通関士試験の申込み方法と費用|郵送とNACCSでの出願の違い

通関士試験の申込み方法と費用を扱う記事のアイキャッチ

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『通関士試験って、どうやって申し込むんだろう。費用はどのくらいかかるのかな』と調べている方も多いはずです。

結論から言うと、申込みは「書面を郵送する」か「NACCSで出願する」かの2通りです。どちらも受験手数料が要り、受験票は書面で出す必要があります。

この記事では、第60回(令和8年)の受験案内をもとに、出願書類のチェックリストと、通関士試験にかかる費用の項目を見ていきます。

目次

通関士試験の申込み方法は郵送とNACCSの2つ

先に結論

書面で出願する場合は、第60回から原則として郵送のみです。NACCSで出願する場合はネットで手続できますが、受験票は書面で提出が必要です。受験手数料は書面とNACCSで納め方と額が違います。

まずは、2つの方法の違いを表で見てみましょう。

項目書面(郵送)NACCS
受付期間(第60回)7月21日から8月4日まで。8月4日の消印有効7月21日の午前10時から8月4日の午後5時まで(土日も可)
受験願書税関ホームページからExcel形式でダウンロードできるNACCSで入力する
受験票写真を貼って郵送する書面で提出が必要
受験手数料の納め方収入印紙電子納付
手数料の額受験案内で確かめる書面より少し安い。額は受験案内で確かめる
事前の準備特になしNACCSセンターへの利用申込み

出典は税関の第60回通関士試験の受験案内PDFです。

『ネットで申し込めるなら全部オンラインで済むのかな』と思いますよね。

ただ、NACCSで出願しても受験票は書面で出す必要があるんです。ここは見落としやすいので覚えておきましょう。

窓口に持って行く方法はなくなった

第60回からは、書面での出願は原則として郵送だけになりました。

郵送は、追跡できる方法で送ります。封筒には「通関士試験」と朱書きします。

よくある失敗

普通郵便で送ってしまい、届いたかどうか確かめられないケースです。受験案内に沿って、追跡できる方法で送りましょう。

出願書類を4つに分けたチェックリスト

ここが大事なところです。

申込みでつまずく人の多くは、書類の種類を混ぜて考えてしまっています。通関ドットコム編集部で、出願に関わるものを4つに分けて、郵送とNACCSでの違いを表にしました。

区分中身郵送の場合NACCSの場合
1. 受験願書氏名や試験地など出願の内容ダウンロードした様式に記入して送るNACCSで入力する
2. 受験票(写真)当日に持って行く受験票写真を貼って送る写真を貼って書面で提出する
3. 受験手数料試験を受けるための手数料収入印紙で納める電子納付で納める
4. 免除の書類科目免除を受ける人だけ受験願書と一緒に送る受験案内で出し方を確かめる
通関士試験の出願書類を、受験願書・受験票・受験手数料・免除の書類の4つに分けて示した図解

書類をそろえる順番

4つの区分は、時間がかかるものから手をつけるとスムーズです。

そろえる順番の例
  1. 免除を受ける人は、証明書の準備を最初に始める
  2. 写真を撮り、受験票を手に入れて貼る
  3. 受験願書をダウンロードして記入する
  4. 受験手数料の額を確かめ、収入印紙を用意する(NACCSなら電子納付の準備)
  5. 全部を並べて、受験案内のチェック項目と見比べる

最後の見比べは、家族や同僚に一緒に見てもらうと、記入漏れに気づきやすくなりますよ。

受験票と写真のルール

受験票は、税関の各官署などで手に入れます。受験願書と違って、ダウンロードできるのは願書だけなんです。

貼る写真には、細かい条件があります。

写真の条件(第60回)
  • 縦4cm×横3cm
  • 無背景・無帽・正面の上半身
  • 1年以内に撮ったもの
  • 裏面に氏名を書く

写真の条件に合わないと、撮り直しになることもあります。7月に入ったら早めに撮っておきましょう。

試験地の選び方

受験願書では、受ける試験地を選びます。

住んでいる都道府県に試験地がない場合は、行きやすい近くの試験地を選びます。会場は受験票で知らされ、受験票と違う会場では受けられません。

『実家の近くで受けたい』『職場から近い方がいい』など、当日の動きやすさで選ぶのも一つの考え方です。

受験手数料は収入印紙で

書面で出願する場合、受験手数料は収入印紙で納めます。

現金・切手・収入証紙では納められません。

『収入証紙と収入印紙って、何が違うの?』と迷う方もいますよね。

名前は似ていますが、通関士試験で使えるのは収入印紙です。買う前にもう一度、受験案内の言葉と見比べてみてください。

科目免除を申請する人の書類

通関業務などの経験年数があって科目免除を受ける人は、免除の書類も一緒に出します。

「通関士試験科目の一部免除申請書」(税関様式B第1210号)に、「証明書」(同B第1215号)を添えて、受験願書と一括で提出します。

一度免除通知書を受け取った人は、次の回からは通知書の写しを出せばよい仕組みです。

免除の条件は通関士試験の科目免除|実務経験5年・15年で免除される科目で詳しく紹介しています。

申込みのスケジュール:いつ何を準備する?

申込期間はおよそ2週間です。期間に入ってから準備を始めると、意外と時間が足りなくなります。

第60回の日程をもとに、準備の順番を表にしてみました。

時期(第60回)やること
7月1日公告と受験案内が出る。受験案内を読む
7月の前半写真を撮る。受験票を手に入れる。NACCSで出す人は利用申込みを済ませる
7月の前半免除を受ける人は、免除申請書と証明書の準備を始める
7月21日申込みの受付が始まる
7月31日ごろ郵送で出す人は、この頃までに発送する
8月4日受付の締切(郵送は消印有効)
8月25日この日までに受験票が届かなければ提出先の税関へ連絡
10月4日(日)試験日

『公告が出てから3週間くらいあるなら余裕かな』と思いがちですが、写真や証明書の準備は思ったより時間がかかるものです。

特に免除を受ける人は、証明書をそろえるのに時間がかかることがあります。証明書の書き方や用意のしかたは、受験案内と申込先の税関で早めに確かめておきましょう。

準備のコツ

受付が始まる7月21日の時点で、書類が全部そろっている状態を目指しましょう。そうすれば受付の初日から数日のうちに出願を終えられます!

次の年に受ける方は、公告が出たら日付を受け取った受験案内のものに置き換えて使ってください。

郵送とNACCSでの出願手順

書面で出願する場合の流れを、順番に並べてみました。

郵送での出願
  1. 受験案内を読み、試験地と申込先の税関を決める
  2. 税関ホームページから受験願書をダウンロードして記入する
  3. 税関の官署などで受験票を手に入れ、写真を貼る
  4. 受験手数料の額を受験案内で確かめ、収入印紙を用意する
  5. 免除を受ける人は、免除申請書と証明書をそろえる
  6. 封筒に「通関士試験」と朱書きし、追跡できる方法で郵送する

締切は8月4日の消印有効でしたが、受験案内では「できる限り7月31日頃までに発送」するよう呼びかけています。

締切ぎりぎりではなく、余裕をもって出すのがおすすめです。

申込先の税関はどこ?

申込先は、受ける試験地によって決まります。

試験地(第60回)申込先の税関
北海道函館税関
新潟・東京東京税関
宮城・神奈川横浜税関
静岡・愛知名古屋税関
大阪大阪税関
兵庫・広島神戸税関
福岡門司税関
熊本長崎税関
沖縄沖縄地区税関

窓口は、どの税関も「通関業監督官」です。会場の探し方は通関士試験の試験地と会場で紹介しています。

NACCSで出願する手順

NACCSは、輸出入の手続を電子で行うためのシステムです。通関士試験の出願にも使えます。

NACCSでの出願
  1. 事前にNACCSセンターへ利用の申込みをしておく
  2. 受付期間に入ったら、NACCSで出願の内容を入力する
  3. 受験手数料を電子納付で納める
  4. 受験票に写真を貼り、書面で提出する

NACCSの利用申込みは、NACCSセンターで行います。受付が始まってから慌てないように、前もって手続しておきましょう。

NACCSの方が手数料は少し安い

受験案内では、書面での出願とNACCSでの出願で受験手数料の額が違い、NACCSの方が少し安くなっています。具体的な額は受ける年の受験案内で確かめてください。

NACCSで出願する時の注意

NACCSでの出願は、土日も受け付けているのが便利なところです。

ただ、受付は午後5時までなので、締切日の夜に手続しようとしても間に合いません。

また、受験票は書面で出す必要があるので、NACCSの入力が終わったら受験票の提出も忘れずに進めてください。ネットの手続だけで安心してしまうのが、いちばん多いつまずきです!

NACCSそのものの仕組みは、NACCSとは?通関の電子申告システムの仕組みと使う人で紹介しています。

どちらで出願するか決めるヒント

『自分はどっちで申し込めばいいの?』と迷った時は、次の表を目安にしてみてください。

こんな人向いている方法
仕事でNACCSを使っていて、手続に慣れているNACCS
平日に動く時間が少なく、土日に手続したいNACCS(事前の利用申込みが必要)
書類を手元でそろえて一度に送りたい郵送
科目免除の書類も一緒に出したい郵送が分かりやすい。NACCSの場合は受験案内で確かめる

初めて受ける人で、NACCSを使ったことがない場合は、郵送の方が迷いにくいかもしれません。

反対に、仕事で毎日NACCSに触れている人なら、操作には慣れているので、手続も進めやすいでしょう。自分が迷わずに締切までに出せる方を選ぶのがいちばんですよ。

通関士試験の費用はいくら?かかるお金の項目と確かめ方

通関士試験にかかる費用の項目と、それぞれの金額の確かめ方を並べた図解

通関士試験の費用で、まず思い浮かぶのは受験手数料ですよね。

ただ、実際には手数料のほかにもお金がかかる項目があります。金額は年度や選び方で変わるので、ここでは項目と確かめ方を表にしました。

費用の項目いつ要るか金額の確かめ方
受験手数料出願の時受ける年の受験案内で確かめる。書面とNACCSで額が違う
写真の撮影出願の前撮る場所によって変わる
郵送の料金書面で出願する時追跡できる送り方の料金を郵便局などで確かめる
電卓試験の前受験案内の条件に合うものを選ぶ
教材(テキスト・問題集)勉強を始める時何冊使うかで変わる
講座の受講料講座を使う場合資料請求で各講座を比べる
会場までの交通費試験当日試験地と住んでいる場所で変わる

収入印紙を買う前に確かめること

収入印紙は、受験手数料の額にぴったり合わせて用意します。

額は書面とNACCSで違うので、書面で出す人は、書面で出願する場合の額を受験案内で確かめてください。印紙を貼る場所や貼り方も、受験案内の説明に合わせておきましょう。

手数料は戻らない

受験しなかった場合も、受験手数料は戻りません(通関業法第26条第2項)。出願の前に、試験日の予定が空いているかを確かめておきましょう。

使える電卓の条件は通関士試験の電卓と持ち物で詳しく紹介しています。

講座の費用をどう考える?

費用の中でいちばん差が出やすいのは、講座を使うかどうかです。

独学なら教材の費用だけで進められます。法律の文章を読み慣れていて、計画を自分で守れる人には十分に現実的なやり方です。

一方で、通関実務の申告書や計算問題の解説がほしい人、法改正の情報を追うのが大変な人、仕事で勉強時間が限られる人には、講座が助けになる場面もあります。

講座の費用を比べる時のポイント
  • 3科目すべてに対応しているか
  • 申告書と計算問題の解説があるか
  • 質問できる仕組みがあるか
  • 受講期間が10月上旬の試験日に間に合うか
  • 教育訓練給付の対象かを厚生労働省の検索システムで確かめる

教育訓練給付制度の対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで講座名から調べられます。

勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、費用と中身を同じ物差しで比べてみるのも一つの方法です。

講座の選び方は通関士の講座・スクールの選び方で、通信・通学・オンラインを並べて紹介しています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

費用を抑えるためにできること

『できるだけ費用をかけずに受けたい』という方もいますよね。

項目ごとに見ていくと、工夫できるところはいくつかあります。

費用を抑える工夫
  • 仕事でNACCSを使える環境があれば、NACCSで出願する(手数料が少し安い)
  • 過去の試験問題は税関ホームページで見られるので、まずはそれで形式をつかむ
  • 教材は買い足す前に、手元の1冊を繰り返す
  • 講座を使うなら、教育訓練給付の対象かを先に調べる

ただし、受験手数料を惜しんで申込みを先延ばしにするのは考えものです。試験は年に1回なので、1回見送ると次は1年後になります。

出願したあとにすること

申込みが終わっても、試験日までにやることがいくつか残っています。

出願後のチェック
  • 受験票が届いたか確かめる(第60回は8月25日までに届かなければ提出先の税関へ連絡)
  • 受験票に書かれた会場を確かめ、行き方を調べる
  • 使う電卓が条件に合っているか確かめる
  • 時計を用意する(通信や計算の機能がないもの)

会場は受験票で知らされ、受験票と違う会場では受験できません。

届いた受験票は、なくさないように勉強道具と一緒にしまっておきましょう。

よくある失敗

受験票が届いたのに中身を見ずにしまい、試験の前日に会場が思っていた場所と違うと気づくケースです。届いたらその日のうちに会場と集合時刻を確かめておきましょう。

試験日までの流れは、通関士試験の日程|試験日・申込期間・合格発表のスケジュールにまとめています。

よくある相談:申込みまわりの悩みに答えます

Yahoo!知恵袋で読まれている相談の中から、申込みに関わるものを要約して答えます。

7月から勉強を始めて、申し込む意味はある?

『10月の試験に向けて7月から勉強を始めた。たぶん間に合わないけど、申し込んだ方がいい?』という相談があります。

申し込むかどうかは、受験手数料が戻らないことも踏まえて考えたいところです。

一方で、本番の時間割で3科目を受ける経験は、次の年の準備に役立ちます。会場の雰囲気や時間配分を知っておけるからです。

『今年は下見のつもり』と決めて申し込むなら、試験後に公表される正答で自己採点して、科目ごとの弱点を確かめておきましょう。

下見のつもりで受ける時に見ておくこと
  • 会場までの時間と、集合時刻に間に合う出発時刻
  • 3科目を1日で受けた時の疲れ方
  • 通関実務の100分で、申告書と計算にどれだけ時間がかかったか
  • 正答の公表後に出した、科目ごとの得点

次の年に向けて何を直せばいいかが具体的に見えてくるはずです。自己採点のやり方は通関士試験の正答と自己採点で紹介しています。

合格すれば貿易の会社で通関士として働ける?

『通関士試験に合格して資格を取れば、貿易をしている会社で通関士として働けるの?』という質問も読まれています。

通関士として通関業務に就くには、合格したうえで、勤め先の通関業者の申請により財務大臣の確認を受ける必要があります(通関業法第31条)。

勤め先が通関業者であることが前提なので、応募する会社が通関業の許可を受けているかも見ておくとよいですよ。

詳しくは通関士になるまで|合格後の財務大臣の確認と勤務先の関係で紹介しています。

よくある質問

通関士試験の受験手数料はいくらですか?

金額は年度ごとの受験案内で確かめてください。書面とNACCSで額が違い、NACCSの方が少し安くなっています。

書面の願書を税関の窓口に持って行けますか?

第60回からは、書面での出願は原則として郵送のみです。追跡できる方法で送り、封筒に「通関士試験」と朱書きします。

NACCSで出願すれば書類の郵送は要りませんか?

NACCSで出願しても、受験票は書面で提出が必要です。写真を貼った受験票の準備も進めておきましょう。

申し込んだあとに受験しなかったら手数料は戻りますか?

戻りません。受験しなかった場合も還付されないことが通関業法第26条第2項で決められています。

受験票が届かない時はどうすればいいですか?

第60回では、8月25日までに届かなければ提出先の税関へ連絡するよう案内されていました。受ける年の受験案内で日付を確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 申込みは書面(原則郵送)かNACCSの2通り
  • NACCSで出願しても、受験票は書面で提出が必要
  • 受験手数料は書面なら収入印紙、NACCSなら電子納付。額は受験案内で確かめる
  • 費用は手数料のほか、写真・郵送・電卓・教材・講座・交通費の項目がある
  • 受験しなくても手数料は戻らないので、予定を確かめてから出願する
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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