通関士試験の過去問の使い方|2023年など年度ごとの問題と正答

通関士試験の過去問を年度ごとに集め、正答を確かめながら使う方法を扱う記事のアイキャッチ

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『2023年の通関士試験の問題を解いてみたいけど、どこで手に入るの?古い年度の過去問も使えるのかな』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、通関士試験の過去問は税関ホームページの各回のページで確認でき、正答と配点も合格発表の後に公表されます。

この記事では、年度ごとの過去問の探し方と、最新年度から3段階で使う手順、法改正で古い年度の扱いが変わる点を紹介します。

目次

通関士試験の過去問はどこで見られる?

先に結論

過去の試験問題は、税関ホームページの「通関士試験」のページから、各回のページを開いて確かめられます。正答と配点は、合格発表の後に同じく税関ホームページで公表されます。

例えば第59回(令和7年)なら、税関の第59回の試験のページから問題を確かめられます。正答と配点は「各試験科目における配点及び正答」としてPDFで載っています(第59回の正答)。

各回のページへの入り口は、税関の通関士試験のページです。

過去問と正答を手に入れる手順
  1. 税関の「通関士試験」のページを開く
  2. 解きたい回(年度)のページを開く
  3. 3科目の試験問題をダウンロードして印刷する
  4. 同じ回の「配点及び正答」のPDFを、別に保存しておく
  5. 問題と正答に、回の番号と年をメモしておく

正答は、問題を解き終わるまで見ないようにしておきましょう。先に目に入ると、解く練習の意味が薄れてしまうんです。

印刷して解くのがおすすめ

本番は、各科目とも筆記のマークシート方式です。画面で問題を読むより、紙に印刷して、鉛筆で線を引きながら解く方が本番に近い練習になります。

印刷して解く時の準備
  • 問題を科目ごとにまとめて、ホチキスで留めておく
  • 答えを書く紙を別に用意し、問題番号と答えだけを書く
  • 鉛筆と消しゴム、通関実務では電卓も手元に置く
  • タイマーを本番の試験時間に合わせておく

答えを問題用紙に直接書き込まずに別の紙に書いておくと、同じ問題を何度でも解き直せます。

年度と回の対応表|2021年から2025年の通関士試験

過去問を探す時に『2022年度の通関士試験って第何回?』と迷うことがありますよね。

通関士試験は「第○回」で呼ばれるので、西暦の年と回の番号を対応させておくと探しやすくなります。財務省(税関)の公表値もあわせて並べておきますね。

西暦(和暦)回受験者数合格者数合格率
2021年(令和3年)第55回6,961人1,097人15.8%
2022年(令和4年)第56回6,336人1,212人19.1%
2023年(令和5年)第57回6,332人1,534人24.2%
2024年(令和6年)第58回6,135人759人12.4%
2025年(令和7年)第59回6,322人954人15.1%

合格率はいずれも財務省(税関)の公表値です。

年度ごとの合格基準

各回の合格基準も、合格発表の際に公表されています。過去問を解いたあと、その回の基準と自分の点を比べてみると、本番との距離が分かります。

回(西暦)通関業法関税法等通関実務
第57回(2023年)満点の60%以上満点の60%以上満点の60%以上
第58回(2024年)満点の60%以上満点の55%以上満点の60%以上
第59回(2025年)満点の60%以上満点の60%以上満点の60%以上
試験日を確かめたい時

2022年の通関士試験の試験日など、各回の日程は、その回の税関のページや受験案内で確かめてみてください。第58回は令和6年10月6日(日)、第59回は令和7年10月5日(日)に行われました。

合格率の高い年の問題は簡単?

表を見ると、2023年(第57回)は合格率が24.2%、2024年(第58回)は12.4%でした。『2023年の問題は簡単だったのかな』と思うかもしれません。

ただ、合格率はその回の問題や合格基準によって動くもので、問題の易しさだけでは決まりません。第58回は関税法等の基準が55%以上と、ほかの回と違っていました。過去問を解く時は、年度による易しさを気にするより、どの年度でも3科目それぞれで満点の60%を超えられるかを見ておくのが現実的です。

2017年や2019年の過去問はどうする?

2017年や2019年の通関士試験のように、さらに前の年度の問題を解きたい方もいるかもしれません。

手元に古い年度の問題集がある、という方も多いですよね。

古い年度ほど、今の法令と合わない部分が出てきやすくなります。解くなら、直近の年度を何度か回したあとの「追加の練習」として使うくらいがちょうどいいです。

過去問は「3段階」で使う

ここが大事なところです。

『過去問は、とにかくたくさんの年度を解けばいい』と思われがちですが、解きっぱなしでは点は伸びません。

通関ドットコム編集部では、過去問を3つの段階で使う手順をおすすめしています。

過去問を、最新年度を時間を計って解く・科目ごとに3年分・間違いノートの3段階で使う手順の図解
段階やることねらい
1 最新年度を時間を計って解く直近の1回分を、本番と同じ時間割で3科目通して解く今の実力と、時間が足りない科目を知る
2 科目ごとに3年分を解く科目ごとに直近3年分を解き、形式別に間違いを数える何度も問われるテーマと、苦手な形式を見つける
3 間違いノートを作る間違えた問題の理由を1行で書き、条文やテキストに戻る同じ間違いを繰り返さない

段階1:最新年度を時間を計って解く

最初は、いちばん新しい年度の問題を、本番と同じ時間で解いてみます。

第60回(令和8年)の時間割は、通関業法が9:30から10:20(50分)、関税法等が11:00から12:40(100分)、通関実務が13:50から15:30(100分)でした。

段階1で記録しておくこと
  • 科目ごとの得点と、満点に対する割合
  • 時間内に解き終わったか、どの問題で時間を使ったか
  • 自信を持って答えた問題と、迷って選んだ問題の区別
  • 通関実務の申告書問題と計算問題の出来

初めて解く時は、半分も取れなくて落ち込む方もいます。でも、まだ勉強の途中なら当たり前のことです。

最初は点が低くてもかまいません。『全然できなかった』で終わらせず、どこで点を落としたかを記録しておくことが、次の段階の材料になります。

1回分を通して解く日の時間割

3科目を通して解く日は、本番と同じ時間割で動いてみると、午後の疲れ具合まで分かります。

時間(第60回の時間割)やること
9:30から10:20通関業法を解く
10:20から11:00休憩。答え合わせはまだしない
11:00から12:40関税法等を解く
12:40から13:50昼食と休憩
13:50から15:30通関実務を電卓を使って解く
そのあと3科目まとめて答え合わせをし、記録をつける

休みの日に1日まるごと使うのが難しければ、午前の2科目と午後の通関実務を別の日に分けてもかまいません。

段階2:科目ごとに3年分を解く

次は、科目ごとに直近3年分を解いていきます。

例えば、通関業法の2023年・2024年・2025年の問題を続けて解くと、毎年のように出ているテーマが見えてきます。

見るところ気づけること
何度も出ているテーマテキストで重点的に読むべきところ
間違えた形式(選択式・択一式・計算式)覚え方を変えるべきところ
毎回時間がかかる問題解く順番を変えるべきところ

3年分を同じ科目で続けて解くと、「この言葉の違いはよく聞かれる」という感覚がつかめてきます。

通関実務の過去問は、本番で使う電卓で解いておきましょう。電卓が使えるのは通関実務の時間だけで、計算機能のみのものに限られます。使える電卓の条件は通関士試験の電卓と持ち物で確かめられます。

段階3:間違いノートを作る

最後は、間違えた問題の理由をノートに残していきます。

ノートには問題文を全部写す必要はありません。回と問題の番号、間違えた理由、正しい知識を1行ずつ書けば十分です。

書く項目書き方の例
回と問題の番号第59回 関税法等 第○問
間違えた理由許可と承認を取り違えた
正しい知識条文の言葉をそのまま書く
次に見る日1週間後に解き直す

ノートを見返す時は、自分にこんなふうに問いかけてみてください。

「この問題、なぜ間違えた?」「許可と承認の言葉を、なんとなくで選んでいた」

理由が自分の言葉で言えれば、次に同じテーマが出た時に手が止まりにくくなります。

よくある失敗

過去問を解いて答え合わせをしたところで満足し、間違えた理由を確かめないまま次の年度に進んでしまうケースです。同じ間違いを別の年度でもう一度してしまうので、ノートに理由を1行でも残しておきましょう。

法改正で古い年度の扱いが変わる

過去問を使う時に、気をつけたいのが法改正です。

通関士試験の出題範囲は、試験の年の7月1日現在で施行されている法律・政令・省令・告示・通達です。第60回なら、令和8年7月1日現在のものでした。

そのため、古い年度の問題は、出題された時には正しかった答えが、今の決まりとは合わないことがあります。

改正の例:輸入申告の項目

例えば、輸入申告の申告事項には、令和7年10月12日から、通信販売貨物に該当するか否かなどの項目が追加されました(カスタムスアンサー1106)。

申告事項のように実務に関わる決まりは、通関実務の問題にも影響することがあります。古い年度の問題を解く時は、こうした変更がないかを意識しておくと安心です。

古い年度の上手な使い方
  • 直近の年度を回したあとの追加練習にする
  • 答えが今の決まりと合うかを確かめる
  • 改正があったテーマは最新のテキストで読み直す
古い年度のつまずきやすい使い方
  • 最初から古い年度ばかり解く
  • 当時の正答をそのまま覚える
  • 改正の有無を確かめずに暗記する

正答をそのまま覚えない

『過去問の答えを全部覚えれば受かるのでは』と考える方もいますよね。ただ、同じ問題がそのまま出るとは限りませんし、法令が変われば答えも変わります。

覚えるのは答えの記号ではなく、「なぜその答えになるのか」です。選択肢の1つずつについて、正しい理由か誤っている理由を言えるようにしておくと、初めて見る問題にも対応しやすくなります。

古い年度の問題を解く時の確かめ方

『この答え、今も同じなのかな』と迷ったら、次の順番で確かめてみてください。

古い年度の過去問の答えが今の法令と合うかを確かめる手順を示した図解
古い年度の答えを確かめる手順
  1. 問題が、どの法律のどの決まりを聞いているかを確かめる
  2. 最新のテキストで、同じテーマの記述を読む
  3. 記述が違う時は、法令や税関の案内で今の決まりを確かめる
  4. 間違いノートに「改正あり」と書き、今の決まりで覚え直す

テキストと六法の選び方は、通関士のテキストと六法の選び方|教材の組み合わせ方で紹介しています。

科目ごとの過去問の使い方のコツ

過去問の使い方は、科目によって少しずつ違います。

科目過去問の使い方合わせて読みたい記事
通関業法選択式の語句を、条文に戻って確かめる通関業法の勉強法
関税法等何度も出ているテーマに印をつけ、範囲を絞る関税法等の勉強法
通関実務申告書と計算を時間を計って解き直す通関実務の勉強法

通関実務の申告書問題は、同じ問題を何度か解き直すのも効果があります。解き方の手順を体に覚えさせるイメージです。

法律の2科目は、同じ年度を何度も解くより、年度をまたいで同じテーマの問題を並べて解く方が力がつきやすいです。例えば、保税地域のテーマだけを3年分集めて続けて解くと、問われ方の違いがよく分かります。

申告書問題と計算問題の解き方は、通関実務の勉強法|申告書問題と計算問題の解き方で紹介しています。3科目の出題形式と配点は通関士試験の内容|3科目の出題形式と配点にまとめています。

過去問を解く時期の目安

過去問は、テキストを全部読み終えてから始める必要はありません。

1つのテーマを読んだら、そのテーマの過去問を解いてみる。この往復を早めに始めた方が、どこが問われるかが分かって、テキストの読み方も変わってきます。

3科目をどの順番で進めるかは、通関士の勉強法|3科目をどの順番で進めるかで紹介しています。

独学で進めるか、講座を使うか

過去問と正答が税関ホームページで手に入るので、独学でも十分に勉強の材料はそろいます。

ただ、税関で公表されるのは正答と配点で、1問ずつの解き方の説明ではありません。

講座が役に立ちやすい場面
  • 正答だけでは、なぜその答えになるのかが分からない
  • 通関実務の申告書問題と計算問題の解き方を、手順ごとに説明してほしい
  • 古い年度の問題が、今の法令で答えが変わるかを確かめるのが大変
  • 分からない問題を質問できる相手がいない

独学か講座かの考え方は、通関士は独学で合格できる?独学の進め方と講座を使うと楽な人で比べています。

勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、過去問の解説の詳しさや法改正への対応を比べてみるのも一つの方法です。選び方は通関士の講座・スクールの選び方にまとめています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある相談:過去問と年度の悩みに答えます

Q&Aサイトで読まれている相談の中から、過去問と年度に関わるものを要約して答えます。

2022年の法改正を簡単に知りたい

『2022年の通関士試験の法改正を、簡単に教えてほしい』という相談が読まれています。

どの年にどんな改正があったかは、その年のテキストや税関の案内で確かめるのが確実です。出題範囲はその年の7月1日現在の法令なので、受ける年の最新のテキストで、改正があった部分を確かめてみてください。

しばらく勉強から離れていたけど間に合う?

『2022年と2023年に受けて以来、まったく勉強していない。今からでも間に合うか』という質問もあります。

一度勉強したことがある人は、手続の流れや言葉になじみがある分、ゼロから始める人より戻りやすいはずです。

まずは最新年度の過去問を時間を計って解き、今の実力を確かめるところから始めてみてください。そこで分かった苦手な科目から、勉強を組み立て直すのが近道です。

2023年のテキストは使える?

『通関士の試験で、2023年のテキストは使えますか』という相談もあります。

使えないわけではありませんが、出題範囲は試験の年の7月1日現在の法令です。古いテキストを使うなら、改正があった部分を最新の情報で確かめる手間がかかります。

勉強の土台になる1冊は、受ける年に合わせたものを用意しておくと安心です。

相談に共通する答え

過去問は、年度と回を対応させて税関ホームページで集め、直近の年度から使うのが基本です。古い年度やテキストは、法改正の有無を確かめながら使いましょう。

よくある質問

2023年の通関士試験は第何回ですか?

2023年(令和5年)は第57回です。財務省(税関)の公表値では、受験者数6,332人、合格者数1,534人、合格率24.2%でした。

通関士試験の過去問の正答はどこで見られますか?

合格発表の後に、税関ホームページの各回のページで「各試験科目における配点及び正答」が公表されます。

過去問は何年分解けばいいですか?

決まった年数はありません。この記事では、最新年度を時間を計って解いたあと、科目ごとに直近3年分を解く進め方を紹介しています。

同じ過去問を何回も解く意味はありますか?

あります。特に通関実務の申告書問題は、手順を身につけるために解き直す価値があります。2回目以降は、時間を短くできるかと、間違えた理由を説明できるかを確かめてみてください。

古い年度の過去問は使わない方がいいですか?

使ってもかまいませんが、出題範囲は試験の年の7月1日現在の法令です。答えが今の決まりと合うかを確かめながら使ってください。

第60回の過去問はいつ見られますか?

試験問題と正答は、各回のページで確かめられます。第60回の正答と配点は、合格発表(令和8年11月10日予定)の後に公表される流れです。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士試験の過去問は、税関ホームページの各回のページで確かめられる
  • 正答と配点は合格発表の後に公表される
  • 2021年は第55回、2022年は第56回、2023年は第57回と、年と回を対応させて探す
  • 過去問は、最新年度を時間を計って解く・科目ごとに3年分・間違いノートの3段階で使う
  • 古い年度は、法改正で答えが変わることがあるので確かめながら使う
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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