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海外から商品を仕入れたり通販で買ったりした時、通関でいくら税金がかかるのか、どう計算しているのか気になりますよね。
結論から言うと、通関でかかる税金は課税価格、関税、消費税・地方消費税の順に、前の段の結果を使って積み上がる仕組みです。
この記事を読むと、関税と消費税の計算の流れを3段の表で追えるようになり、自分の荷物の税額を確かめる時にどこを見ればいいかが分かります。
通関でかかる税金は、関税だけではありません
輸入の通関では、関税に加えて消費税と地方消費税がかかるのが基本です。お酒やたばこなら、酒税やたばこ税もかかります。
「通関税」という言葉で調べる方も多いですよね。これは正式な税の名前ではなく、通関の時にかかる関税や消費税をまとめて呼んでいる言い方です。
税関の案内では、輸入の許可を受ける前に「関税、内国消費税及び地方消費税を納付する必要がある場合には、これらを納付して」許可を受ける、とされています(カスタムスアンサー1101)。
| 税の種類 | どんな税か | かかる場面 |
|---|---|---|
| 関税 | 輸入する貨物にかかる税 | 品目ごとの税率で決まる(無税の品目もある) |
| 消費税 | 国内の取引と同じく、輸入の時にもかかる税 | 標準税率7.8%、軽減税率6.24% |
| 地方消費税 | 消費税と一緒に納める税 | 消費税額の22/78 |
| 酒税・たばこ税など | 消費税以外の内国消費税 | お酒やたばこなどを輸入する時 |
消費税と地方消費税を合わせると、標準税率で10%、軽減税率で8%です。国内で買い物をする時と同じ税率なんですね。
『関税さえ無税なら、税金はかからないの?』と思う方もいるはずです。ただ、関税が無税の品目でも、消費税と地方消費税は別にかかるのが基本です。
税額の決め方は2通りあります
税額は、輸入する人が自分で計算して申告する方法と、税関が計算する方法の2通りがあります(カスタムスアンサー1301)。
| 方式 | 誰が税額を計算するか | 主な場面 |
|---|---|---|
| 申告納税方式 | 輸入者自身 | 一般の貨物、課税価格20万円を超える郵便物 |
| 賦課課税方式 | 税関 | 外国から送られてきた郵便物など |
会社で貨物を輸入する時は、基本的に申告納税方式です。輸入者自身か、依頼を受けた通関業者が税額を計算して申告します。
関税と消費税は「3段の計算表」で積み上がります
税額の計算は難しそうに見えますが、実は3つの段を順番に進めるだけです。前の段で出た数字を、次の段で使うのがポイントです。
- 1段目: 課税価格を出す(支払う価格に、含まれていない運賃や保険料などを足す)
- 2段目: 関税額を出す(課税価格に関税率を掛ける)
- 3段目: 消費税と地方消費税を出す(課税価格に関税額を足した額に税率を掛ける)

この3段を、式の形で表にしてみます。輸入する方は、この表の左から順に手元で確かめてみてください。
| 段 | 求めるもの | 式 | 確かめる書類 |
|---|---|---|---|
| 1段目 | 課税価格 | 現実に支払う価格+含まれていない運賃・保険料など | 仕入書、運賃明細書、保険料明細書 |
| 2段目 | 関税額 | 課税価格×関税率 | 品目の税率(税関の案内) |
| 3段目 | 消費税額 | (課税価格+関税額)×7.8%(軽減税率なら6.24%) | 1段目と2段目の結果 |
| 3段目 | 地方消費税額 | 消費税額×22/78 | 3段目の消費税額 |
税関が公開している計算例(カスタムスアンサー1111)でも、課税価格に関税額を足した額をもとに消費税を計算しています。
税関の計算例では、課税価格や税額の端数を切り捨てた数字で計算が進んでいます。細かい端数の扱いは、カスタムスアンサー1111の計算例のPDFで実際の数字を見て確かめるのが確実です。
自分の荷物で確かめる時の順番
『表は分かったけど、実際に何から手をつければいいの?』という方のために、確かめる順番をまとめておきます。
- 仕入書で、品名・数量・価格と取引条件を確かめる
- 運賃や保険料が価格に入っているかを書類で確かめる
- 外国のお金なら、申告する週に使う公示レートを確かめる
- 品目の関税率と、簡易税率やEPA税率が使えるかを確かめる
- 消費税が標準税率か軽減税率かを確かめる
食品など軽減税率の品目と、それ以外の品目が混ざっている時は、品目ごとに分けて計算します。税関の計算例でも、標準税率の品目と軽減税率の品目を分けて計算しています。
2段目の関税は、価格で決まるものと数量で決まるものがあります
関税は原則として、輸入申告の時の貨物の価格か数量をもとにかかります(カスタムスアンサー1104)。
| 種類 | 何をもとにかかるか | 計算のイメージ |
|---|---|---|
| 従価税品 | 価格 | 課税価格×税率(%) |
| 従量税品 | 数量 | 数量×1単位あたりの税額 |
| 従価従量税品 | 価格と数量の両方 | 品目ごとに決められた方法で計算 |
例えばワイン(果実酒)の一般税率は、価格にかかる税率と数量にかかる税率のうち低い方を使う決まりで、さらに下限も決まっています(カスタムスアンサー3105)。このように品目によって式が変わるので、税率の欄はよく読んでおきましょう。
関税率はどう決まる?一般税率・簡易税率・EPA税率
『自分の商品の関税率って、どこで分かるの?』という声はよく聞きます。関税率は品目ごとに決まっていて、場面によって使う税率が変わります。
- EPA税率: 協定の原産品で、原産地の証明ができる時
- 簡易税率: 課税価格の合計額が20万円以下の時
- 少額免税: 課税価格の合計額が1万円以下の時
- EPA税率は証明書類がないと使えない
- 簡易税率が使えない品目がある
- 革製品やニット衣類などは少額でも免税にならない
簡易税率は、課税価格の合計額が20万円以下の一般輸入貨物や国際郵便物に使われます。品目を6つの区分とアルコール飲料の区分に分けて、税率を決める仕組みです(カスタムスアンサー1001)。
例えば玩具や家具、プラスチック製品などは3%、ゴムや紙、陶磁製品などは無税、どの区分にも当たらない物は5%です。輸入者が全部について一般税率を希望した時は、一般税率が使われます。
EPA税率を使うには、輸入する貨物が協定の原産品であることが必要です。原産地証明書などは、課税価格の総額が20万円以下の貨物なら出す必要はありません(カスタムスアンサー1524)。手続の詳しい中身はEPAと通関で見ています。
1段目の課税価格(通関の価格)は、どう決まる?
3段の計算で一番つまずきやすいのが、1段目の課税価格です。ここがずれると、関税も消費税もすべてずれてしまいます。
課税価格は、輸入する貨物に実際に支払う価格(現実支払価格)が出発点です。その価格に含まれていない、輸入港に着くまでの運賃や保険料などを足して計算します。
税関の案内(カスタムスアンサー1403)では、足す必要のある費用を「加算要素」と呼んでいます。主なものは次のとおりです。
- 輸入港に着くまでの運賃・保険料などの運送の費用
- 買手が負担した仲介手数料や、容器・包装の費用
- 買手が売手に無償で提供した材料や工具、役務
- 輸入する貨物に関わるロイヤルティ(使用料)
- 輸入した後の売上などから売手に戻る収益
『仕入書の金額をそのまま使えばいい』と思われがちですよね。でも仕入書の価格に運賃や保険料が入っていなければ、その分を足す必要があるんです。
取引条件で、足す運賃が変わります
仕入書の価格にどこまでの運賃が入っているかは、取引条件(インコタームズ)で変わります。例えば工場や船積みの時点で引き渡す条件なら、日本の輸入港までの運賃や保険料は別にかかっていることが多いです。
| 確かめること | 見る書類 | 課税価格での扱い |
|---|---|---|
| 仕入書の価格に輸入港までの運賃が入っているか | 仕入書の取引条件の欄 | 入っていなければ運賃を足す |
| 保険をかけているか、その保険料はいくらか | 保険料明細書 | 価格に入っていなければ足す |
| 売手に無償で渡した材料はないか | 契約書や社内の記録 | あれば加算を検討する |
取引条件ごとの責任の分け方は、インコタームズと輸入通関でまとめています。
外国のお金は、税関が公示するレートで円に直します
仕入書がドルやユーロなどの外国のお金で書かれている時は、円に直してから計算します。使うのは、税関長が毎週公示している外国為替相場です(カスタムスアンサー1406)。
この相場は、輸入申告の日が属する週の前々週の実勢相場を平均したものです。銀行の窓口のその日のレートとは違うことがあるので、気をつけておきましょう。
- 仕入書の価格だけで計算して、運賃や保険料を足し忘れる
- 申告の日のレートではなく、手元の銀行のレートで換算してしまう
- 消費税を課税価格だけに掛けて、関税額を足し忘れる
個人輸入の関税は、どう考える?
海外通販で個人的に使う物を買った時は、会社の輸入とは少し違うルールがあります。『いくらまでなら税金がかからないの?』と気になりますよね。
課税価格の合計額が1万円以下なら、関税と消費税は免税です。個人で使う物は、海外小売価格に0.6を掛けた額が課税価格になります。ただし革製品やニット衣類などは、1万円以下でも免税になりません。
1万円以下の免税は、税関の案内で次のように判断するとされています(カスタムスアンサー1006)。
| 送り方 | 1万円以下かどうかの見方 |
|---|---|
| 一般の貨物 | 1申告に係る貨物の課税価格の合計額で見る |
| 分割して申告した場合 | そのインボイスに書かれたすべての貨物の課税価格を合計して見る |
| 郵便物 | 1つの包装に梱包された貨物の課税価格の合計額で見る |
免税にならない物の例として、税関は「革製のカバン、ハンドバッグ、手袋等、編物製衣類(Tシャツ、セーター等)、スキー靴、革靴及び本底が革製の履物類等」を挙げています。
また、酒税やたばこ税などは1万円以下でも免税の対象になりません。

海外小売価格に0.6を掛ける特例
個人で使う物については、課税価格を「海外小売価格×0.6」とする特例があります(カスタムスアンサー1405)。海外小売価格とは、原則として実際に支払った価格のことです。
財務省の令和8年度税制改正の解説では、この0.6の特例は令和10年3月末をもって廃止されることになっています。令和10年4月1日以後は、少額免税も課税価格の合計額が1万円以下かどうかで判定されることになります。2026年10月時点ではまだ現行の制度です。
国際郵便の場合は、課税価格が20万円以下なら税関が税額を計算します。税金の合計額が1万円以下などの場合は、通知書と一緒に郵便物が配達されます(カスタムスアンサー6101)。
個人輸入の手続全体は、個人輸入の通関で詳しく見ています。
通関の関税でよくある相談に答えます
ここでは、ネットのQ&Aサイトで閲覧の多かった関税の相談を要約し、税関の公開情報をもとに答えます。
- 海外通販で買った物に、思っていなかった関税がかかった
- 関税・輸入消費税・通関手数料の計算方法を知りたい
- 1万円以下のはずなのに、関税がかかったのはなぜ?
海外通販の物に、思っていなかった関税がかかった
『安い物しか買っていないのに、どうして?』と驚いた方もいるはずです。まず確かめたいのは、課税価格の合計額と品目です。
1万円以下の免税は、1申告や1包装の合計で判断します。複数の商品をまとめて送ってもらうと合計額が上がり、免税の範囲を超えることがあるんです。
また、関税が無税でも消費税はかかります。届いた通知書や請求書に、関税と消費税がそれぞれいくら書かれているかを見てみてください。
関税・輸入消費税・通関手数料の計算方法を知りたい
関税と消費税・地方消費税は、この記事の3段の計算表の順番で計算できます。課税価格を出して、関税を出し、課税価格と関税の合計に消費税率を掛ける流れです。
一方で、通関手数料は税金ではありません。通関業者や宅配便の事業者に払う料金なので、計算方法は依頼先ごとに違います。費用の内訳の考え方は通関費用の内訳で見ています。
1万円以下のはずなのに、関税がかかった
これにはいくつか理由が考えられます。よくあるのは次の3つです。
- 送料などを含めた課税価格の合計が1万円を超えていないか
- 同じ箱や同じインボイスに、ほかの商品が入っていないか
- 関税ではなく消費税や手数料ではないか
税関の判断に疑問がある時は、通知書に書かれた連絡先や、配送を担当した事業者に内訳を聞いてみてください。
税金を納めると、輸入の許可が出ます
税額が決まったら、納付です。税関は、原則として輸入者が関税などを納めたことを確かめてから輸入を許可します。
- 申告した税額か、税関が決めた税額を確かめる
- 関税・消費税・地方消費税を納める
- 税関が納付を確かめて輸入を許可する
- 輸入許可書を保税地域の担当者に見せて貨物を引き取る
MPNやダイレクト方式で納付すると、納付と同時に輸入が許可されます(カスタムスアンサー1301)。急ぐ貨物の時は、どの方法で納めるかも事前に決めておくと安心です。
輸入の手続全体の流れは、輸入通関の流れで段階ごとに見ています。
関税の計算は、通関士の仕事でも試験でも使います
ここまで読んで『この計算を仕事にしている人がいるんだ』と感じた方もいるかもしれません。通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道があります。
第60回(令和8年)の通関士試験では、通関実務の科目に計算式の問題が6問(12点)出されました。課税価格や税額の計算は、試験でも実務でも基本になる力なんです。仕事の中身は通関士とは?で見られます。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
通関でかかる関税はどうやって計算しますか?
価格で決まる品目なら、課税価格に関税率を掛けて計算します。課税価格は、支払う価格に含まれていない輸入港までの運賃や保険料などを足した額です。
関税が無税なら、消費税もかかりませんか?
いいえ、関税が無税の品目でも消費税と地方消費税は基本的にかかります。課税価格の合計額が1万円以下なら、関税と消費税が免税になる仕組みがあります。
消費税は課税価格だけに掛けますか?
税関の計算例では、課税価格に関税額を足した額をもとに消費税を計算しています。地方消費税は消費税額の22/78です。
為替レートはいつのものを使いますか?
税関長が毎週公示している外国為替相場を使います。輸入申告の日が属する週の前々週の実勢相場の平均にもとづいています。
「通関税」という税金はありますか?
「通関税」は正式な税の名前ではなく、通関の時にかかる関税や消費税をまとめた呼び方です。実際に納めるのは関税・消費税・地方消費税などで、通知書や請求書ではそれぞれ分けて書かれています。
まとめ
- 通関でかかる税金は、関税・消費税・地方消費税が基本
- 計算は課税価格、関税、消費税・地方消費税の3段で積み上がる
- 課税価格は支払う価格に、含まれていない運賃や保険料などを足す
- 関税率は一般税率・簡易税率・EPA税率など場面で変わる
- 個人輸入は1万円以下の免税と0.6の特例を押さえる





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