ワインの輸入通関|酒類を輸入する時の手続と必要な届出

ワインの輸入通関で必要な届出と手続を扱う記事のアイキャッチ

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海外で気に入ったワインを『日本に取り寄せたい』『いずれは仕入れて売ってみたい』と考えている方も多いはずです。

結論から言うと、ワインの輸入通関は「自分で飲む分」か「販売する分」かで、必要な届出や免許がまったく変わります。

この記事を読めば、自分のケースで何を準備すればいいかと、税金のかかり方が分かります。

目次

ワインの輸入通関は「誰が飲むか」で決まる

先に結論

自分で飲むためのワインで、総量10kg以下など個人使用と認められる場合は、食品衛生法の届出は不要です。販売や自分の店で飲ませるために輸入する場合は、検疫所への届出が必要になり、販売するなら酒類の販売業免許も要ります。

ワインは、関税法の手続に加えて、食品衛生法や酒税法といった別の法律も関わる品目です。

こうした関税法以外の決まりを、通関の現場では「他法令」と呼んでいます。

他法令の全体像は他法令と通関でまとめています。

『個人で数本取り寄せるだけなのに、そんなに大げさなの?』と思いますよね。

実は、自分で飲む分ならかなりシンプルなんです。

手続が重くなるのは、販売や営業で使う時です。

ワインが届くまでの通関の流れ

ワインに限らず、海外から届いた貨物は、輸入の手続が終わるまで保税地域という場所に置かれます。

その間に輸入申告をして、審査や必要な検査を受け、税金を納めると輸入が許可されます。

税関のカスタムスアンサー1102に沿うと、流れはこうなります。

段階何をするかワインで気をつけること
1. 到着貨物が保税地域に入る販売用なら届出の準備を先に進めておく
2. 申告仕入書などと一緒に輸入申告他法令の書類も一緒に出す
3. 審査・検査書類審査や必要な検査品目やアルコール分が分かる資料を用意
4. 納税関税・消費税・酒税などを納める酒税は少額でもかかる
5. 引取り輸入許可書を見せて引き取る容器の表示を確かめておく

通関の全体像は通関とは?でも説明しています。

個人で飲む分と販売する分の手続の違い

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

通関ドットコム編集部で、税関のカスタムスアンサー3105をもとに、目的ごとの違いを表にしました。

目的食品衛生法の届出酒類の販売業免許酒税
自分で飲む(総量10kg以下など個人使用と認められる場合)不要不要かかる
自分の店(酒場・料理店など)で飲ませる検疫所に届出自分の営業場内で飲ませるなら不要かかる
販売する検疫所に届出酒税法に基づく免許が要るかかる
ワインの輸入を自分で飲む分・店で飲ませる分・販売する分に分け、届出と免許の要否を並べた図解

酒税は少額でも免除されない

『安いワインだから税金はかからないよね』と思う方もいるかもしれません。

ただ、ここは注意が必要です。

税関のカスタムスアンサー1006では、課税価格の合計額が1万円以下の物品は関税と消費税が免税になるとされています。

一方で、酒税のような消費税以外の内国消費税は、この免税の対象になりません。

3105でも、課税価格の合計額が1万円以下のときや再輸入するときであっても、酒税は免除されないと書かれています。

よくある失敗

「1万円以下なら税金ゼロ」と思い込んで、届いた時の酒税に驚くケースです。ワインは少額の個人輸入でも酒税がかかる前提で考えておきましょう。

個人輸入の税金の全体は個人輸入の通関で確かめられます。

送り方で通関のやり方も変わる

自分で飲む分を取り寄せる場合、送り方によって通関を誰がするかが変わります。

税関のカスタムスアンサー3002と6101をもとにまとめると、次のとおりです。

送り方通関の進み方
国際郵便課税価格が20万円以下なら、税関が税額を決めて通知が届く
国際宅配便通常は業者が通関を代行し、代行手数料が要ることがある
一般の貨物受取人が通関するか、通関業者に頼む

『郵便で送ってもらえば手続はいらないの?』と聞かれることがあります。

郵便でも税関の検査や課税はあるので、酒税がかかる点は同じなんです。

自分で飲むワインを取り寄せる前に
  • 総量が10kg以下に収まるか(瓶や箱の重さも意識する)
  • 自分で飲む分だけか、人に売る分が混ざっていないか
  • 送り方は郵便・国際宅配便・一般の貨物のどれか
  • 届いた時に酒税などを払う準備ができているか

『友達の分もまとめて頼みたい』という場合もありますよね。

ただ、代わりに買って渡すつもりでも、量が増えると個人使用と認められにくくなることがあります。

迷った時は、注文する前に検疫所や税関に確かめておくと安心です。

販売用にワインを輸入する時の流れ

『将来はワインを仕入れて売りたい』という方向けに、販売用の流れを順番に見ていきます。

販売用ワインの輸入通関の流れ
  1. 酒税法に基づく酒類の販売業免許を受けておく
  2. 取引先から原材料や製造工程の説明などの資料をもらう
  3. 通関場所を担当する検疫所に「食品等輸入届出書」を出す
  4. 届出済みの書類を受け取る
  5. 仕入書などの通関書類と一緒に輸入申告する
  6. 関税・消費税・酒税などを納めて輸入許可を受ける
  7. 容器の表示を確かめてから保税地域から引き取る

食品等の届出の流れは、厚生労働省の食品等輸入手続についてで案内されています。

通関書類の基本は通関に必要な書類で確かめられます。

容器の表示も確かめておく

3105によると、保税地域から酒類を引き取る時には、品目やアルコール分などを容器に表示する決まりがあります。

表示方法の届出は、保税地域を管轄する税関に出します。

『ラベルは海外のままでいいの?』と迷ったら、引き取る前に税関に確かめてみてください。

販売用ワインで準備しておくこと
  • 酒類の販売業免許を受けているか
  • 検疫所への届出に使う資料を取引先からもらったか
  • 容器の表示(品目・アルコール分など)を確かめたか
  • 関税・消費税・酒税を払う準備ができているか
販売用ワインの輸入で、免許・届出・申告・納税・表示確認・引取りの順に進む流れを示した図解

自分の店で使う分の考え方

ワインバーやレストランで出すために輸入する場合は、販売とは少し扱いが違います。

検疫所への届出は必要ですが、自分の営業場内で飲ませるだけなら販売業免許は不要とされています。

ただ、同じワインをボトルで持ち帰り用に売るなら、販売にあたるので免許が関わります。

『店で出す分と売る分を分けて考える』のがポイントです。

ワインの関税と旅行の持ち帰り

ワインの通関でかかる税金は、関税・消費税・酒税の3つです。

関税と消費税の計算の流れは通関でかかる関税と消費税で説明しています。

ワインの関税率の決まり方

3105の表では、ワイン(果実酒)の一般税率は「15%」と「1リットルあたりの定額」のうち低い方、ただし下限の額がある、という決まり方になっています。

これはスパークリングワインや強化ぶどう酒を除いた、2リットル以下の容器に入ったものの税率です。

具体的な率や額は、輸入する時点で3105の表を開いて確かめてみてください。

課税価格の合計額が20万円以下の貨物には、簡易税率が使える場合もあります(カスタムスアンサー1001)。

協定を使うと関税が変わることも

『同じワインなのに、国によって関税が違うって本当?』という疑問もよく見かけます。

日本と経済連携協定(EPA)を結んでいる国の原産品なら、通常より低いEPA税率を使える場合があります。

その時は、原産地証明書や原産品申告書などで原産品であることを示す必要があります(カスタムスアンサー1524)。

手続の流れはEPAと通関で詳しく説明しています。

旅行のおみやげで持ち帰る場合

海外旅行のおみやげとして持ち帰るワインは、携帯品として扱われます。

持ち帰る本数関税・消費税・酒税
3本まで(760ml程度を1本とする)免除される
3本を超える分課税される
20歳未満の人の場合免税にならない

出典は税関のカスタムスアンサー3105です。

『4本買ったら全部に税金がかかるの?』と心配になりますよね。

表のとおり、免除されるのは3本までの分なので、それを超えた分について税金がかかると考えておきましょう。

ワインの輸入通関でよくある相談

Yahoo!知恵袋などで見かける相談から、テーマに合うものを3つ選んで答えます。

ワインバーで出すワインを大量に輸入したい

『お店で出すワインを海外からまとめて買いたい』という相談です。

自分の店で飲ませる目的なら、検疫所への食品等輸入届出が必要です。

店内で飲ませるだけなら販売業免許は不要とされていますが、持ち帰り用に売るなら免許が関わります。

ワインの卸売を始めたい

『ワイナリーから直接仕入れて卸売をしたい』という相談です。

販売目的なので、酒税法に基づく販売業免許と、検疫所への届出の両方が前提になります。

まずは免許の準備から始めて、通関は通関業者に相談しながら進めるとスムーズです。

最初の数回は、届出に使う資料を取引先からそろえてもらうのに時間がかかることも。

発注から引取りまでの日数に、届出の準備の時間も足して計画を立てておきましょう。

海外で買ったワインの税金が知りたい

『自分で飲むために海外で買ったワインを持ち帰ったら、税金はどうなる?』という相談です。

携帯品なら3本まで(760ml程度を1本)は関税・消費税・酒税が免除されます。

それを超える分や、送って届く分は課税されるので、本数と送り方で分けて考えてみてください。

通関の仕事に興味が出たら

ワインのように他法令が関わる品目は、通関の現場の腕の見せどころです。通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。どんな資格かは通関士とは?で紹介しています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

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当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある質問

個人で飲むワインを輸入する時、届出は必要ですか?

総量10kg以下で個人使用と認められる場合などは、食品衛生法の届出は不要とされています。迷う場合は検疫所に確かめてみてください。

ワインの通関で1万円以下なら税金はかかりませんか?

関税と消費税は1万円以下で免税になる場合がありますが、酒税は免除されません。少額でも酒税がかかる前提で考えておきましょう。

自分の店で出すだけなら販売業免許は要りますか?

自分の営業場内で飲ませる場合は販売業免許は不要とされています。ただし検疫所への食品等輸入届出は必要です。

ワインの通関は自分でできますか?

一般の貨物なら、受取人が自分で輸入申告することも、通関業者に頼むこともできます。販売用で届出が絡む場合は、慣れるまで通関業者に相談しながら進めると安心です。

ワインのラベルは海外のままで引き取れますか?

保税地域から引き取る時には、品目やアルコール分などの容器の表示の決まりがあります。表示方法は保税地域を管轄する税関に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • ワインの輸入通関は、自分で飲む分か販売する分かで手続が変わる
  • 個人使用で総量10kg以下などなら、食品衛生法の届出は不要
  • 店で飲ませる・販売するなら検疫所に届出、販売なら販売業免許も要る
  • 酒税は1万円以下の少額でも免除されない
  • 旅行の持ち帰りは3本(760ml程度を1本)まで免税
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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