通関士の勉強時間の目安|試験日から逆算する学習スケジュール

通関士の勉強時間の目安と、試験日から逆算する学習スケジュールを扱う記事のアイキャッチ

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『通関士の勉強時間って、結局何時間くらい必要なの?』と調べている方も多いはずです。

結論から言うと、通関士に必要な勉強時間は人によって大きく違います。貿易の仕事の経験や、法律の文章に慣れているかで、出発点が変わるからです。

この記事では時間を決めつける代わりに、10月上旬の試験日から逆算して、月ごとに何をするかの学習スケジュールを3つのパターンで紹介します。

目次

通関士の勉強時間に「正解の数字」はない

先に結論

通関士の勉強時間に、決まった基準はありません。ネットで見かける時間の目安は、人によって前提が違います。数字を追うより、試験日から逆算して「いつまでに何を終えるか」を決める方が、ずっと役に立ちます。

勉強時間の目安を調べると、いろいろな数字が出てきますよね。

『その時間に届かなかったら、受からないのかな』と不安になる方もいるはずです。

ただ、その数字が誰の、どんな前提での時間なのかは、書かれていないことがほとんどです。

勉強時間が人によって変わる理由

例えば、こんな違いで必要な時間は大きく変わります。

違いが出るところ時間が短くなりやすい人時間がかかりやすい人
仕事の経験通関や物流の書類に触れている貿易の仕事をしたことがない
法律の文章条文を読むのに慣れている法律の勉強が初めて
計算電卓での計算に慣れている計算問題に苦手意識がある
受験の回数2回目以降で、弱い科目が分かっている初めての受験
科目免除実務経験で一部の科目が免除される3科目すべてを受ける

科目の一部免除は、通関業者の通関業務などに通算5年以上で通関実務、通算15年以上で関税法等と通関実務が免除される制度です。詳しくは通関士試験の科目免除で紹介しています。

試験日から逆算するのが一番の近道

ここが大事なところです。

勉強時間を「合計で何時間」と考えるより、試験日から逆算して「何月に何をするか」を決める方が、迷わず進められます。

通関士試験は年1回、10月上旬の日曜日に行われます。第60回(令和8年)は10月4日(日)でした。

時期第60回(令和8年)の日程
公告7月1日
受験申込み7月21日から8月4日まで
試験日10月4日(日)
合格発表11月10日(火)の予定

出典は第60回通関士試験(令和8年)のページです。日程の詳しい流れは通関士試験の日程で紹介しています。

次の第61回(令和9年)の日程はまだ発表されていません。この記事では「10月上旬の試験日」を仮のゴールとして話を進めますね。

逆算の計画を立てる手順

試験日から逆算する手順
  1. 試験日を「10月上旬の日曜日」として仮に置く
  2. 7月下旬から8月上旬の申込期間に、出願の時間を空けておく
  3. 試験直前の1か月を、過去問と見直しの期間として先に確保する
  4. 残りの期間に、通関業法・関税法等・通関実務を順番に割り振る
  5. 1週間で使える時間を書き出し、月ごとの計画に無理がないか確かめる
  6. 公告が出たら、仮の日付を正式な日程に置き換える

3科目を進める順番は、通関士の勉強法|3科目をどの順番で進めるかで詳しく紹介しています。

10月上旬の試験日から逆算して、直前期・申込期間・3科目の期間を割り振る学習スケジュールの立て方を示した図解

直前1か月の過ごし方

どのパターンでも、試験直前の1か月は過去問と見直しに使います。

直前1か月の進め方
  1. 過去問を1回分ずつ、本番と同じ時間割で解く
  2. 正答で採点し、科目ごとの得点を書き出す
  3. 間違えた問題を、テキストや横断ノートに戻って確かめる
  4. 電卓や時計など、当日の持ち物をそろえる
  5. 試験の前の週は、新しい教材に手を広げない

使える電卓の条件は通関士試験の電卓と持ち物で確かめておきましょう。

3つのパターンで見る学習スケジュール

ここからは、通関ドットコム編集部が考えた3つのパターンを紹介します。

始める時期と、受験が何回目かで、計画の立て方は変わります。

パターンの選び方

初めての受験で経験がないなら「半年前から」、仕事で通関の書類に触れているなら「3か月前から」も候補です。一度受けた方は「2回目の受験」を参考にしてください。

パターン1:半年前から始める学習スケジュール

1つ目は、4月ごろから始めるパターンです。初めて受験する方や、仕事の経験がない方に向いています。

月やること
4月通関の全体の流れをつかみ、通関業法を読み始める
5月通関業法を一巡し、関税法等に入る
6月関税法等を分野ごとに進める。計算問題に少しずつ触る
7月関税法等を一巡。受験案内を読み、出願の準備をする
8月出願を済ませ、通関実務の計算と申告書の問題を中心に解く
9月過去問を年度ごとに解き、弱い分野を見直す
10月上旬苦手なテーマだけを見返して試験へ

半年あると、3科目を一巡させたうえで、過去問の時間も取れます。

『半年もあるなら、まだ大丈夫』と思いがちですが、実はここが落とし穴なんです。

よくある失敗

最初の2か月をのんびり過ごしてしまい、夏に関税法等が終わらないケースです。月の終わりに「その月にやると決めたことが終わったか」を確かめておきましょう。

半年プランで時間を作るコツ

半年プランは期間が長い分、毎週の勉強を続けられるかが大事になります。

半年プランを続けるためのチェック
  • 毎週、勉強する曜日と時間帯が決まっている
  • 月ごとに「終わらせる範囲」を書き出している
  • 遅れた時に取り戻すための予備の日を作っている
  • 7月1日ごろの公告と受験案内を確かめる予定を入れている

パターン2:3か月前から始める学習スケジュール

2つ目は、7月ごろから始めるパターンです。

仕事で通関や貿易の書類に触れている方や、法律の勉強に慣れている方なら、このくらいの期間で計画を立てる人もいます。

月やること
7月受験案内を読み、出願の準備。通関業法を一気に一巡する
8月出願を済ませる。関税法等を一巡し、計算問題も並行して解く
9月通関実務の申告書の問題と過去問を、時間を計って解く
10月上旬間違えた問題だけを見直して試験へ

3か月だと、どうしても1か月あたりの量が増えます。

『全部を完璧にしてから次に進もう』と考えると、間に合わなくなることも。

3か月プランで優先したいこと

期間が短い時は、やることに優先順位をつけておきましょう。

3か月プランで優先すること
  • 3科目すべてで合格基準を満たす必要があるので、捨てる科目を作らない
  • 通関実務の計算問題と申告書の問題を、早い時期から並行して解く
  • 過去問を少なくとも1回分は、本番と同じ時間割で解く
  • 出願の手続で勉強が止まらないよう、受付初日に出せる準備をする

申込期間は、第60回では7月21日から8月4日まででした。勉強に集中していると、締切を忘れやすい時期でもあります。

3か月プランが向いているかのセルフチェック

3か月プランを選ぶ前に、次の点を確かめておくと安心です。

確かめること当てはまる時当てはまらない時
通関や貿易の言葉を知っている3か月プランも候補になる半年プランを検討する
平日も毎日、勉強の時間を取れる3か月プランも候補になる期間を長めに取る
計算問題に苦手意識がない3か月プランも候補になる計算を早めに始める

当てはまらない項目が多いなら、無理をせず次の年に向けて半年プランで準備する選び方もありです。

パターン3:2回目の受験のスケジュール

3つ目は、一度受けて合格に届かなかった方のパターンです。

2回目の受験は、1回目より有利な点があります。どの科目で点が足りなかったかが分かっているからです。

合格発表のあとから始める

合格発表は11月中旬で、試験のあとには正答と配点が税関ホームページで公表されます。

まずは自己採点の結果を見て、科目ごとの得点を書き出すところから始めましょう。

時期やること
11月から12月自己採点で、点が足りなかった科目と分野を書き出す
1月から3月弱い科目のテキストを読み直す。基礎を固め直す
4月から6月3科目の問題集を一巡。法改正があった所を確かめる
7月から8月出願。通関実務の計算と申告書を時間を計って解く
9月過去問を通しで解き、弱点を見直す
10月上旬試験へ

『去年やった内容だから』と、得意な科目を全く見ないのは危ないです。

合格基準は回によって違うことがあり、第58回は関税法等だけ55%以上、第59回は3科目とも60%以上でした。どの科目も基準を満たせるよう、得意な科目も軽く回しておきましょう。

半年前から・3か月前から・2回目の受験の3つのパターンで、月ごとにやることを並べた学習スケジュールの図解

2回目は法改正の確認を忘れずに

出題範囲は、その年の7月1日現在で施行されている法令です。

去年の教材のまま進めると、改正された部分の知識が古くなっている可能性があります。

法改正を確かめる時

受ける年の受験案内で出題範囲の日付を確かめ、気になる条文はe-Gov法令検索の関税法などで原文を見てみてください。

科目の配分と1週間の時間をどう決める?

『3科目に同じだけ時間をかければいいの?』と迷う方もいますよね。

配分を決める時のヒントになるのが、試験の時間と配点です。

科目試験時間(第60回)配点時間を考える時のヒント
通関業法50分45点条文の言い回しに慣れれば進めやすい。最初に一巡させる
関税法等100分60点出題範囲が広い。分野ごとに区切って長めに時間を取る
通関実務100分45点計算と申告書は慣れが必要。早めから並行して解く

出典は第60回の受験案内です。

関税法等は、関税法や関税定率法のほか、関税暫定措置法や外国為替及び外国貿易法(第6章に係る部分)なども出題範囲に入ります。

範囲の広さを考えると、計画の中で一番長い期間を割り当てておくと安心です。

自分の弱い所に時間を寄せる

配分は、自分の得意・不得意でも変えていきましょう。

配分を見直すタイミング
  • 問題集を解いて、正解が少ない分野が見つかった時
  • 過去問を解いて、科目ごとの得点に差が出た時
  • 計算問題で時間が足りないと感じた時
  • 法改正があった分野が出てきた時

例えば、仕事で輸入の書類に触れている人は通関実務の申告書になじみやすく、その分を関税法等に回す、という考え方もできます。

1週間の時間をどう見積もるか

月ごとの計画が決まったら、1週間の時間に落とし込みます。

ここで大事なのは、理想の時間ではなく、実際に使える時間で考えることです。

1週間の時間を見積もる手順
  1. 平日の朝・昼休み・夜で、勉強に使える時間を書き出す
  2. 休日に使える時間を書き出す
  3. 仕事や家の用事で使えない日を、先に除いておく
  4. 書き出した時間に、テキストを読む・問題を解く・見直すの3つを割り振る
  5. 1週間やってみて、計画と実際の差を見て直す

例えば、平日は短い時間で読む、休日はまとまった時間で解く、と分けると続けやすくなります。

社会人の時間の作り方は、働きながら通関士を目指す|社会人の学習時間の作り方で1週間の時間割の例を紹介しています。

1日の時間の使い方の例

1週間の中でも、時間帯によって向いている勉強が違います。

時間帯向いている勉強
朝の通勤や家を出る前横断ノートや条文の見返しなど、短く区切れるもの
昼休み品目分類や選択式の問題を数問だけ解く
夜テキストを読み進める。問題集を1つの分野ずつ解く
休日通関実務の計算や申告書、過去問を時間を計って解く

時間を計って解く勉強は、まとまった時間がある休日に回すと進めやすいですよ。

計画どおりに進まない時は

計画は、ずれるのが当たり前です。

「今週も予定どおりに進まなかった…」
「来週はどこを削ろう?」

こんな時は、計画を全部作り直すのではなく、次の順番で調整してみてください。

ずれ方調整のしかた
1週間だけ遅れた予備の日で取り戻す
1か月近く遅れた過去問の回数を減らさず、テキストの読み直しを絞る
1科目だけ大きく遅れたその科目を優先し、得意な科目は問題集だけ回す
申込期間に間に合わない今年は見送るか、試験を体験する年と割り切るかを決める

時間が限られるなら講座を使う考え方もある

ここまで読んで『自分の使える時間では、独学だと厳しいかも』と感じた方もいるかもしれません。

独学で進めるか、講座を使うか

独学で十分に進められる人もいます。計画を守れる人なら、テキストと問題集、過去問で進める方法は十分ありです。

一方で、次のような場面では講座が時間の節約に役立ちます。

講座が助けになりやすい場面
  • 仕事が忙しく、勉強時間が限られている
  • 通関実務の計算問題や申告書の問題で、解き方の解説がほしい
  • 法改正の情報を自分で追いかけるのが大変だと感じる
  • 分からないところを質問できる相手がいない

どちらが合うかは通関士は独学で合格できる?で比べています。

勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、受講期間が10月上旬の試験日までに終わるか比べてみるのも一つの方法です。講座の選び方は通関士の講座・スクールの選び方で紹介しています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある相談:通関士の勉強時間の悩みに答えます

通関士の勉強時間について、Yahoo!知恵袋でよく読まれている相談を要約して答えていきます。

関税率表の通則と品目分類に時間がかかる

『関税率表の通則と貨物の分類の勉強に、とても時間がかかる』という相談は、とても多く読まれています。

品目分類は、覚える量が多く、慣れるまで時間がかかりやすい分野ですよね。

ここは一気に終わらせようとせず、毎週少しずつ触れる分野として計画に組み込んでおくのがおすすめです。

例えば、平日のすき間時間に分類の問題を数問ずつ解き、休日に間違えた所をまとめて見直す、という回し方があります。

独学だとどのくらい必要?今年はもう間に合わない?

『独学だとどれくらい勉強時間がいるの?今年はもう間に合わない?』という相談です。

必要な時間は、仕事の経験や使える時間で大きく変わるので、この記事では時間を決めつけません。

まずは試験日までの残りの週を数えて、3科目を一巡できるかを紙に書き出してみてください。

一巡が難しそうなら、その年は試験の流れを体験し、翌年に向けて半年プランで準備する考え方もあります。

ネットで見た時間の目安に届かない

『ネットで見た勉強時間の目安に届きそうにない。それだと合格は難しい?』という相談もありました。

目安の数字は、その人の経験や前提によって変わります。数字に届くかどうかより、3科目を一巡して過去問を解けるかで考えてみてください。

過去問を本番と同じ時間で解いて、科目ごとに点が取れているかを見る方が、今の実力がずっとはっきり分かります。

仕事の都合で、試験までの時間が限られる

『仕事の都合で、来月から試験まであまり時間が取れなくなる』という相談もありました。

忙しい時期が分かっているなら、その前に進められる科目を先に進めておくのが一つの手です。

忙しい時期は、新しい範囲に進むより、問題集の見直しや横断ノートの見返しなど、短い時間でできる勉強に切り替えましょう。

相談に共通する答え

勉強時間は人によって違います。大事なのは合計の時間ではなく、試験日から逆算して「いつまでに何を終えるか」を決め、毎月その進み具合を確かめることです。

よくある質問

通関士の勉強時間は何時間必要ですか?

人によって大きく違うので、何時間と決めつけることはできません。仕事の経験や法律の勉強に慣れているかで変わります。試験日から逆算して、月ごとの計画を立てる方法をおすすめしています。

いつから勉強を始めればいいですか?

初めての受験なら、半年前の4月ごろから始めると、3科目の一巡と過去問の時間を取りやすくなります。経験がある方なら3か月前から計画を立てる人もいます。

2回目の受験はいつから始めればいいですか?

合格発表のあと、自己採点で弱かった科目と分野を書き出すところから始めるのがおすすめです。

科目免除があると勉強時間は変わりますか?

免除される科目の分だけ、勉強する範囲が変わります。通関業務などに通算5年以上で通関実務、通算15年以上で関税法等と通関実務が免除されます。申請の方法は受ける年の受験案内で確かめてください。

試験の直前はどう過ごせばいいですか?

直前の1か月は、過去問と間違えた問題の見直しに使うのがおすすめです。新しい教材に手を広げず、苦手なテーマを繰り返しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士の勉強時間は人によって違い、公式の目安はない
  • 合計時間より、10月上旬の試験日から逆算する方が役に立つ
  • 半年前から・3か月前から・2回目の受験で計画の立て方が変わる
  • 1週間は実際に使える時間で見積もり、ずれたら調整する
  • 時間が限られる人は、講座で補う考え方もある
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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