に、次のことを手元にまとめておきましょう。
- 4つのルートのうち、第一希望と第二希望を決める
- 経験の棚卸しリストを埋めて、職務経歴書の下書きを作る
- 通関士試験の合格年度や、勉強中なら受験予定の回を書き出す
- 働きたい地域と、転勤ができるかどうかを決めておく
- 譲れない条件と、相談できる条件を分けてメモする

担当者との最初の会話は、例えばこんなイメージです。
「通関業者で輸入の申告を担当していました。次はメーカーの輸出入部門で、頼む側として働きたいです」
「承知しました。扱っていた品目と、英語の書類をどの程度読んでいたかを教えてください」
希望のルートと経験が先に伝わると、紹介される求人も絞られてきます。
希望を決めずに相談すると、幅広い求人を紹介されて、かえって迷ってしまうことがあります。「通関士として記名したいのか、通関の知識を使う仕事がしたいのか」だけでも先に決めておきましょう。
合格前と合格後、転職のタイミングはどう考える?
『資格を取ってから動くべき?それとも先に業界に入るべき?』という悩みもよく聞きます。
結論から言うと、どちらにも進め方があります。
| タイミング | 進め方 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 合格してから転職する | 合格を武器に、通関業者で通関士として働ける求人を探す | 合格者が通関士として働くには、勤務先の申請による財務大臣の確認が要る |
| 先に業界に入る | 通関業者や物流会社で働きながら試験を目指す | 仕事と勉強の両立の計画を立てておく |
| 勉強中に応募する | 受験予定の回を伝えて、未経験可の求人に挑戦する | 書類作成の補助など、入口の仕事から始まることもある |
合格後に通関士として働くまでの流れは通関士になるまでで詳しく見ています。
未経験から入る順番は通関士は未経験からなれる?にまとめました。
通関業者の通関業務などに通算5年以上携わると通関実務の科目が、通算15年以上だと関税法等と通関実務の2科目が免除されます(カスタムスアンサー8009)。先に業界に入る人は、この仕組みも頭に入れておくとよいでしょう。
独学で進めるか、講座を使うか
転職と並行して試験を目指すなら、勉強の進め方も決めておきたいところです。
市販のテキストと問題集で独学する人も多く、仕事の合間に自分のペースで進められるのは独学のよさです。
一方で、次のような場面では講座を使うと楽になることがあります。
- 通関実務の計算問題や申告書の問題を、解説付きで学びたい
- 法改正の情報を自分で追いかけるのが大変
- 転職活動と重なり、勉強時間が限られる
- 分からないところを質問できる相手がいない
独学の進め方は通関士は独学で合格できる?、講座の比べ方は通関士の講座・スクールの選び方で詳しく見ています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある相談:通関士の転職Q&A
通関士の転職について、よく見かける相談を3つ取り上げます。
相談1:通関士として働いているのに、内定がなかなか出ない
『資格も経験もあるのに、なぜ決まらないの?』という相談です。
原因の一つは、経験の伝え方が抽象的になっていることです。
扱った品目、申告の種類、関わった制度を具体的に書き直すだけで、書類の印象は大きく変わります。
希望のルートを絞り、そのルートで求められる経験から順に書いてみてください。
相談2:派遣で貿易事務をしながら合格した。次は通関士として働きたい
『貿易事務の経験はあるけれど、通関士として採用されるのか不安』という声です。
貿易事務で書類を作っていた経験は、通関業者でも十分に伝えられる強みです。
インボイスや包装明細書をどこまで自分で作っていたかを、具体的に書き出しておきましょう。
相談3:通関の事務所からメーカーや商社に移りたい
『頼まれる側から頼む側に移っても、経験は活かせる?』という相談です。
活かせます!通関業者が何を確認するかを知っているので、書類の準備で先回りできるからです。
ただ、社内の他の部署との調整が増えるので、面接では「社内外の人と段取りを組んだ経験」も話せるようにしておきましょう。
相談4:年齢が上がってからの転職は難しい?
『50代でも通関士として転職できるのかな』という相談もあります。
年齢だけで決まるものではなく、これまでの経験をどう伝えるかが大切です。
長く通関に関わってきた人は、後輩の指導や手順づくりなど、経験の長さが生きる役割も伝えられます。
通関業務に通算5年以上や15年以上携わった経験は、試験の科目免除の対象にもなるほど、制度の上でも重みがあるものなんです。
年齢や地域の事情で迷っている場合も、まずは4つのルートのうち自分の経験が一番生きるところを選ぶのがおすすめです。ハローワークや転職エージェントで、その地域の求人の傾向を聞いてみてください。
よくある質問
通関士の転職で、資格は必須ですか?
通関業者で通関士として働く求人では資格が求められますが、メーカーや物流会社の輸出入部門では「歓迎」とする求人もあります。求人票で必須か歓迎かを確かめてみてください。
転職エージェントと転職サイトはどちらを使えばいいですか?
自分で求人を見比べたい人は転職サイト、書類や面接の相談をしたい人は転職エージェントが向いています。併用する人もいます。
通関士として働くには、合格した後に何が必要ですか?
勤務先の通関業者の申請に基づいて、財務大臣の確認を受ける必要があります。確認を受けてから、通関士として通関業務に従事します。
外資系企業の貿易部門では何が評価されますか?
扱った品目や申告の種類、英語の書類を読んだ経験、AEOなど制度に関わった経験を具体的に話せることが強みになります。
ハローワークでも通関の求人は探せますか?
探せます。ハローワークインターネットサービスで職種や地域を指定して検索でき、転職エージェントと併用することもできます。
まとめ
- 通関士の転職は、通関業者・フォワーダー・メーカーや商社・外資系の4ルートで考える
- 通関士として記名して働けるのは通関業者に勤める場合で、財務大臣の確認が要る
- 転職サイトは自分で探す場所、転職エージェントは相談しながら進める仕組み
- 相談の前に、希望のルートと経験の棚卸しを済ませておく
- ハローワークも併用でき、地域の求人を探すのに役立つ





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