通関士に向いている人|仕事で求められる力のセルフチェック

通関士に向いている人を4つの力でセルフチェックする記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が財務省・税関など公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に資格講座・転職サービスへの案内(広告)を含みます。

通関士を目指そうか迷っていて、『自分みたいな性格でも務まるのかな』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、通関士に向いている人は「特別な才能がある人」ではありません。

法令を読む、数字を確かめる、期限を守る、関係者と連絡する。この4つを地道に続けられる人です。

この記事では、4つの力を自分で確かめられるチェック表と、苦手がある時の考え方をまとめました。

目次

通関士はどんな仕事?向き不向きの前に押さえておきたいこと

先に結論

通関士は、通関業者のもとで輸出入の申告書類の内容を審査し、記名する国家資格者です。向き不向きは「書類の正しさに責任を持つ仕事」を続けられるかで考えると分かりやすくなります。

税関の案内では、通関士は「通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者」とされています(カスタムスアンサー8001)。

通関業法では、通関業者は営業所ごとに通関士を置き、申告書などの内容を通関士に審査させて記名させることになっています。

つまり、最後に「この書類で申告して大丈夫」と確かめる役なんです。

資格そのものの位置づけは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で、毎日の動きは通関士の仕事内容で詳しく見ています。

仕事の場面主にやること使う力
書類を受け取るインボイスや包装明細書の中身を読む読む力・連絡する力
申告の準備品目や税率、他の法律の許可が要るかを調べる法令を読む力
税額の確認課税価格や税額の計算を見直す数字を確かめる力
申告と許可貨物の到着や引取りの予定に間に合わせる期限を守る力

通関士に向いている人の4つの力をセルフチェック

ここが大事なところです。

通関ドットコム編集部では、通関士の仕事で求められる力を4つに分け、それぞれ「普段の生活で確かめられること」に置き換えてみました。

力仕事での使われ方今の自分で確かめる方法
法令を読む関税法や通関業法の条文、税関の案内を読んで手続を決める税関のカスタムスアンサーを1ページ読み、要点を3行で書けるか試す
数字を確かめる課税価格や税額、数量の食い違いを見つける家計簿や請求書の合計を、電卓で検算する習慣があるか振り返る
期限を守る申告や納付、貨物の引取りの予定に合わせて動く締切のある提出物を、前倒しで終えられているか思い出す
関係者と連絡する荷主や運送の担当者に、足りない書類を確かめる分からないことを、相手に分かる言葉で質問できるか考える
通関士に向いている人の4つの力と、自分で確かめる方法を並べた図解
当てはまる数を数えてみてください
  • 説明書や規約を、面倒でも最後まで読むほうだ
  • 数字が合わない時、原因が分かるまで気になる
  • 締切の前に、余裕を持って準備を始める
  • 分からないことは、早めに人に聞ける
  • 同じ作業でも、毎回見落としがないか確かめられる
  • 決まりが変わった時、新しい情報を調べ直すのが苦にならない

4つ以上当てはまれば、通関士の仕事の進め方とかなり近いと言えます。

2〜3個でも心配はいりません。どれも仕事の中で身につけていける力です!

当てはまる数ごとの読み方

チェックの数は、向き不向きを決めつけるためのものではありません。

今の自分がどこから伸ばせばよいかを知る目安として使ってみてください。

当てはまった数今の状態次にやってみること
5〜6個仕事の進め方がすでに近い過去の試験問題に触れて、知識の量を確かめる
3〜4個土台はあるが、得意と苦手に差がある当てはまらなかった項目を1つ選び、日常で意識する
0〜2個まだ確かめる機会が少ない税関の案内を1ページ読み、調べる作業が合うか試す

『0〜2個だった…』という方も、落ち込まなくて大丈夫です。

普段の生活で「法令を読む」「検算する」場面がなかっただけ、ということもよくあります。

4つの力は、仕事のどんな場面で使うのか

『チェック表は分かったけど、実際の場面がイメージできない』という方もいますよね。

ここでは、力ごとに具体的な場面を見ていきます。

法令を読む力

通関の手続は、関税法や関税定率法などの法律と、税関の通達で決まっています。

例えば、食品を販売目的で輸入する時は、食品衛生法の届出が要ります(カスタムスアンサー1802)。

こうした「他の法律の手続が要るか」を調べる時、条文や案内を読むのが苦にならない人は強いです。

数字を確かめる力

輸入の税額は、課税価格に税率をかけて計算します。

インボイスの金額と数量、運賃や保険料が合っているかを見直すのも大切な仕事です。

「この数量、包装明細書と1箱分ずれていませんか」と気づける人は、現場でとても頼りにされます。

通関士試験の通関実務でも、計算式の問題が6問出ます(第60回の受験案内)。

電卓を使ってよいのはこの科目の時間だけなので、手を動かして確かめる習慣がそのまま試験にも生きてきます。

期限を守る力

貨物が港や空港に着くと、荷主は早く引き取りたいと考えます。

書類がそろわないまま時間が過ぎると、保管の日数も延びてしまいます。

段取りを考えて、先に必要な書類を集めておける人は向いているんです。

税関には、貨物が着く前に書類を出して審査を受けられる予備審査制という仕組みもあります(カスタムスアンサー1108)。

こうした仕組みを使って前倒しで動けるかどうかも、期限を守る力の一つです。

関係者と連絡する力

通関士は、荷主、運送の担当者、税関の職員など、多くの人とやり取りします。

例えばこんな会話です。

「品名が英語の略称しか書いていないので、材質を教えていただけますか」
「分かりました。メーカーに確認して、今日中に返します」

相手を急がせずに、必要なことだけを短く聞ける力が役に立ちます。

税関から書類の追加を求められた時も、荷主に事情を分かりやすく伝え直す場面があります。

専門用語をかみ砕いて話せる人は、荷主からも安心されますよ。

向いていないかも…と感じた時の考え方

チェック表で当てはまる数が少なくても、あきらめる必要はありません。

実は、苦手があっても仕組みで補っている人は多いんです。

例えば、確認の順番を毎回同じにするだけでも、見落としはぐっと減ります。

「品名、数量、価格、原産地の順に見る」と決めておけば、気分や体調に左右されにくくなります。

補いやすい苦手
  • 細かい確認が苦手でも、チェックリストを作って毎回なぞれる
  • 法令の文章が硬く感じても、図や表に直すと理解できる
  • 人と話すのが得意でなくても、メールで要点をまとめて聞ける
気をつけたいポイント
  • 「たぶん合っている」で確かめずに進めてしまう
  • 決まりが変わっても、前の知識のまま作業を続ける
  • 分からないことを、締切の直前まで抱え込む
よくある思い込み

「英語ができないと通関士は無理」と考える方がいますが、書類で出てくる英語は決まった項目が中心です。必要な英語の段階は通関士に英語は必要?で詳しく見ています。

試験の勉強で、向き不向きを確かめる方法

いちばん確かな方法は、実際に通関士試験の問題に触れてみることです。

試験の問題と正答は、税関のホームページで回ごとに公表されています(第59回通関士試験)。

1週間でできる「適性の確かめ方」
  1. 税関の通関士試験のページで、受験案内の科目と時間を読む
  2. 過去の通関業法の問題を、50分を計って解いてみる
  3. 通関実務の計算問題を1問、電卓を使って解き、正答と照らし合わせる
  4. 間違えた問題の根拠を、テキストや条文で調べてみる
  5. 「調べるのが楽しかったか、苦痛だったか」を書き留める
通関士試験の過去の問題を使って、自分の適性を確かめる手順を示した図解

調べて納得する作業が楽しいと感じたなら、通関士の仕事に近い感覚を持っています。

『全然解けなかった』としても、最初は当たり前です。

見るべきなのは点数ではなく、間違えた理由を調べる時間が苦にならなかったかどうかなんです。

独学で進めるか、講座を使うか

勉強を続けられそうだと感じたら、次は進め方を考えておきましょう。

市販の問題集で独学する人もいますし、それも十分に正当な選び方です。

一方で、実務の計算問題や申告書の問題の解説がほしい人、質問できる相手がいない人、勉強時間が限られる社会人には講座が役立つ場面があります。

独学の進め方は通関士は独学で合格できる?、講座の比べ方は通関士の講座・スクールの選び方にまとめました。

勉強の進め方に迷ったら、講座を比べてみるのも一つの方法です。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

合格した後の働き方も見ておく

向いていると感じたら、どんな職場で通関の知識が使えるのかも知っておくと安心です。

通関業者のほか、物流会社やメーカーの輸出入部門でも求人があります。

探し方は通関士の転職・求人の探し方で、ルート別に比べています。

よくある相談:通関士に向いている人Q&A

通関士の向き不向きについて、よく見かける相談を3つ取り上げます。

相談1:試験が難しいと聞くけど、どんな人が向いている?

『難しい試験に受かるほど頭が良くないと、務まらないのでは』という相談です。

試験の範囲は広いですが、仕事で毎日すべてを覚えている必要はありません。

大切なのは、分からない時に条文や税関の案内で調べ直す習慣です。

通関士試験は3科目すべてで合格基準を満たす必要がありますが、合格基準は満点の60%以上などで公表されてきました(第59回は3科目とも満点の60%以上)。

満点を取る試験ではないので、調べて理解を積み重ねられる人なら十分に目指せます。

相談2:大雑把な性格だと向いていない?

『細かいことが苦手で、ざっくり進めてしまうタイプです』という声もあります。

確かに、書類の数字や品名を確かめる場面は多いです。

ただ、毎回同じ手順で確かめるチェック表を使えば、性格に頼らずにミスを減らせます。

大雑把な人は、物事の全体を早くつかめるという強みもあります。

全体の段取りを先に組み、細部はチェック表で確かめる。そんな分担を自分の中で作ってみてください。

相談3:毎日同じことの繰り返し?

『ルーティンワークが続くなら飽きそう』と心配する方もいます。

書類の確認には決まった手順がありますが、扱う品目や国、貨物の事情は毎回違います。

決まった型の中で、少しずつ違う点を見つけるのが好きな人には合っている仕事です!

補足

仕事の中身は勤務先によって変わります。気になる方は、求人の業務内容に「扱う品目」「輸出か輸入か」が書かれているかを見てみてください。

よくある質問

通関士に向いている人の一番の特徴は何ですか?

書類の正しさを、自分で確かめるまで手を止めない人です。法令を読む、数字を確かめる、期限を守る、関係者と連絡するの4つの力が土台になります。

文系でも通関士に向いていますか?

文系・理系で決まる仕事ではありません。計算問題は試験に出ますが、課税価格や税額の計算が中心で、電卓を使って解く形です。

人と話すのが苦手でも大丈夫ですか?

メールでのやり取りもあるので、要点をまとめて伝えられれば務まります。分からない点を早めに聞く姿勢のほうが大切です。

向いているか分からないまま勉強を始めても大丈夫?

大丈夫です。まず過去の問題を1回解いてみて、調べる作業が苦にならないかを確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士は、通関業者のもとで申告書類を審査し記名する国家資格者
  • 向いている人の土台は、法令を読む・数字を確かめる・期限を守る・関係者と連絡するの4つの力
  • 苦手があっても、チェックリストやメールの工夫で補える
  • 迷ったら、税関が公表している過去の問題を1回解いて確かめる
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

輸出入の通関手続の流れと用語、個人輸入や国際郵便の通関、通関士の仕事と通関士試験の科目・日程・勉強法、講座や転職の考え方までを整理している通関の情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次