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海外旅行や留学から帰る時、お土産や送った荷物の申告をどうすればいいか迷っていませんか。
結論から言うと、旅具通関は、旅行者が持ち帰る携帯品や後から送る別送品を、空港などで簡単に申告するための通関です。
この記事では、帰国時の荷物を3つに分けて、それぞれの申告方法と別送品の通関の注意点をお話しします。
旅具通関とは?旅行者の荷物のための簡単な通関
旅具通関は、入国する人の携帯品や別送品を、空港などの税関検査場で申告して通す手続です。帰国の時に「携帯品・別送品申告書」を出すのが基本です。
旅具通関の「旅具」は、旅行者の荷物のことだと考えるとイメージしやすいです。
一般の貨物の輸入のように、保税地域に入れて申告書を作って、という手続はふつう要りません。
入国の時は「携帯品・別送品申告書」(税関様式C第5360号)を出します(カスタムスアンサー7102)。
電子申告の「Visit Japan Web」を使うこともできます。
入国者の携帯品のうち自分で使う物は、海外小売価格(実際に支払った価格)の6割を課税価格にします(カスタムスアンサー1405)。この特例は令和10年3月末で廃止される予定です。
一般の輸入通関と何が違う?
旅具通関と一般の貨物の輸入通関を比べると、違いがよく分かります。
| 比べる点 | 旅具通関 | 一般の貨物の輸入通関 |
|---|---|---|
| 対象 | 旅行者の携帯品・別送品など | 商売で輸入する貨物など |
| 手続の場所 | 空港などの税関検査場 | 貨物を置いた保税地域を管轄する税関官署 |
| 出すもの | 携帯品・別送品申告書 | 輸入(納税)申告書、インボイスなど |
| 手続する人 | 旅行者本人 | 輸入者本人か通関業者 |
旅行者が自分で手続できるように、ぐっと簡単になっているのが旅具通関なんです!
帰国時の荷物は3つに分けて考える
『お土産も、送った荷物も、仕事で買った物も、全部同じ申告でいいの?』と思いますよね。
通関ドットコム編集部で、帰国時の荷物を3つに分けて、申告方法の違いを表にしました。
| 荷物の種類 | 例 | 申告のしかた | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 身につけて持ち帰る物(携帯品) | お土産、旅行中に買った自分用の物 | 携帯品・別送品申告書を出す | 1品目3個までが旅具通関の目安 |
| 後から送る荷物(別送品) | 現地から自分あてに送った衣類や本 | 申告書を2通出す | 入国の時に申告しないと別送品として扱われない |
| 商売の商品 | 仕入れた商品、商品見本 | 金額などの条件しだいで旅具通関か一般の貨物の手続 | 条件を超えると一般の輸入と同じ手続になる |
出典はカスタムスアンサー7102・7103・7104・7109です。
ここで大事なのは、同じ帰国の荷物でも「自分用か、商売用か」で扱いが変わることなんです!

別送品の通関はどうする?申告書は2通
別送品は、旅行先から自分あてに送る荷物のことです。
『荷物が多いから一部を送りたい。でも手続が難しそう』と感じる方も多いはずです。
- 送る時、外装や送り状に「別送品」と書き、自分自身を名宛人にする
- 帰国の時、携帯品・別送品申告書を2通出す
- 別送品が届いたら、通関の手続をして受け取る
別送品は、原則として本人の帰国(入国)後、6か月以内に通関できるものに限られます(カスタムスアンサー7103)。
入国(帰国)した後で、別送品の申告をすることはできません。荷物を送ったら、帰国の時に申告書を2通出すことを忘れないようにしましょう。
- 外装と送り状に「別送品」と書いたか
- 名宛人を自分自身にしたか
- 中身と数量、価格の控えを手元に残したか
- 帰国の時に申告書を2通出す予定を立てたか
輸入の許可書が必要な時は、「輸出・輸入託送品(携帯品・別送品)申告書」(税関様式C第5340号)を2通出し、許可の時に1通が許可書として渡されます。
旅具通関で扱える範囲は?商売の商品はどうなる?
旅具通関は便利ですが、何でも通せるわけではありません。
| 荷物 | 旅具通関で扱える範囲の目安(輸入) |
|---|---|
| 携帯品のお土産など | 原則1品目につき3個まで。3個を超える時は課税価格がおおむね30万円以下 |
| 託送品 | 課税価格がおおむね30万円以下 |
| 商業貨物を手荷物で持ち込む | すべての品目の課税価格の合計額がおおむね30万円以下か、商品見本 |
出典はカスタムスアンサー7104と7109です。税関の案内では「程度」と幅を持たせた書き方になっています。
商品見本の例として、1個当たりの価格が1,000円以下で、全体でも5,000円以下のもの(酒類を除く)が示されています。
この範囲を超える商売の荷物は、一般の貨物と同じ輸入の手続が必要になります。
お酒を持ち帰る時
お酒の携帯品・別送品は、3本(760ml程度のものを1本とする)まで関税・消費税・酒税が免除されます(カスタムスアンサー3105)。
ただし、20歳未満の人は免税になりません。
少額の輸入貨物に使われる簡易税率は、携帯品と別送品には使われません(カスタムスアンサー1001)。旅具通関の税金の考え方は、通常の個人輸入とは別だと考えておきましょう。
個人輸入の税金の考え方は個人輸入の簡易通関とは?で説明しています。
出国する時の旅具通関は?
旅具通関は、日本から出国する時にもあります。
出国の流れは「チェックイン、保安検査、税関検査、出国審査、出国」の順です(カスタムスアンサー7201)。
| こんな時 | 出すもの |
|---|---|
| 外国製品を持って出て、また持ち帰る | 外国製品持出し届(1通) |
| 100万円相当額を超える現金などを持ち出す | 支払手段等の携帯輸出・輸入申告書 |
| 商業貨物を手荷物で持ち出す | 総価格の合計額がおおむね30万円以下なら旅具通関で、税関に口頭申告 |
出国の時に旅具通関で扱える範囲
出国の時も、旅具通関で扱える範囲の目安があります(カスタムスアンサー7204・7205)。
- 携帯品は原則1品目につき3個まで。3個を超える時は総価額がおおむね30万円以下
- 託送品は、総価額がおおむね60万円以下の無償の商品見本や宣伝用物品など
- 商業貨物を機内に預ける時は、預ける前に税関に連絡して手続をする
この範囲に当てはまらない時は、一般の貨物と同じ輸出の手続が必要になります。
商業貨物を手荷物で運ぶ時の詳しい話はハンドキャリーの通関で説明しています。
展示会の出品物や商品見本を一時的に持ち出すなら、ATAカルネを使う方法もあり、携帯品は旅具通関扱いになります(カスタムスアンサー7302)。
仕組みはATAカルネの通関で紹介しています。

よくある相談|別送品の申告で迷った時
旅行や留学の帰りの申告については、似た相談がたくさんあります。
よくある3つを取り上げます。
相談1:別送品の申告書はどう書けばいい?
『帰りの飛行機で申告書を渡されたけど、別送品の欄がよく分からない』という相談です。
別送品がある時は、申告書を2通出すのがポイントです。
送った荷物の中身と数量、価格を控えておけば、書く時に慌てずに済みます。
例えば、こんな会話になることもあります。
「別送品はありますか?」
「はい、現地から段ボールを1箱送りました。申告書は2通用意しています」
こう答えられれば、手続はスムーズに進みます。
相談2:商用の買い付け品を別送してもいい?
仕事で海外に買い付けに行き、商品を郵便で送りたい、という相談もあります。
別送品は、旅行者が帰国に合わせて自分あてに送る荷物という位置づけです。
商売で売るための商品は、金額などの条件しだいで一般の輸入の手続になるので、出発前に税関や通関業者に相談しておきましょう。
「仕入れた商品を送るんですが、別送品で通せますか?」
「販売用なら、量と金額によっては一般の輸入申告になりますね。インボイスを用意しておいてください」
相談3:申告書を出さずに帰国したら、別送品が家に届いた
帰国の時に別送品の申告をしていなかった、という相談です。
入国した後で、別送品の申告をすることはできません。
荷物の扱いや税金がどうなるかは、届いた荷物の通知や税関の案内で確かめて、分からない時は税関に問い合わせてみてください。
通関の仕事に興味が出てきた方へ
空港の税関検査や旅具通関の仕組みを知って、通関の仕事に興味を持つ方もいます。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
旅具通関とは何ですか?
入国する旅行者の携帯品や別送品を、空港などで簡単に申告して通す通関のことです。携帯品・別送品申告書を出すのが基本です。
別送品の通関には期限がありますか?
原則として、本人の帰国(入国)後6か月以内に通関できるものに限られます。
別送品があることを申告し忘れたら、後から申告できますか?
入国した後で別送品の申告をすることはできません。送った荷物がある時は、帰国の時に申告書を2通出しましょう。
空港の手続はどこで詳しく分かりますか?
空港での通関の流れは空港での通関で説明しています。旅行者の荷物についてはカスタムスアンサーの携帯品・別送品のページも参考になります。
まとめ
- 旅具通関は、旅行者の携帯品や別送品を空港などで簡単に申告する通関
- 帰国の時は携帯品・別送品申告書を出す。別送品があれば2通
- 別送品は帰国後6か月以内に通関できるものに限られ、入国後は申告できない
- 商売の商品は、金額などの条件を超えると一般の輸入の手続になる
- 出国の時にも、外国製品持出し届などの旅具通関の手続がある





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