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輸入を始めようとしたら、フォワーダーと通関業者の両方の名前が出てきて、どちらに何を頼めばいいのか分からない。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、フォワーダーは「運ぶ手配」、通関業者は「税関への手続」を受け持つ会社です。
ただ、1社が両方を受け持つことも多いので、名前より「何を受け持つか」で見るのが近道です。この記事では、その見分け方をお話しします。
フォワーダーと通関業者の違いは「運ぶ」か「申告する」か
フォワーダーは、船や飛行機での輸送を手配する事業者を指して使われる言葉です。
通関業者は、財務大臣の許可を受けて、他人に代わって税関への申告などを行う事業者です。
『フォワーダーって、通関もしてくれるんじゃないの?』と思う方もいますよね。
実は、ここが混乱しやすいところなんです。
通関業者は法律で決まった言葉で、通関業を営むには財務大臣の許可が要ります(カスタムスアンサー9103)。
一方のフォワーダーは、荷主から貨物を預かって輸送の手配をする事業者を広く指す呼び方です。
- 船や飛行機の輸送を手配する
- 複数の荷主の貨物をまとめて運ぶことがある
- 到着の知らせ(Arrival Notice)を出すことがある
- 通関は自社か提携先の通関業者が受け持つ
- 税関への輸出入の申告を代わりに行う
- 通関業を営むには財務大臣の許可が要る
- 通関書類は通関士が審査して記名する
- 輸送の手配まで受け持つかは会社による
税関の案内でも、輸入の貨物が着くと、航空会社や船会社、フォワーダーから到着通知が届くと説明されています(カスタムスアンサー1102)。
つまり、フォワーダーは「貨物の動き」を、通関業者は「税関の手続」を担う立場なんです。
フォワーダーが通関もする場合
フォワーダーが通関まで引き受けると言う場合、その会社が通関業の許可を持っているか、許可を持つ通関業者と組んでいるかのどちらかです。
人から頼まれて通関の手続を業として行うには、許可が要るからです。
「インター通関」のような呼び方を見かけることもありますが、税関の資料で決まった言葉ではありません。
呼び名ではなく、通関業の許可を持っているか、何を受け持つかで確かめましょう。
3つの仕事を誰が受け持つ?輸送・通関・倉庫の分担表
貿易の荷物まわりの仕事は「運ぶ手配」「税関への手続」「倉庫」の3つに分けると見通しがよくなります。
どの会社がどれを受け持つかを表にしておくと、依頼の抜けが防げます。
『結局どこに何を頼めばいいの?』という迷いは、仕事を3つに分けるとすっきりします。
| 仕事 | 中身 | 主な担い手 | 荷主が確かめること |
|---|---|---|---|
| 運ぶ手配 | 船や飛行機の予約、書類の受け渡し、到着の連絡 | フォワーダー、船会社、航空会社 | 到着の予定と、到着通知の受け取り先 |
| 税関への手続 | 輸出入の申告、関税の納付、検査の立会い | 通関業者(または荷主自身) | 申告を誰が行うか、必要な書類は何か |
| 倉庫 | 保税地域での保管、搬入や搬出、仕分け | 倉庫会社、保税地域の運営者 | 置いておける期間と保管の料金 |

この表の「担い手」は、1社が複数を兼ねていることもよくあります。
例えば、輸送の手配から通関、倉庫での保管までを1社にまとめて頼める会社もあれば、通関だけを専門にする会社もあります。
倉庫が関係する理由
外国から着いた貨物は、輸入の手続が終わるまで保税地域に置かれます(カスタムスアンサー1102)。
保税地域は、財務大臣が指定したり税関長が許可したりした場所です。指定保税地域なら1か月、保税蔵置場なら2年(延長可能)といった置ける期間の違いもあります(カスタムスアンサー9203)。
ですから、通関が終わるまでの間、倉庫の担い手も関わってくるんです。
輸入の到着から引取りまでを分担で追う
税関の案内にある輸入の流れに、担い手を重ねてみると次のようになります(カスタムスアンサー1102)。
- 貨物が着き、到着通知が届く(フォワーダー、船会社、航空会社)
- 貨物が保税地域に入る(倉庫の担い手)
- 運送の書類と仕入書をそろえて輸入申告する(通関業者か荷主自身)
- 書類の審査や検査を受け、税金を納める(通関業者か荷主自身)
- 輸入許可書を保税地域の担当者に示して引き取る(倉庫の担い手、運送の担い手)
こうして並べると、1つの荷物に何社も関わっていることが分かりますよね。
どこか1か所で連絡が止まると、全体が止まってしまいます。だからこそ、誰が誰に知らせるかを最初に決めておくのが大事なんです。
輸出のときの分担
輸出でも、考え方は同じです。
輸出の申告は貨物を保税地域に入れる前でもできますが、許可は原則として保税地域に入れた後に受けます(カスタムスアンサー5001)。
ですから、保税地域へ運び込む段取り(運ぶ手配と倉庫)と、申告の段取り(税関への手続)がかみ合っている必要があります。
『船に間に合うかな』と不安な時ほど、フォワーダーと通関業者の連絡の流れを確かめておきましょう。
航空便の混載とマニフェスト通関
航空便では、複数の荷主の貨物をまとめて運ぶ混載がよく使われます。
税関の案内では、航空貨物の混載業者が扱う貨物で一定の条件を満たすものは、マニフェストを添えて申告する方法があるとされています(カスタムスアンサー1005)。
対象は、混載貨物の運送状ごとに課税価格1万円以下の少額貨物の免税が適用されるものなどです。こうした場面では、輸送と通関の担い手が近くで動いています。
輸送と通関をどこに頼むか
初めての輸入や件数が少ない時は、輸送と通関をまとめて頼める会社が楽です。
品目に詳しい通関業者がいる時は、輸送と通関を分けて頼む方法もあります。
どちらにも良さがあるので、自社の状況で選んでみてください。
| 頼み方 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| まとめて1社に頼む | 初めての輸入、窓口を一つにしたい | 通関業の許可を持つ会社か、提携先に頼むのかを確かめる |
| 輸送と通関を分けて頼む | 品目に慣れた通関業者がいる、港ごとに使い分けたい | 到着通知と書類の受け渡しの流れを決めておく |
| 通関は自社で行う | 件数が多く、社内に申告の体制がある | 社内の知識と体制、申告の責任を持つ準備 |
自社で申告する方法は自社通関とは、通関業者に頼む前の確認は通関業者の役割と依頼する前に確かめることで詳しく見られます。
- 誰が到着通知を受け取り、誰に知らせるかを決める
- 通関を受け持つ会社が通関業の許可を持つか確かめる
- 倉庫に置ける期間と、置く場所を確かめる
- 料金が輸送、通関、保管のどれに入っているか見る
- 取引条件で、自社が受け持つ範囲を確かめる
状況別の頼み方の例
例えばこんな場面なら、次のように考えてみてください。
- 海外の工場からサンプルを少量だけ取り寄せる時は、輸送と通関をまとめて頼める会社が手軽です
- 毎月同じ品目を輸入している時は、品目に慣れた通関業者を決めて、輸送は別に比べる方法もあります
- 食品のように他法令の届出が要る時は、届出まで受け持てる通関業者がいるかを先に確かめます
- 取引先が輸入通関まで受け持つ条件の時は、日本側で頼む範囲が小さくなります
取引条件で誰が通関を受け持つかは、インコタームズと輸入通関で確かめられます。
例えば、見積もりをもらった時にはこう聞いてみると、抜けに気づけます。
「この見積もりに、輸入の申告と保管の料金は入っていますか」
「申告は含みますが、保管料と関税は別になります」
費用の分け方は通関費用の内訳で詳しくまとめています。貿易全体の中で通関がどこに入るかは物流と通関の関係で図にしています。
通関の知識を仕事にするなら
フォワーダーと通関業者の違いを調べるうちに、物流や通関の仕事そのものに関心が出てきた方もいるかもしれません。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
フォワーダーと通関のよくある相談
よくある相談は「どう違うのか」と「フォワーダーで働いても通関士として認められるか」の2つです。
Yahoo!知恵袋でよく見られている相談を要約して、答えていきます。
『フォワーダーと通関業はどう違うの?』
フォワーダーは輸送の手配、通関業は税関への手続の代理です。
通関業には財務大臣の許可が要るので、フォワーダーが通関も受け持つ時は、許可を持っているか、許可を持つ会社と組んでいるかで考えると分かりやすいです。
『通関業者、乙仲、フォワーダーは何が違う?』
乙仲は、港の現場で通関や船積みの手配を受け持つ業者を指して、昔から使われてきた呼び名です。
呼び名が違っても、受け持つ仕事が「運ぶ手配」「税関への手続」「倉庫」のどれなのかで整理すると混乱しません。
『通関士の資格を取って、フォワーダーや商社に入っても通関士として認められる?』
通関士として通関業務に就くには、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認が要ります(カスタムスアンサー8001)。
ですから、勤務先が通関業の許可を持つ会社かどうかが大事なところです。就職先を選ぶ時は、通関部門があるかも確かめておきましょう。
働く先の探し方は通関士の転職・求人の探し方で紹介しています。

よくある質問
フォワーダーに通関も頼めますか?
頼める会社もあります。その会社が通関業の許可を持っているか、許可を持つ通関業者と組んでいるかを確かめてみてください。
フォワーダーと船会社は同じですか?
違います。船会社は船を運航する会社で、フォワーダーは荷主から預かった貨物の輸送を手配する立場で使われる言葉です。
どの会社に頼めば通関が早く終わりますか?
書類の審査や検査を受けるかどうかは税関が決めることです。貨物が着く前に申告書類を出して審査を受けられる予備審査制もあるので、早めに書類を渡せる流れを作っておくと進みやすくなります。
通関業者は全国にどれくらいありますか?
税関の案内では、令和7年4月1日現在で988社、通関業務を行う営業所は2,042か所とされています。貨物が着く港や空港の近くで申告に慣れた会社を探してみてください。
通関業者に頼めば輸送も手配してもらえますか?
輸送の手配まで受け持つかどうかは会社によります。依頼の前に、どこまでが料金に含まれるかを確かめておきましょう。
まとめ
- フォワーダーは運ぶ手配、通関業者は税関への手続を受け持つ
- 通関業を営むには財務大臣の許可が要る
- 仕事を「運ぶ手配」「税関への手続」「倉庫」の3つに分けると依頼の抜けが防げる
- 初めてなら1社にまとめて、慣れてきたら分けて頼む方法もある
まずは自社の荷物について、3つの仕事を誰が受け持つかを表に書き出してみてください。通関の全体の流れは通関とはでまとめています。





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