NACCSとは?通関の電子申告システムの仕組みと使う人

通関の電子申告システムNACCSの仕組みを扱う記事のアイキャッチ

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貿易の仕事を始めて「NACCSで申告しておいて」と言われ、何のシステムなのか気になっていませんか。

結論から言うと、NACCSは、輸出入の申告をはじめとする通関の手続を電子で行うためのシステムです。

この記事を読めば、NACCSを誰がどう使っているのかと、通関の流れの中での役割がつかめます。

目次

NACCSとは?通関を電子で行うシステム

先に結論

NACCSは、輸出申告や輸入申告、保税運送の申告などを電子で行うシステムです。運営や利用の申込みの窓口はNACCSセンターで、根拠となる法律もあります。

NACCSは、紙の申告書の代わりに、システムに入力して税関に申告するための仕組みです。

根拠となる法律は「電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律」で、NACCS法とも呼ばれます。

この法律は、通関士試験の「関税法等」の科目の出題範囲にも入っています。

現在の仕組みは、NACCSセンターの資料では「第7次NACCS」と呼ばれています(第7次NACCS基本仕様書)。

通関という手続そのものから知りたい方は通関とは?を先に読んでみてください。

NACCSの中の「業務」とは

NACCSでは、申告や登録の一つひとつが「業務」として名前とコードを持っています。

例えば、EDAは「輸出申告事項登録」、EDCは「輸出申告」という業務です(第7次NACCSオンライン対象業務一覧)。

現場でECRやOLTといった略語が飛び交うのは、この業務コードで話しているからなんです!

略語の意味は通関の申告種別と略語一覧でまとめています。

NACCSを使う人と扱う情報の関係表

『NACCSって、通関業者だけが使うものじゃないの?』と思う方も多いはずです。

実は、業務の名前を見ていくと、通関業者のほかにも、いろいろな立場の人が関わっていることが分かります。

通関ドットコム編集部で、業務一覧の名前から読み取れる担い手と情報を並べてみました。

立場NACCSで扱う主な業務の例扱う情報
輸出者・輸入者(自分で申告する場合)EDA・EDC、IDA・IDC輸出申告・輸入申告の内容
通関業者EDA・EDC、IDA・IDC、MIC・MEC依頼を受けた申告の内容
航空貨物の混載業者HCH(HAWB情報登録)、MIC・MEC混載した貨物の情報、マニフェスト通関の申告
保税運送をする事業者OLC(保税運送申告)外国貨物のまま運ぶための申告
輸出貨物を扱う事業者ECR(輸出貨物情報登録)輸出する貨物の情報
税関申告を受け付けて審査する側審査の結果や許可
民間のシステムCCIS(通関情報提供システム)などがNACCSと接続NACCSとやりとりする情報

業務の名前は第7次NACCSオンライン対象業務一覧、CCISは第7次NACCS基本仕様書が出典です。

どの業務を誰が担当するかは会社や取引で変わるので、表は目安として見てください。

立場ごとに確かめておきたいこと

NACCSに関わる立場になったら、最初に次の点を確かめておくと仕事がスムーズです。

NACCSを使い始める時のチェック
  • 自分の会社はどの業務を使うのか(申告か、登録か、運送か)
  • 登録と申告で、誰が入力して誰が送信するのか
  • 送信した後、税関からの結果をどこで確かめるのか
  • 入力の誤りに気付いた時、誰に相談するのか

例えば、通関業者に申告を任せている輸入者なら、NACCSを直接触らなくても、申告の内容を確かめる役割があります。

NACCSを使う立場ごとに、扱う業務と情報の関係を並べた図解
CCISは申告の種類ではない

CCISは、基本仕様書で「第7次NACCSと接続する対象システム」の民間システムの一つとして挙げられている名前です。申告の種類を表す言葉ではありません。

NACCSで通関する時の流れ

NACCSでの申告は、「登録してから申告する」という順番が基本です。

NACCSで輸出申告する流れの例
  1. EDAで輸出申告の内容を登録する
  2. 必要に応じてEDBで呼び出し、内容を確かめる
  3. EDCで輸出申告をする
  4. 税関の審査や、必要な時は検査を受ける
  5. 輸出の許可を受ける

輸入も同じ考え方で、IDAで輸入申告事項を登録し、IDCで輸入申告をします。

輸入の許可は、税関が書類の審査や必要な検査をして、原則として関税などの納付を確かめた後に出ます(カスタムスアンサー1101)。

MPN・ダイレクト方式で納付すると、納付と同時に輸入が許可されます(カスタムスアンサー1301)。

NACCSで登録してから申告し、許可を受けるまでの流れを示した図解

NACCSで申告することが条件の手続

海上貨物の通販の荷物などには、海上小口貨物に係る簡易通関という扱いがあります(カスタムスアンサー1007)。

条件の一つが、NACCSで申告されることです。

利用を始める少なくとも3か月前までに申し出る必要があります。

よくある失敗

EDAで登録しただけで、申告が済んだと思い込んでしまうケースです。EDAは登録で、申告そのものはEDCです。送信した業務の名前を確かめる習慣をつけておきましょう。

自社でNACCSを使う?通関業者に任せる?

輸入申告は、貨物を輸入しようとする人が自分で行えます。

財務大臣の許可を受けた通関業者に、代理を頼むこともできます(カスタムスアンサー1101)。

自分でNACCSを使って申告したいなら、事前にNACCSセンター(naccs.jp)に利用の申込みをします。

社内で検討する時は、こんな会話から始まることが多いです。

「毎月の輸入が増えてきたし、自分たちでNACCSを使って申告してみる?」

「まずは税番と税額を自分たちで判断できるかどうかから考えよう」

自社でNACCSを使う
  • 申告の状況を自分で把握しやすい
  • 社内に通関の知識がたまる
  • 急ぎの申告を自分のタイミングで進められる
自社でNACCSを使う時の負担
  • 利用の申込みや社内の体制づくりが要る
  • 税番や税額の判断を自分で行う
  • 申告を誤った時の対応も自分で行う

申告の件数が少ない会社や、初めて輸入する会社は、まず通関業者に任せる形から始めると進めやすいです。

自分で申告する方法は自社通関とは?、通関業者の役割は通関業者とは?で説明しています。

通関士試験とNACCSの関係

NACCSは、通関士試験とも深く関わっています。

場面NACCSとの関係
受験の申込みNACCSで出願できる。受験手数料は電子納付で、書面で出す場合より少し安い
受験票NACCSで出願しても、受験票は書面で出す
通関実務の科目通関書類の作成要領の2問は、NACCSを使って行う輸出申告と輸入申告が各1問
関税法等の科目NACCS法が「その他関税に関する法律」に入っている

出典は第60回通関士試験の受験案内です。

第60回(令和8年)の受験案内では、NACCSでの出願は7月21日午前10時から8月4日午後5時まで(土日含む)でした。

申込みの方法は通関士試験の申込み方法で、受ける年の受験案内とあわせて確かめてください。

仕事でNACCSを使っていない受験者は

『NACCSを触ったことがないけど、申告書の問題は解ける?』と不安になる方もいますよね。

試験はマークシート方式で、実際にシステムを操作するわけではありません。

申告の項目と書き方に慣れることが大事なので、通関実務の過去問を、時間を計って解いてみてください。

解き方のコツは通関実務の勉強法でまとめています。

よくある相談|NACCSで迷った時

NACCSについては、仕事で使い始めた人や試験勉強中の人からの相談が多く寄せられています。

よくある3つを取り上げます。

相談1:通関士試験はNACCSで申し込める?

『会社でNACCSを使っていないけど、NACCSで出願できるの?』という相談です。

NACCSで出願するには、事前にNACCSセンターへの利用の申込みが要ります。

利用の申込みをしていない場合は、書面で郵送して出願する方法もあります。

第60回からは、書面の出願は原則として郵送のみになっています。

相談2:NACCSの業務を勉強するには?

通関の仕事でNACCSを使い始めた人から、どう勉強すればいいかという相談です。

まずは、NACCSセンターが公開している業務一覧で、自分が使う業務の名前を確かめてみてください。

通関士試験の通関実務の過去問には、NACCSで行う輸出申告と輸入申告の問題があるので、申告の項目を覚える練習にもなります。

職場では、こんな聞き方をすると教わりやすいです。

「今の申告、どの業務コードで登録して、どれで送信しましたか?」

相談3:会社のパソコンを持ち帰れば家でも使える?

『家でも作業できたら楽なのに』と考える方もいるかもしれません。

NACCSをどの端末で、誰が使ってよいかは、会社ごとにルールが決まっていることが多いです。

自己判断で持ち出さず、まず社内の担当者に確かめてください。

通関の仕事に興味が出てきた方へ

NACCSを触るうちに、通関の仕事をもっと深く知りたくなる方もいます。

通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。

どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。

通関ドットコム

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実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

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よくある質問

NACCSとは何ですか?

輸出入の申告などの通関の手続を電子で行うシステムです。利用の申込みの窓口はNACCSセンターです。

NACCSでの通関は誰が行いますか?

通関業者のほか、自分で申告する輸出者・輸入者も使えます。混載業者や保税運送をする事業者が使う業務もあります。

EDAとEDCの違いは?

EDAは「輸出申告事項登録」、EDCは「輸出申告」です。登録してから申告する順番になります。

NACCSを自分の会社で使うにはどうすればいいですか?

事前にNACCSセンターへ利用の申込みをします。申告の内容や税額の判断も自分で行うことになるので、体制を考えてから始めましょう。

通関士試験にNACCSは出ますか?

通関実務の科目で、NACCSを使って行う輸出申告と輸入申告の問題が各1問出ます。NACCS法は関税法等の科目の範囲にも入っています。

まとめ

この記事の要点
  • NACCSは、輸出入の申告などの通関の手続を電子で行うシステム
  • 申告や登録は業務コードで呼ばれ、EDAで登録してEDCで申告するのが基本の順番
  • 通関業者だけでなく、輸出者・輸入者、混載業者、保税運送をする事業者なども使う
  • 自分で使うなら、事前にNACCSセンターへ利用の申込みをする
  • 通関士試験の出願や、通関実務の申告書問題にもNACCSが関わる
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通関ドットコム 編集部

輸出入の通関手続の流れと用語、個人輸入や国際郵便の通関、通関士の仕事と通関士試験の科目・日程・勉強法、講座や転職の考え方までを整理している通関の情報サイトです。 公式サイト

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