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『通関業法って、何から手をつければいいんだろう。関税法と同じように暗記するしかないのかな』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、通関業法の勉強法は「4つのブロックに分けて、条文と過去問を行ったり来たりする」のがいちばん近道です。配点の大半を選択式が占めるので、条文の言葉を正確に覚えるほど点が安定します。
この記事では、通関業法の試験での位置づけから、学習表、得点を安定させるコツまで順番に見ていきます。
通関業法の勉強法は?まず試験での位置づけを知る
通関業法は、試験時間50分・満点45点の科目です。そのうち41点が選択式なので、条文の語句を正確に覚えることが得点に直結します。
勉強の作戦を立てる前に、第60回(令和8年)の受験案内で通関業法の中身を確かめておきましょう。
| 項目 | 第60回(令和8年)の内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 9:30から10:20(50分)。3科目の最初の科目 |
| 選択式 | 13問・41点 |
| 択一式 | 4問・4点 |
| 満点 | 45点 |
| 出題範囲 | 令和8年7月1日現在で施行されている法律・政令・省令・告示・通達。認定通関業者に係る出題を含む |
出典は税関の第60回通関士試験の受験案内PDFです。
選択式は、空欄に当てはまる語句を選ぶ形式か、五肢から正しいもの(誤っているもの)を複数選ぶ形式です。
『1つ選ぶだけならまだしも、複数選ぶのはきつい』と感じる方もいますよね。複数選ぶ問題は、1つでもあいまいな知識があると点を落としやすいんです。
合格基準から逆算すると
合格基準は事前には公表されず、合格発表の時に公表されます。
第59回は3科目とも満点の60%以上、第58回は通関業法が60%以上でした。45点満点の60%は27点です。
基準は回によって変わるので、通関業法は「60%を少し上回る点」を目標にしておくと安心です。3科目すべてで基準を満たす必要があるので、通関業法だけ高得点をねらうより、取りこぼしを減らす方が大事です。
試験全体の形式は、通関士試験の内容|3科目の出題形式と配点で3科目を並べて紹介しています。
通関業法を4つのブロックに分けた学習表
ここが大事なところです。
通関業法を最初から順番に読むと、どこが大事なのか分からなくなりがちです。通関ドットコム編集部で、法律の中身を4つのブロックに分けて、条文と過去問を往復する順番を表にしました。
| 順番 | ブロック | 主な中身 | 押さえる言葉 | 過去問での見方 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 通関業の許可 | 通関業とは何か、財務大臣の許可、通関業務と関連業務の範囲 | 「他人の依頼」「業として」「財務大臣の許可」 | どの行為が通関業務に当たるかを問う問題 |
| 2 | 通関業者の義務 | 通関士の設置、通関士による審査と記名、料金の掲示 | 「営業所ごと」「審査」「記名」「料金の額を掲示」 | 誰が・どこで・何をするかの主語を問う問題 |
| 3 | 通関士 | 通関士試験、科目免除、財務大臣の確認 | 「合格」「通算5年・15年」「確認」 | 試験から確認までの手続の順番を問う問題 |
| 4 | 処分と罰則 | 違反があった時の監督処分や罰則 | 処分の種類と、誰が対象になるか | 条文の言葉の細かい違いを問う問題 |
『全部の条文を覚えないといけない』と思うと手が止まりますが、ブロックごとに区切れば1回の勉強の量がぐっと小さくなります。

ブロック1:通関業の許可
最初のブロックは、そもそも通関業とは何かという話です。
税関の案内では、通関業は「他人の依頼を受けて税関官署に対してする輸出又は輸入の申告、関税の納付、不服申立て等の手続について、輸出入者に代わって代理・代行することを業として行うこと」と説明されています(カスタムスアンサー9103)。
そして、通関業法第3条第1項は「通関業を営もうとする者は、財務大臣の許可を受けなければならない。」と定めています。
通関業務の範囲(第2条)と、それに先行・後続する関連業務(第7条)の区別も、このブロックで押さえておきましょう。
税関の案内(カスタムスアンサー9105)をもとに、2つを並べるとこうなります。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 通関業務 | 通関手続の代理・代行、不服申立ての代理、税関に対する主張・陳述の代行、通関書類の作成 |
| 関連業務 | 事前教示の照会、保税運送の申告、本船扱いの申請、他法令の許可・承認の申請 など |
『保税運送の申告は通関業務?関連業務?』のように、具体的な手続がどちらに入るかを問われると迷いやすいところです。表の右側の例を、自分でカードにして覚えておくと安心ですよ!
ブロック2:通関業者の義務
2つ目のブロックは、許可を受けた通関業者が守る決まりです。
- 第13条:通関業務を行う営業所ごとに通関士を置く
- 第14条:通関書類は通関士に内容を審査させ、記名させる
- 第18条:通関業務の料金の額を営業所で見やすいように掲示する
料金の掲示は、法律だけでなく通達もあわせて見ておきたいところです。出題範囲には通達も入っているからです。
現行の通関業法基本通達では、料金の額は依頼者にとって分かりやすいものにすること、割増や割引・実費を別に請求する旨を書くこと、掲示の様式は各通関業者が自由に定めてよいこと、インターネットで掲示する場合はURL(二次元コードを含む)を営業所に掲示することが示されています。
第13条には、一定の種類の貨物に限った許可の場合は通関士を置かなくてよい、という例外もあります。例外は選択式でねらわれやすいので、原則とセットで覚えておくのがおすすめです。
ブロック3:通関士
3つ目は、通関士そのものに関するブロックです。試験を受ける自分にも関わる話なので、イメージしやすいはずです。
- 通関士試験に合格する(第23条第1項)
- 経験年数がある人は、科目の一部が免除される(第24条)
- 合格者が通関業者に勤める
- 通関業者が財務大臣に届け出て、確認を受ける(第31条)
- 通関士として通関業務に従事する
試験そのものの決まりもこのブロックに入ります。通関士試験は毎年1回以上、財務大臣が決定する問題により各税関長が行うと定められています(第27条)。
受験しなかった場合に受験手数料が戻らないことも、通関業法に書かれています(第26条第2項)。
税関の案内では、令和8年4月1日現在の全国の通関士数は8,372人、令和7年4月1日現在の通関業者は988社です(カスタムスアンサー8101、9104)。条文の決まりが、こうした会社と人の仕事を支えているとイメージすると覚えやすくなります。
確認の流れは通関士になるまで|合格後の財務大臣の確認と勤務先の関係で、免除の条件は通関士試験の科目免除で詳しく紹介しています。
ブロック4:処分と罰則
最後のブロックは、通関業者や通関士が決まりを守らなかった時の処分と罰則です。
ここは条文の言葉が細かく、似た表現が並ぶところです。最初から深追いせず、1から3のブロックを固めてから取りかかると覚えやすくなります。
最初に罰則の細かい部分から覚えようとして、通関業の許可や通関士の確認といった土台があいまいなまま進んでしまうケースです。処分や罰則は「誰が・何をした時に」が分かっていないと覚えにくいので、順番を守りましょう。
条文と過去問を往復する順番

ブロック分けができたら、次は勉強の回し方です。
『テキストを全部読んでから過去問に進もう』と考える方も多いですよね。ただ、通関業法は選択式の語句が勝負なので、早めに過去問に触れた方が「どの言葉が問われるか」が見えてきます。
- テキストでブロックの全体をざっと読む
- そのブロックの過去問を解く(正解できなくてよい)
- 間違えた問題の語句を、条文で探して線を引く
- 線を引いた語句を空欄にして、もう一度条文を読む
- 数日おいて同じ過去問を解き直す
過去の試験問題は、税関ホームページの各回のページで確認でき、合格発表後には正答と配点も公表されます(第59回の試験のページ)。
過去問の集め方と使い方は、通関士試験の過去問の使い方|年度ごとの問題と正答の確認方法で紹介しています。
自分で空欄問題を作ってみる
選択式の練習には、条文から自分で空欄問題を作るやり方が効きます。
例えば、第3条第1項を使うとこんな形になります。
| 条文の要点 | 空欄にした形 |
|---|---|
| 通関業を営もうとする者は、財務大臣の許可を受けなければならない。 | 通関業を営もうとする者は、( )の( )を受けなければならない。 |
| 通関業者は、通関業務を適正に行うため、その通関業務を行う営業所ごとに通関士を置かなければならない。 | 通関業者は、通関業務を適正に行うため、その通関業務を行う( )ごとに( )を置かなければならない。 |
「財務大臣」か「税関長」か、「許可」か「確認」か。こうした取り違えが、選択式で点を落とす原因になりやすいんです。
空欄を作る作業そのものが、条文を丁寧に読む練習になりますよ!
1週間の回し方の例
働きながら勉強している人向けに、1週間で1ブロックを回す例を挙げておきます。
| 曜日の目安 | やること |
|---|---|
| 1日目 | テキストでブロックの全体を読む |
| 2日目 | 過去問を解き、間違えた語句に線を引く |
| 3日目 | 条文で空欄問題を作る |
| 4日目 | 空欄問題を解き直す |
| 5日目 | 前のブロックの空欄問題を復習する |
| 週末 | そのブロックの過去問をもう一度通して解く |
1週間で終わらなければ、2週間に延ばしてもかまいません。大事なのは、条文と過去問を行き来する回数を増やすことです。
得点を安定させるコツ
通関業法は、勉強した分が点数に出やすい科目です。
ただ、本番で点がぶれる人には共通の落とし穴があります。
似た言葉の違いを表にする
通関業法には、似ているけれど意味が違う言葉がいくつも出てきます。
| 言葉 | 誰が受けるか | 何の場面か |
|---|---|---|
| 財務大臣の許可 | 通関業を営もうとする者 | 通関業を始める時(第3条) |
| 財務大臣の確認 | 通関業者が、合格者について受ける | 通関士として従事させる時(第31条) |
| 審査・記名 | 通関士が行う | 通関書類を出す時(第14条) |
| 料金の掲示 | 通関業者が行う | 営業所で依頼者に見せる(第18条) |
『許可と確認って、どっちも財務大臣だから同じでは?』と混ざりやすいところです。誰が受けるのか、何の場面なのかで分けると覚えやすくなります。
- 主語(誰が)とセットで覚える
- 原則と例外を並べて覚える
- 条文の語句をそのまま覚える
- 内容だけをざっくり覚える
- 例外を後回しにする
- 仕事で使う言い方で覚えてしまう
仕事で通関に関わっている人の注意
通関業者で働いている人は、普段の仕事で通関業法の決まりに触れています。そのぶん内容のイメージはつかみやすいはずです。
ただ、職場で使っている言い方と、条文の言い方が違うことがあります。
例えば、仕事では「通関士のチェック」と言っていても、条文では「審査」と「記名」です。試験では条文の言葉で問われるので、職場の言い方のまま覚えないように気をつけましょう。
本番の50分の使い方
通関業法は50分で17問を解きます。
選択式は1問の中で複数の空欄や選択肢を見るので、思ったより時間がかかります。
- 迷った問題には印をつけて、先に最後まで解く
- 「正しいもの」と「誤っているもの」のどちらを選ぶかを、問題文で丸をつけて確かめる
- 選んだ数が問題の指示と合っているかを見直す
- マークのずれがないか、最後の5分で確かめる
試験開始から30分と、終わる前の10分は退出できません。見直しの時間として使いましょう。
試験前1か月の仕上げ方
4つのブロックを一通り回し終えたら、最後の1か月は仕上げの時間です。
- 直近の過去問を、本番と同じ50分で通して解く
- 間違えた問題を4つのブロックに振り分ける
- 間違いが多いブロックの空欄問題だけを解き直す
- 似た言葉の表を見返し、主語と場面を声に出して確かめる
- 試験前の週は新しい問題に手を広げず、間違えた問題の解き直しに絞る
出題範囲は試験の年の7月1日現在で施行されている法令です。テキストが古い場合は、改正があった部分を税関や法令のサイトで確かめておきましょう。
通関業法の条文は、e-Govの法令検索で全文を読めます。
独学で進めるか、講座を使うか
通関業法は条文と過去問の往復が中心なので、独学でも進めやすい科目です。法律の文章を読むのが苦にならない人なら、市販のテキストと問題集、税関ホームページの過去問で十分に対策できます。
教材の選び方は通関士のテキストと六法の選び方で紹介しています。
一方で、3科目全体で見ると、講座が助けになる場面もあります。
- 関税法等や通関実務も含めて、3科目の計画をまとめて立てたい
- 出題範囲の基準日に合わせた法改正の情報を追うのが大変
- 通関実務の申告書や計算問題の解説がほしい
- 分からない条文の意味を質問できる相手がいない
独学か講座かの考え方は、通関士は独学で合格できる?独学の進め方と講座を使うと楽な人で比べています。
勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、通関業法の条文の解説や過去問の扱い方を比べてみるのも一つの方法です。講座の選び方は通関士の講座・スクールの選び方にまとめています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある相談:通関業法の勉強の悩みに答えます
Yahoo!知恵袋で読まれている相談の中から、通関業法の勉強に関わるものを要約して答えます。
ひたすら暗記するしかないの?
『関税法も通関業法も、結局はひたすら暗記しかないの?』という相談がよく読まれています。
選択式の配点が大きいので、語句を正確に覚える作業は避けて通れません。
ただ、ただ丸暗記するより「誰が・何の場面で・何をするか」を意識して覚えた方が、似た言葉の問題で迷いにくくなります。上の4ブロックの表を使って、条文がどのブロックの話かを確かめながら覚えてみてください。
関税法等が終わっていなくても進められる?
『関税法等の勉強がまだ終わっていないけど、通関業法を先に進めても大丈夫?』という質問もあります。
通関業法は、通関業者と通関士のルールが中心の法律です。関税法等とは中身が分かれているので、並行して進めることもできます。
ただ、通関業務の範囲には輸出入の申告や関税の納付が出てくるので、関税法等で手続の流れを知っていると、条文の意味がつかみやすくなります。
3科目の順番の考え方は関税法等の勉強法|範囲の広い科目を絞り込む順番もあわせて読んでみてください。
通関業法は、語句の正確さと「誰が・何の場面で」の区別で点が安定します。ほかの科目と並行して進めながら、条文と過去問の往復を続けていきましょう。
よくある質問
通関業法の配点は何点ですか?
第60回では満点45点で、選択式13問41点と択一式4問4点です。試験時間は50分です。
通関業法はどのくらいの点を目標にすればいいですか?
合格基準は合格発表の時に公表されます。第59回は満点の60%以上(27点)だったので、それを少し上回る点を目標にしておくと安心です。
通関業法は過去問だけで対策できますか?
過去問は大事ですが、間違えた語句を条文で確かめる作業とセットにすると点が安定します。出題範囲は試験の年の7月1日現在の法令なので、改正があった部分も確かめてください。
通関業法はいつごろから勉強を始めればいいですか?
決まった時期はありませんが、選択式の語句を覚えるには繰り返しの回数が要ります。試験日から逆算して、4つのブロックを2周以上できる時期から始めておくと安心です。
認定通関業者も出題範囲に入りますか?
第60回の受験案内では、通関業法と関税法等の科目で認定通関業者に係る出題を含むとされています。
まとめ
- 通関業法は50分・45点で、選択式が41点を占める
- 許可・通関業者の義務・通関士・処分と罰則の4ブロックに分けて学ぶ
- 1ブロックごとに条文と過去問を往復し、空欄問題を自分で作る
- 許可と確認など、似た言葉は主語と場面で区別する
- 本番は印をつけて先に進み、選ぶ数とマークのずれを見直す





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