通関士のテキストと六法の選び方|教材の組み合わせ方

通関士の六法とテキスト、問題集の選び方と組み合わせ方を扱う記事のアイキャッチ

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『通関士の六法って買った方がいいの?』『テキストと問題集、何をそろえればいいか分からない』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、通関士の教材は、税関が無料で公開している公式資料を土台にして、足りない部分を市販のテキスト・問題集・六法で補うと選びやすくなります。

この記事では、教材ごとの役割と、勉強の段階に合わせた組み合わせ方が分かります。

目次

通関士の教材は「公式資料+市販教材」で組み立てる

先に結論

受験案内・過去の試験問題・正答・法令の原文は無料で見られます。これを土台にして、理解のためのテキスト、練習のための問題集、条文を引くための六法を、自分に足りない分だけ足していきましょう。

教材選びで迷う理由は、選択肢が多すぎることですよね。

まずは、教材を役割で分けてみると、ぐっと分かりやすくなります。

教材役割無料か
受験案内科目・時間・配点・出題範囲を知る無料(税関ホームページ)
過去の試験問題出題の形と時間配分をつかむ無料(税関ホームページ)
配点と正答自己採点と弱点の確認無料(合格発表後に公表)
法令の原文条文をそのまま確かめる無料(e-Gov法令検索)
市販のテキスト3科目の中身を分かりやすく理解する有料
市販の問題集分野ごとに練習する有料
六法(法令集)関係する条文をまとめて引く有料

『全部そろえないと合格できない』ということはありません。

自分に何が足りないかを見て、必要な物から足していけば大丈夫です。

無料で使える公式資料を先に押さえる

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

市販の教材を買う前に、税関や国の公式資料を一度開いてみてください。

受験案内で出題範囲を確かめる

受験案内には、科目・試験時間・配点・出題範囲が書かれています。

第60回(令和8年)の出題範囲は、法律・政令・省令・告示・通達で、令和8年7月1日現在で施行されているものでした。

この「7月1日現在」という日付は、教材を選ぶ時にとても大事です。理由は後で詳しく説明しますね。

科目(第60回)時間配点
通関業法50分45点
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法100分60点
通関書類の作成要領その他通関手続の実務100分45点

出典は第60回の受験案内です。

過去問と正答は税関ホームページで見られる

過去の試験問題は、各回の試験ページから確かめられます(例: 第59回の試験ページ)。

配点と正答は、合格発表後に公表されます(例: 第59回の配点及び正答)。

市販の過去問題集は解説がついているのが良い所ですが、問題そのものは公式でも見られるんです。

過去問の使い方は通関士試験の過去問の使い方で詳しく紹介しています。

法令の原文はe-Govで読める

試験の出題範囲になる法律は、e-Gov法令検索で無料で読めます。

『六法を買わなくても、ネットで読めるならいいのでは?』と思った方もいますよね。

その考え方も、もちろんありです。六法を買うかどうかの考え方は、このあと詳しく紹介します。

カスタムスアンサーも参考になる

税関の「カスタムスアンサー」には、輸入通関の流れや少額貨物の扱いなど、手続を分かりやすく説明したページがあります。例えばカスタムスアンサー1101(輸入通関手続の概要)は、輸入の全体像をつかむのに役立ちます。

カスタムスアンサーで読んでおきたいページの例

カスタムスアンサーは、試験の科目とつながるページが多くあります。テキストで分かりにくかった所を、税関の言葉で読み直すのに使えますよ。

読みたいテーマページつながる科目
輸入通関の全体の流れカスタムスアンサー1102関税法等・通関実務
課税価格の考え方カスタムスアンサー1403関税法等・通関実務
少額貨物の簡易税率カスタムスアンサー1001関税法等・通関実務
保税地域の種類カスタムスアンサー9203関税法等
通関業と通関業務カスタムスアンサー9103通関業法

カスタムスアンサーは手続の説明なので、試験の出題範囲そのものではありません。理解の助けとして使い、問題を解く時はテキストと法令に戻りましょう。

公式資料を土台にした教材の組み合わせ表

ここからは、勉強の段階ごとに、公式資料と市販教材をどう組み合わせるかを見ていきます。

通関ドットコム編集部で、組み合わせの例を表にしました。

勉強の段階土台にする公式資料足りない所を補う市販教材
始める前受験案内で科目・配点・出題範囲を確かめるなし
全体をつかむカスタムスアンサーで通関の流れを読むテキストで3科目の全体を読む
理解を深める法令の原文で条文を確かめるテキストと六法で関係する条文を引く
練習するなし問題集で分野ごとに解く
実力を確かめる過去の試験問題を本番の時間で解く解説つきの過去問題集で理由を確かめる
採点・見直し公表された配点と正答で自己採点テキストに戻って弱い分野を読み直す
受験案内・過去問・正答・法令の原文を土台にし、テキスト・問題集・六法で足りない部分を補う教材の組み合わせを示した図解

組み合わせのパターン例

人によって、足りない部分は違います。よくあるパターンを3つ挙げておきますね。

こんな人組み合わせの例
初めて通関の勉強をする公式資料+テキスト+問題集。六法は必要を感じてから
仕事で通関の書類に触れている公式資料+問題集。分からない分野だけテキストで補う
一度受けて合格に届かなかった公式資料+弱い科目の問題集+六法で条文を確かめる

『最初から全部買ってしまって、結局使わなかった』という失敗はよくあります。

まずは公式資料とテキスト1冊から始めて、足りないと感じた物を足していく順番がおすすめです。

よくある失敗

テキストを何冊も買って、どれも途中で止まってしまうケースです。1冊を最後まで読み切ってから、足りない部分を別の教材で補う方が、知識がまとまりやすくなります。

教材をそろえる順番

いっぺんにそろえるより、勉強の進み具合に合わせて足していく方がムダがありません。

教材をそろえる順番
  1. 受験案内と過去の試験問題を1回分、無料で見ておく
  2. テキストを1冊選び、3科目をひと通り読む
  3. テキストの分野に合わせて、問題集を用意する
  4. 条文を紙で引きたいと感じたら、六法を足す
  5. 仕上げの時期に、解説つきの過去問題集を足すか考える

『六法は最初に買うもの』と思われがちですが、必要を感じてからでも遅くありません。

テキスト・問題集・六法の選び方

ここからは、市販の教材を選ぶ時に見ておきたい点を紹介します。この記事では特定の商品名は挙げず、選ぶ時の物差しだけをお伝えしますね。

テキストを選ぶ時のチェック

テキストは、勉強の中心になる教材です。

テキストを選ぶ時のチェック
  • 受ける年の試験に合わせた版か(出題範囲は7月1日現在の法令)
  • 通関業法・関税法等・通関実務の3科目をすべて扱っているか
  • 通関実務の計算問題と申告書の問題の解き方が載っているか
  • 図や表が多く、自分が読み続けられる書き方か
  • 法改正の情報の案内があるか

書店で見られるなら、同じ分野のページを2〜3冊で読み比べてみてください。

「こっちの説明の方が、すっと入ってくる。」

そう感じた方が、あなたに合うテキストです。

紙の教材と電子版の使い分け

教材によっては、紙のほかに電子版が出ていることもあります。どちらにも良さがあります。

向いている人紙の教材電子版
書き込みや付箋で自分の教材に育てたい向いている機能による
ページをめくって前後を見比べたい向いているやや手間
通勤中にスマホで読みたい持ち歩きが重い向いている
言葉で検索して該当ページを探したい索引を使う向いている
画面を長く見ると疲れやすい向いている疲れやすい

働きながら勉強する方は、家では紙、通勤中は電子版やスマホで撮ったページ、と使い分ける方法もあります。

問題集を選ぶ時のチェック

問題集は、テキストで読んだことを使えるようにするための教材です。

問題集を選ぶ時のチェック
  • テキストの分野の順番と合わせて使いやすいか
  • 選択式・択一式・計算式の形の問題がそろっているか
  • 正解だけでなく、誤りの選択肢の理由まで解説があるか
  • 通関実務の申告書の問題が十分にあるか

テキストと問題集を同じシリーズでそろえると、ページを行き来しやすくなります。ただ、シリーズにこだわる必要はありません。

通関士の六法は必要?

『通関士の六法は、買わないとだめ?』という疑問は、とても多いですよね。

結論から言うと、六法は全員に必要な教材ではありません。法令の原文はe-Govで読めるからです。

「六法、買った方がいいかな?」
「テキストに条文が載っているなら、まずはe-Govで十分かも。」

勉強仲間とは、こんなやり取りになることも多いはずです。

一方で、六法があると便利な場面もあります。

六法があると便利な場面
  • 関係する条文を、紙でまとめて引きたい
  • 関税法と関税定率法など、複数の法律を行き来したい
  • 条文に書き込みや印をつけながら覚えたい
  • 試験の出題範囲に合わせた法令をまとめて持っておきたい
六法がなくても困りにくい場面
  • テキストに条文が十分に載っている
  • e-Govで原文を検索するのに慣れている
  • 問題集を中心に勉強している
  • 持ち歩く荷物を軽くしたい

六法を買う場合も、受ける年の出題範囲(7月1日現在の法令)に合った版かを確かめておきましょう。

六法を使う時のコツ

六法を買ったら、ただ持っているだけでなく、問題を解きながら引く習慣をつけると力になります。

使う場面六法の使い方
問題集で間違えた時解説に出てきた条文を引き、該当の行に印をつける
似た規定が混ざる時2つの条文のページに付箋を貼り、行き来して見比べる
期間や年数を覚える時数字の部分に色をつけ、同じ色の箇所をまとめて見返す
法改正があった時改正された条文に日付をメモしておく

条文番号は、科目をまたいでまとめる横断ノートにも書き写しておくと便利です。ノートの作り方は通関士の勉強法で紹介しています。

「7月1日現在」と教材の版の関係

ここが、教材選びで一番気をつけたい所です。

試験の出題範囲は、その年の7月1日現在で施行されている法令です。

前の年の教材だと、その後の法改正が反映されていない可能性があります。

教材の版を確かめる手順
  1. 受ける年の受験案内で、出題範囲の日付を確かめる
  2. 教材の表紙や奥付で、何年の試験向けの版かを確かめる
  3. 古い版を使う時は、法改正があった所を法令の原文で確かめる
  4. 気になる条文は、e-Gov法令検索で今の条文と見比べる

『先輩から古いテキストを譲ってもらった』という時も、この手順で確かめておけば安心です。

教材にかけるお金と時間の考え方

『教材にどこまでお金をかけていいの?』と迷う方もいますよね。

考え方の軸は、教材の数ではなく、使い切れるかどうかです。

1冊を何度も繰り返した方が、何冊も途中まで読むより知識は残ります。迷ったら「今の教材を使い切ってから次を考える」と決めておきましょう。

教材だけで不安なら講座を考える

ここまで読んで『教材をそろえても、ひとりで進められるかな』と感じた方もいるかもしれません。

独学で進めるか、講座を使うか

独学で十分に進められる人もいます。法律の文章に慣れていて、自分で計画を守れる人なら、公式資料と市販教材で進める方法は十分ありです。

一方で、次のような場面では講座が役に立ちます。

講座が助けになりやすい場面
  • 通関実務の計算問題や申告書の問題で、解き方の解説がほしい
  • 法改正の情報を自分で追いかけるのが大変だと感じる
  • 仕事が忙しく、教材を選んで計画を立てる時間がない
  • 分からないところを質問できる相手がいない

講座には、テキストや問題集がセットになっているものが多くあります。教材選びに迷う時間を減らしたい人にも向いています。

どちらが合うかの考え方は通関士は独学で合格できる?で比べています。

勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、教材の中身や質問の仕組みを比べてみるのも一つの方法です。講座の選び方は通関士の講座・スクールの選び方で紹介しています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある相談:通関士の教材の悩みに答えます

通関士の教材について、Yahoo!知恵袋でよく読まれている相談を要約して答えていきます。

独学のテキストと講座、どちらがいい?

『通関士の勉強を始めたい。独学のテキストより講座の方がいいの?』という相談は、とても多く読まれています。

どちらがいいかは、自分に足りない部分で変わります。

計算問題の解説や質問できる相手が必要なら講座、自分で調べて進められるならテキストと問題集、という分け方で考えてみてください。

未経験。専門学校に行くべきか、教材で始めるべきか

『通関の仕事をしたことがなく、専門学校などに通うべきか迷っている』という相談もありました。

未経験の方は、通関の言葉に慣れるまでが一番のハードルですよね。

まずは公式資料のカスタムスアンサーで通関の流れを読み、テキストを1冊読んでみてください。その時点で「ひとりでは進めにくい」と感じたら、講座や学校を検討しても遅くありません。

テキストや問題集以外に必要な物はある?

『テキストと問題集以外に、そろえておくべき物はある?』という相談です。

教材以外で用意しておきたいのは、通関実務の時間に使う電卓です。

試験で使える電卓には条件があり、計算機能だけのもので、関数電卓や印刷機能つきのものは使えません。普段の勉強から、本番で使う電卓で練習しておきましょう。

条件の詳しい内容は通関士試験の電卓と持ち物で紹介しています。

相談に共通する答え

教材選びで迷ったら、まず無料の公式資料を開き、自分に足りない部分を見つけることです。足りない部分だけを市販教材や講座で補えば、ムダな出費も減らせます。

通関士の教材を選ぶ前に確かめる、版・3科目・計算問題の解説・六法の必要性のチェックリストの図解

よくある質問

通関士の六法は買った方がいいですか?

全員に必要ではありません。法令の原文はe-Gov法令検索で無料で読めます。条文を紙でまとめて引きたい人や、書き込みながら覚えたい人には便利です。

前の年のテキストは使えますか?

使えますが、出題範囲はその年の7月1日現在の法令です。法改正があった所は、法令の原文で確かめながら使ってください。

過去問は市販の問題集を買わないと見られませんか?

過去の試験問題は税関ホームページの各回の試験ページで見られます。配点と正答も合格発表後に公表されます。解説がほしい場合は市販の過去問題集が役立ちます。

テキストは何冊そろえればいいですか?

まずは1冊を最後まで読み切るのがおすすめです。足りない部分が見つかったら、その分野だけ別の教材で補いましょう。

試験に六法を持ち込めますか?

受験案内の持ち込める物は、受験票・筆記用具・電卓(通関実務の時間のみ)・時計などです。六法は持ち込める物に挙げられていないので、受ける年の受験案内で確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士の教材は、無料の公式資料を土台にして市販教材で補う
  • 受験案内・過去問・正答・法令の原文は無料で見られる
  • 勉強の段階ごとに、テキスト・問題集・六法の役割を分ける
  • 六法は全員に必要ではなく、条文を紙で引きたい人に便利
  • 教材は受ける年の7月1日現在の法令に合った版か確かめる
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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