当サイトの記事は編集部が財務省・税関など公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に資格講座・転職サービスへの案内(広告)を含みます。
金曜の夕方に荷物が着いて、『月曜まで待つしかないの?土日に通関してもらえないかな』と焦っている方もいるはずです。
結論から言うと、税関の開庁時間の外でも、前もって届出をすれば手続を進めてもらえる仕組みがあります。
昔は「臨時開庁」と呼ばれていたもので、この記事では臨時開庁の通関の届出の仕方と、緊急の通関で前もってできることをお話しします。
臨時開庁とは?今の呼び名と仕組み
税関官署の開庁時間の外に手続を進めてほしい時は、開庁時間内に「開庁時間外の事務の執行を求める届出書」(税関様式C-8000)を2通出します。時間外の手続にかかっていた臨時開庁手数料は、平成20年4月1日に廃止されています。
「臨時開庁」は、もともとの制度の呼び名です。
今の関税法では、第98条の見出しどおり「開庁時間外の事務の執行の求め」という仕組みになっています。
第98条第1項には、開庁時間以外の時間に税関の事務の執行を求めようとする者は、あらかじめ税関長に届け出なければならないと書かれています。
通関がそもそもどんな手続かは通関とは?で先に読んでおくと、この先の話がつかみやすくなります。
税関の説明はカスタムスアンサー9602、条文はe-Govの関税法で読めます。
税関の開庁時間はいつ?
開庁時間は、平成20年4月から各税関長が税関官署ごとに定め、ホームページなどで公表しています。
多くの税関官署では、平日の午前8時30分から午後5時15分(または午後5時45分)までです。
一方で、成田空港のように24時間365日を開庁時間としている税関官署もあります。
「税関は何時まで」と一律には言えません。荷物が置かれている保税地域を受け持つ税関官署の開庁時間を、税関のホームページで確かめてみてください。
自分の荷物の窓口を確かめる手順
『どの税関官署の開庁時間を見ればいいの?』と迷う方も多いはずです。
- 到着通知などで、荷物が置かれている保税地域の名前を確かめる
- その保税地域を受け持つ税関官署を、通関業者か税関に確かめる
- 税関のホームページで、その官署の開庁時間を見る
- 引き取りたい日時が開庁時間の外なら、届出の段取りを決める
この順番で見ていけば、土日に動けるかどうかの見通しが立ちます。
開庁時間内・時間外・休日で何が変わる?
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
『土日でも通関できるの?』という疑問は、時間帯ごとに分けて考えるとすっきりします。
通関ドットコム編集部で、時間帯別にまとめた表を作りました。
| 時間帯 | 税関の手続 | 前もってすること |
|---|---|---|
| 平日の開庁時間内 | ふだんどおり申告と審査が進む | 特になし |
| 平日の開庁時間の後(夜など) | 届出をすれば手続を求められる | 開庁時間内に届出書を2通出す |
| 土日・祝日など休日 | 届出をすれば手続を求められる | 休日の前の開庁時間内に届出書を出す |
| 24時間開庁の官署 | 開庁時間内として手続が進む | 届出は要らない |

大事なのは、届出は「開庁時間内」に出すという点です。
土曜日になってから慌てても、届出を出せる時間が過ぎていることがあるんです。
「土日も通関してもらえるはず」と思って金曜の夜に連絡すると、届出の時間に間に合わないことがあります。週末にかかりそうな時は、金曜の開庁時間内に相談しておきましょう。
時間外に頼む前に確かめたいこと
税関の手続を時間外に進められても、荷物が動くには他の人の協力も要ります。
- 通関業者が時間外に対応できるか
- 保税地域の倉庫が、その時間に荷物を出せるか
- 配送の車や人を、その時間に手配できるか
- 他の法律の手続が要る荷物ではないか
どれか1つでも止まると、税関の手続が済んでも荷物は動きません。
手数料はかかる?
時間外に税関の手続を行う時に必要だった臨時開庁手数料は、平成20年4月1日に廃止されています。
ただし、これは税関に納める手数料の話です。
通関業者や倉庫などに時間外の対応を頼む場合の費用は、それぞれの事業者に確かめてみてください。
通関にかかる費用の全体像は通関費用の内訳でまとめています。
緊急の通関で前もってできること
『とにかく1日でも早く荷物を引き取りたい』という時もありますよね。
緊急の通関では、時間外の届出だけでなく、荷物が着く前から進められる手続を組み合わせるのがコツです。
- 予備審査制:荷物が着く前に申告書類を出し、審査や検査の事前通知を受ける
- 開庁時間外の届出:夜や休日に手続を求める届出を出しておく
- 電子納付:MPNやダイレクト方式で納めると、納付と同時に輸入許可される
- 許可前引取(BP):担保を出して、輸入の許可の前に引き取る承認を受ける
前もって動いた時と、着いてから動いた時
同じ荷物でも、準備のタイミングで引取りまでの流れは大きく変わります。
- 予備審査で、審査や検査の扱いを先に知れる
- 時間外の届出を、開庁時間内に出しておける
- 倉庫や配送の手配も前もって決められる
- 書類の不足に気づくのが遅れやすい
- 休日に入ると、届出を出せる時間が過ぎていることがある
- 倉庫や配送の空きを待つことになりやすい
緊急の通関は「急いでもらう」より「前もって並べておく」方がうまくいくんです!
予備審査制で着く前に進める
予備審査制は、貨物が日本に着く前などでも、輸入申告の書類を税関に出しておける制度です(カスタムスアンサー1108)。
検査扱い、書類審査扱い、簡易審査扱いのどれになるかの事前通知を受けられます。
対象は全ての輸入貨物なので、急ぐ荷物ほど早めに書類をそろえておく価値があります。
税金の納め方で待ち時間を減らす
税関のカスタムスアンサー1301では、MPNやダイレクト方式で納めると、納付と同時に輸入許可されると案内されています。
納付の確認待ちで時間がかかりそうな時は、納め方も通関業者と相談してみてください。
どうしても許可を待てない時
展示会の出品物などで、許可を待っていられない場面もあります。
その時の選択肢が、担保を出して輸入許可の前に引き取る承認(BP)です。
仕組みと使える場面はBP通関とは?で詳しく説明しています。
届出から引取りまでの流れ
時間外に輸入の手続を進めてもらう時の流れを、目安として並べます。
- 荷物の到着予定と、引き取りたい日時を決める
- 依頼している通関業者に、時間外の対応ができるか相談する
- 開庁時間内に「開庁時間外の事務の執行を求める届出書」を2通出す
- 申告をして、審査や必要な検査を受ける
- 税金を納めて輸入の許可を受け、保税地域から引き取る
輸入の手続そのものの流れは輸入通関の流れで確かめてみてください。
倉庫の開いている時間や配送の手配も絡むので、税関の手続だけで引取りが決まるわけではありません。
空港の荷物の場合
航空貨物は、空港にある税関官署の開庁時間をまず確かめるのが近道です。
24時間の官署なら、時間外の届出そのものが要らないこともあります。
空港での通関の流れは空港での通関で詳しくまとめています。
よくある相談|土日や「通関日」の疑問
時間や日にちに関する相談は、個人の方からも仕事で通関に関わる方からも多く寄せられています。
よく読まれている3つを取り上げます。
相談1:通関が終わってから届くまで何日かかる?
『追跡に通関完了と出たけれど、あと何日で届くの?』という質問は、とても多く読まれています。
輸入の許可が出たあとは、税関の手続ではなく配送の段階になります。
届くまでの日数は、配送している事業者や地域によって変わるので、事業者の追跡ページや窓口で確かめてみてください。
『通関完了なのに、まだ動かない』という時は、配送の拠点に向かっている途中のことも多いんです。
数日たっても表示が変わらない時は、追跡番号を手元に用意して事業者に問い合わせてみましょう。
止まっているように見える時の考え方は通関が遅いのはなぜ?でまとめています。
相談2:土曜日に通関を頼んだのに進まなかった
『一刻も早く引き取りたくて、土曜日に通関業者に頼んだのに進まなかった』という相談もあります。
休日は多くの税関官署で開庁時間の外なので、前もって届出をしていなければ手続が進まないことがあります。
例えばこんなやり取りが、前の週のうちにできていると安心です。
「来週の土曜に着く荷物を、その日のうちに引き取りたいんです」
「では金曜の開庁時間内に、時間外の届出を出しておきますね」
依頼先の探し方は通関業者とは?で説明しています。
相談3:申告日と通関日は何が違う?
『輸出の申告日と通関日は、どう違うの?』という質問もあります。
申告日は、税関に輸出申告をした日です。
一方の「通関日」は、法令で決まった定義をこの記事では確かめられていません。
許可の日のことか申告の日のことか、使う人によってずれることがあるんです。
社内の書類で使う時は、どちらの日を指すかを取引先と決めておくと行き違いを防げます。
輸出許可書や輸入許可書には、税関の許可を受けたことが記録されます。日付の意味を確かめたい時は、その書類のどの欄の日付を使うかを社内で決めておくと分かりやすくなります。
例えば「通関日はこの欄の日付」と社内の手順書に一言書いておくだけでも、担当が変わった時の行き違いがかなり減ります。
通関の仕事に興味がある方へ
時間との勝負になる場面で、手続を組み立てる仕事に興味が出てきた方もいるかもしれません。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある質問
通関は土日もできますか?
多くの税関官署では土日は開庁時間の外ですが、開庁時間内に届出書を出しておけば、時間外の手続を求めることができます。24時間開庁の官署もあります。
臨時開庁の手数料はかかりますか?
時間外の税関手続に必要だった臨時開庁手数料は、平成20年4月1日に廃止されています。通関業者などの費用は各事業者に確かめてください。
時間外の届出はいつまでに出せばいいですか?
開庁時間内に「開庁時間外の事務の執行を求める届出書」(税関様式C-8000)を2通出します。休日の手続なら、その前の開庁時間内に出しておきましょう。
時間外の届出は誰が出すのですか?
関税法第98条では、開庁時間外に税関の事務の執行を求めようとする者が、あらかじめ税関長に届け出ることになっています。通関業者に依頼している時は、どちらが出すかを先に相談しておきましょう。
緊急で通関したい時は何ができますか?
予備審査制で着く前に書類を出す、時間外の届出をする、電子納付で納付と同時に許可を受ける、BPを使うなどの方法があります。どれが使えるかは通関業者や税関に相談してみてください。
まとめ
- 臨時開庁は今の法令では「開庁時間外の事務の執行の求め」
- 届出書(C-8000)2通を開庁時間内に出せば、夜や休日も手続を求められる
- 臨時開庁手数料は平成20年4月1日に廃止
- 開庁時間は税関官署ごとに違い、24時間の官署もある
- 緊急の通関は予備審査・電子納付・BPなども組み合わせて考える





コメント