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通関士試験に合格して、『このあと何をすれば通関士になれるの?』と調べている方も多いはずです。
結論から言うと、合格しただけでは通関士とは名乗れず、通関業者に勤めて、勤務先の申請で財務大臣の確認を受ける必要があります。
この記事を読めば、通関士の確認の仕組みと、合格から通関士として働くまでの段階が分かります。
通関士の確認とは?合格だけでは名乗れない理由
通関士の確認とは、通関業者が試験の合格者を通関士として働かせる時に、財務大臣に届け出て受ける確認のことです(通関業法第31条)。申請するのは本人ではなく、勤務先の通関業者です。
『国家試験に受かったのに、まだ通関士じゃないの?』と驚きますよね。
実は、通関士は「試験に合格した人」というだけでなく、「通関業者で通関業務に従事する人」として決められている資格なんです。
税関のカスタムスアンサー8001では、通関士は次のように説明されています。
通関士とは、国家試験である通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者をいいます。
出典:税関 カスタムスアンサー8001
第60回通関士試験の受験案内にも、同じ趣旨が書かれています。
合格者が通関士として働くには、通関業法第31条により、勤務先の通関業者の申請にもとづく財務大臣の「確認」が必要です。
通関士という資格の全体像は通関士とは?でまとめています。
なぜ勤務先とセットなのか
通関業法第13条では、通関業者は通関業務を行う営業所ごとに通関士を置かなければならないとされています。
さらに第14条で、通関業者は通関書類などを通関士に審査させ、記名させることになっています。
つまり通関士は、通関業者が責任を持って申告するための、会社の中の専門職として位置づけられているんです。
そのため、勤務先の通関業者が「この人を通関士として置きます」と届け出る形になっています。
通関そのものの流れは通関とは?で確かめられます。
第31条には何が書かれているか
通関業法第31条第1項は、通関業者が合格者を通関士の名称で従事させる時の決まりです。
財務大臣に届け出て、その人が次の項に定める事由に当たらないことの確認を受けなければならない、とされています。
つまり、確認は「この人を通関士として働かせて問題ないか」を国が確かめる手続です。
どんな事由に当たると確認を受けられないかは法律で決まっているので、気になる方は通関業法の条文や税関の案内で確かめてみてください。
通関士になるまでの3つの段階
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
通関ドットコム編集部で、通関士になるまでを3つの段階に分けて表にしました。
| 段階 | どんな状態か | できること | 次に進む条件 |
|---|---|---|---|
| 1. 試験に合格した人 | 通関士試験に合格し、合格証書を持っている | まだ通関士として記名はできない | 通関業者に勤める |
| 2. 通関業者に勤める人 | 通関業者で働いている合格者 | 通関業務を手伝いながら経験を積む | 勤務先が財務大臣に届け出る |
| 3. 確認を受けて通関士として働く人 | 財務大臣の確認を受けた人 | 通関士として申告書などを審査し記名する | なし |

『合格したらすぐ段階3に行ける』と思いがちですが、段階2の「通関業者に勤める」がないと確認には進めません。
段階1:合格証書を受け取るまで
第60回(令和8年)の受験案内では、合格発表から合格証書までの予定は次のとおりです。
- 11月10日(火)税関ホームページに合格者の受験番号を掲載
- 11月20日(金)官報に合格者の受験番号を掲載
- 官報の掲載後、受験地を管轄する税関から合格証書を郵送
- 12月4日(金)までに届かない場合は、受験地の税関の通関業監督官に問い合わせ
合格発表の確かめ方は通関士試験の合格発表と合格基準で詳しく説明しています。
段階2:通関業者に勤める
確認を申請するのは勤務先の通関業者なので、通関業者で働いていることが前提になります。
すでに通関業者で働きながら受験した人は、合格後に会社に伝えれば、確認の手続の話に進めます。
まだ通関業者で働いていない人は、通関業者への就職や転職を考えることになります。
求人の探し方は通関士の転職・求人の探し方で紹介しています。
税関の案内では、令和8年4月1日現在、全国の通関士は8,372人、通関士以外の通関業務従業者は8,573人とされています(カスタムスアンサー8101)。通関業者に先に就職して、働きながら試験を目指す道もあります。
『合格してから就職するか、就職してから合格を目指すか』で迷う方もいますよね。
どちらの順番でも、最後に確認を受けるのは通関業者に勤めてから、という点は同じです。
段階3:確認を受けて通関士として働く
確認を受けると、通関士として通関業務に従事できます。
通関業法第14条では、通関業者は通関書類などを通関士に審査させ、記名させなければならないとされています。
この審査と記名が、通関士として任される仕事の中心です。
仕事の中身は通関士の仕事内容で紹介しています。

確認の前に準備しておきたいこと
『確認って、合格者本人は何をすればいいの?』と気になる方もいますよね。
申請するのは勤務先なので、本人は会社の担当者とよく話しておくのが第一歩です。
例えば、合格が分かったらこんなふうに伝えてみてください。
「通関士試験に合格しました。合格証書が届いたら、通関士の確認の手続についてご相談させてください」
会社側も段取りを組みやすくなるので、早めに伝えておくのがおすすめです。
- 合格証書が手元に届いているか
- 勤務先が通関業者か(通関業の許可を受けた会社か)
- 勤務先で、通関士として働く予定があるか
- 確認の手続の段取りを、会社の担当者と話しているか
貿易の部署があるメーカーや商社に勤めていても、その会社が通関業者でなければ、確認の仕組みには乗りません。合格したことは強みになりますが、通関士として記名する立場になるには、通関業者に勤める必要があります。
通関業者以外で働く場合
合格しても、通関業者以外の会社で働く道を選ぶ人もいます。
その場合、通関士として記名はできませんが、通関の知識は貿易の仕事の中で役立ちます。
| 働く場所 | 通関士の確認 | 知識の使い方の例 |
|---|---|---|
| 通関業者 | 勤務先の申請で受けられる | 申告書の審査と記名 |
| メーカーや商社の貿易の部署 | 確認の仕組みの外 | 通関業者への依頼内容の確認、他法令の準備 |
通関士の確認でよくある相談
Yahoo!知恵袋などで見かける相談から、確認に関するものを3つ選んで答えます。
通関業務の経験がなくても確認は受けられる?
『通関業務の経験がないけれど、合格したら確認を受けられる?』という相談です。
受験案内や第31条で示されているのは、勤務先の通関業者の申請にもとづいて、法律で定める事由に当たらないことを確かめる、という仕組みです。
実務経験の扱いなどの細かい点は、勤務先の担当者や、税関の通関業監督官に確かめてみてください。
貿易事務を5年続ければ科目免除になる?
『貿易事務として5年働けば、通関士試験の1科目が免除される?』という相談です。
免除の対象は、通関業者の通関業務か、官庁の通関に関する事務に通算5年以上従事した場合です(カスタムスアンサー8009)。
自分の判断が要らない単なる入力事務や使送事務などは、期間に含まれないとされています。
勤め先や仕事の中身で扱いが変わるので、受験案内で条件を確かめてみてください。
フリーランスの通関士はいるの?
『通関士って、通関業者に勤めている人だけ?』という相談です。
カスタムスアンサー8001の定義では、通関士は勤務先の通関業者の申請で確認を受け、通関業務に従事する人とされています。
そのため、通関士として働くことは、通関業者に勤めていることと結びついています。
- 確認の細かい扱いは、勤務先や税関の通関業監督官に確かめる
- 科目免除は通関業者の通関業務などの経験が対象で、単なる入力事務は含まれない
- 通関士として働くのは、通関業者に勤めて確認を受けた場合
これから通関士を目指す人が知っておきたいこと
これから通関士を目指す人にとっては、まずは試験の合格が最初の段階です。
通関業法第23条でも、通関士になろうとする人は通関士試験に合格しなければならないとされています。
試験の基本を押さえておく
受験案内には「学歴、年齢、経歴、国籍等についての制限はありません」とあり、どなたでも受験できます。
第60回(令和8年)の試験科目は次の3つで、すべての科目で合格基準を満たす必要があります。
| 科目 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 通関業法 | 50分 | 45点 |
| 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る) | 100分 | 60点 |
| 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 | 100分 | 45点 |
財務省(税関)の公表値では、第59回(令和7年)の合格率は15.1%でした。
次の回の日程は、受ける年の受験案内で確かめてみてください。
通関業者で働くと科目免除の道もある
通関業者で働きながら目指す場合、実務の経験が試験の科目免除につながることがあります(カスタムスアンサー8009)。
| 従事した期間(通算) | 免除される科目 |
|---|---|
| 5年以上 | 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 |
| 15年以上 | 関税法等と、通関書類の作成要領その他通関手続の実務 |
単なる入力事務などは期間に含まれないので、申請の前に受験案内で条件を確かめておきましょう。
独学で進めるか、講座を使うか
独学なら、自分のペースで進められて、過去の試験問題や正答も税関のホームページで確かめられます。
一方で、次のような場面では講座が助けになることがあります。
- 通関実務の申告書問題や計算問題を、解説つきで学びたい
- 毎年の法改正の情報を自分で追うのが大変
- 働きながらで、勉強時間が限られている
- 分からないところを質問できる相手がいない
独学の進め方は通関士は独学で合格できる?、講座の比べ方は通関士の講座・スクールの選び方で紹介しています。
勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて比べてみるのも一つの方法です。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
通関士の確認は誰が申請しますか?
勤務先の通関業者が財務大臣に届け出て確認を受けます。合格者本人が単独で申請する仕組みではありません。
合格証書はいつ届きますか?
第60回の予定では、11月20日の官報掲載のあと郵送され、12月4日までに届かない場合は受験地の税関の通関業監督官に問い合わせるとされています。
確認を受けないと何ができませんか?
通関士の名称で通関業務に従事することができません。申告書などの審査と記名は、確認を受けた通関士の役割です。
転職したら確認はどうなりますか?
確認は勤務先の通関業者の申請にもとづいて受けるものです。勤め先が変わる時の扱いは、新しい勤務先の担当者や税関の通関業監督官に確かめてみてください。
通関業者以外の会社でも合格は役に立ちますか?
通関士として記名はできませんが、通関の知識はメーカーや商社の貿易の部署でも役立ちます。
まとめ
- 通関士の確認は、勤務先の通関業者が財務大臣に届け出て受ける(通関業法第31条)
- 合格しただけでは通関士とは名乗れない
- 通関士になるまでは、合格、通関業者に勤める、確認を受けるの3段階
- 合格証書は官報掲載のあとに受験地の税関から郵送される
- 通関業者以外では確認の仕組みに乗らないが、知識は貿易の仕事で役立つ





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