IC通関・IS通関とは?直輸入と蔵入れの申告種別の違い

IC通関とIS通関の違いを申告種別の符号から説明する記事のアイキャッチ

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通関の現場で「これはIC通関で」「あれはIS通関」と言われて、意味が分からず困っていませんか。

結論から言うと、IC通関は「直輸入」、IS通関は「蔵入れ」を表す申告種別の符号から来た呼び方です。

この記事を読めば、ICとISの違いと、ほかの符号との関係が、貨物の置き場所と結びつけて分かります。

目次

IC通関・IS通関とは?申告種別の符号のこと

先に結論

ICとISは、輸入申告書に書く「申告種別」の符号です。税関の記載要領では、ICは「直輸入」、ISは「蔵入れ」と示されています。

輸入申告書には、その申告がどんな種類の申告かを表す欄があります。

そこに書く略号が申告種別の符号で、現場ではこれに「通関」を付けて呼ぶことが多いんです!

税関の輸入申告書の記載要領では、略号符号の意義として次のように示されています。

符号記載要領での意味
IC直輸入
IS蔵入れ
ISW蔵出輸入
IM移入れ
IMW移出輸入
IA総保入れ
IAC総保出輸入
BP許可前引取
IBP輸入許可前引取貨物の輸入
RE-IMP再輸入

表のとおり、「入れる時の符号」と「出して輸入する時の符号」がセットになっているものが多いんです!

ISとISW、IMとIMW、IAとIACのように、Wや最後の文字が付くと「そこから出して輸入する」と覚えると楽ですよ。

RE-IMPは「再輸入」で、一度日本から輸出した物をまた輸入する時の符号です。

通関そのものの流れから知りたい方は通関とは?を先にどうぞ。

ICは「課税」ではなく「直輸入」

『IC通関って、課税される輸入申告のことでしょ?』と覚えている方もいますよね。

実は、インターネット上にはICを「輸入申告(課税)」と説明しているページもあります。

でも、記載要領の原文は「直輸入」です。

課税か無税かを表す符号ではない、という点はここで押さえておきましょう。

よくある勘違い

ICを「課税」、ほかの符号を「無税」と覚えると、関税がかからない貨物をどう申告するのかで混乱します。符号は課税・無税ではなく、貨物をどこからどう引き取るかの種類を表しています。

直輸入は、保税地域に着いた外国貨物を、そのまま輸入の許可を受けて国内に引き取る、いちばん基本の形です。

新人のうちは、こんな会話で戸惑うことも。

「この案件はICでいいですか?」

「すぐ倉庫に入れて使うからICで。課税かどうかは税番と税率で見てね」

例えば、港に着いたコンテナの貨物を、輸入申告をして許可を受け、すぐ国内の倉庫へ運ぶ場合がこれに当たります。

IC(直輸入)で輸入する時の流れ

ICの流れは、ふだん「輸入通関」と呼んでいる手続そのものです。

ICで輸入する流れ
  1. 船会社や航空会社などから到着通知を受け取る
  2. 仕入書(インボイス)、包装明細書、船荷証券などをそろえる
  3. 保税地域を管轄する税関官署に輸入申告をする
  4. 書類の審査と、必要な時は検査を受ける
  5. 関税や消費税を納めて、輸入の許可を受ける

必要な書類はカスタムスアンサー1107、流れは1102で確かめられます。

貨物が着く前に書類を出して、審査や検査の扱いを先に知らせてもらう予備審査制もあります(カスタムスアンサー1108)。

詳しい流れは輸入通関の流れで説明しています。

貨物の置き場所で見る申告種別の早見表

符号を丸暗記しようとすると、なかなか覚えられません。

通関ドットコム編集部では、貨物がどの保税地域に入って、どこから引き取られるかで並べてみました。

貨物の動き入れる時の符号引き取る時の符号関係する保税地域
着いた貨物をそのまま輸入なしIC(直輸入)指定保税地域など
長く置いてから輸入IS(蔵入れ)ISW(蔵出輸入)保税蔵置場
加工や製造に使ってから輸入IM(移入れ)IMW(移出輸入)保税工場で使われる言葉
総合保税地域に入れてから輸入IA(総保入れ)IAC(総保出輸入)総合保税地域
許可の前に引き取るBP(許可前引取)IBP(輸入許可前引取貨物の輸入)担保を出して承認を受ける

符号の意味は記載要領、保税地域の種類はカスタムスアンサー9203が出典です。

移入れ・移出輸入がどの手続に当たるかの細かい点は、関税法の条文や記載要領で確かめてください。

申告種別の符号を、貨物が入る保税地域と引き取る時の符号の組み合わせで並べた早見表の図解

保税地域ごとに置いておける期間

符号と一緒に、保税地域ごとの役割と置いておける期間も見ておくと、ISが必要になる理由がつかめます。

保税地域主な役割蔵置期間
指定保税地域積卸し、運搬、一時的に置く1か月
保税蔵置場積卸し、運搬、長く置く2年(延長可能)
保税工場外国貨物を原料にした加工・製造2年(延長可能)
総合保税地域長く置く、加工・製造、展示など2年(延長可能)

出典はカスタムスアンサー9203です。

保税の全体像は保税と通関で説明しています。

IS通関とは?蔵入承認の考え方

IS通関は、外国貨物を保税蔵置場に長く置くための手続を指して使われます。

関税法第43条の3では、保税蔵置場に外国貨物を入れた日から3月を超えて置く場合のルールがあります。

その超える日の前に税関長に申請し、承認を受けなければならないんです。

これが蔵入承認で、申告種別の符号ではISです。

保税蔵置場を使って輸入する流れ
  1. 外国貨物を保税蔵置場に入れる
  2. 3月を超えて置くなら、超える日の前に蔵入承認を申請する(IS)
  3. 承認を受けて、外国貨物のまま置いておく
  4. 国内に出す分ができたら、輸入申告をする(ISW)
  5. 輸入の許可を受けて、保税蔵置場から引き取る

外国貨物のまま置いておけるので、売れる分だけ少しずつ輸入したい時などに使われるんです。

蔵入承認を使うと何が変わる?

『ISにすると、何がうれしいの?』と感じる方もいるはずです。

ICとISの選び方を、良い面と手間の面で並べてみます。

ISで置いておく良い面
  • 外国貨物のまま長く置いておける
  • 必要な分だけ、その都度輸入申告できる
  • 輸入する分の税金は、その輸入申告の時に納める
ISで置いておく手間
  • 蔵入承認の申請という手続が増える
  • 置いている期間を管理する必要がある
  • 出す時にもISWの輸入申告が要る

置いておける期間には限りがあるので、出荷の予定とあわせて管理しておきましょう。

ISにするか決める前のチェック
  • その貨物を国内で使い始めるのはいつごろか
  • 一度に全部輸入するか、少しずつ輸入するか
  • 保税蔵置場に入れた日から3月を超えて置く見込みか
  • 蔵入承認の申請と、出す時の輸入申告を誰が担当するか

IAとIACは総合保税地域の符号

IAは「総保入れ」、IACは「総保出輸入」です。

総合保税地域は、長く置くこと、加工・製造、展示などをまとめてできる保税地域です(カスタムスアンサー9203)。

ISとISWの関係と同じように、入れる時と出して輸入する時で符号が分かれています。

保税蔵置場に入れた貨物を蔵入承認で置いておき、蔵出輸入で引き取るまでの流れの図解

ICとISはどう使い分ける?

すぐ国内で使う貨物ならIC、しばらく外国貨物のまま置いておきたい貨物ならIS、と考えると分かりやすいです。

社内では、こんな相談になることがあります。

「この貨物、来月以降に少しずつ出荷したいんです」

「それなら保税蔵置場に入れてIS、出す時にISWで輸入申告しましょう」

許可の前に引き取りたい事情がある時はBPを使います。

BPの仕組みはBP通関とは?で、ほかの略語は通関の申告種別と略語一覧で紹介しています。

よくある相談|ICとISの実務で迷った時

IC通関・IS通関については、実務の人からの相談が目立ちます。

言葉の意味は分かっても、実際の場面でどちらになるのか迷う、という声が多い印象です。

よくある3つを取り上げます。

相談1:蔵入承認(IS)の「再IS」が分からない

『先輩が「再IS」と言っていたけど、何のこと?』という相談です。

「再IS」という言葉そのものの公式の説明は、この記事では確かめられていません。

まずは、IS=保税蔵置場に3月を超えて置くための蔵入承認、という基本を押さえてください。

そのうえで、社内でどの場面を「再IS」と呼んでいるのかを、先輩に具体的に聞いてみるのが確実です。

相談2:この地区はISしなくてもいい?

通関業者の人から、地区によってはISをしなくていいのか、という相談もあります。

関税法第43条の3の考え方では、蔵入承認が要るのは、保税蔵置場に入れた日から3月を超えて置こうとする場合です。

3月を超えるかどうかで判断し、扱いに迷う時は管轄の税関に確かめてみてください。

地区の運用の違いのように見えても、実際は置いている期間の違いだった、ということもあります。

相談3:EXWも通関用語?

インボイスに出てくるEXWも通関用語なのか、という相談です。

EXWはインコタームズの規則の一つで、和名は「工場渡し」です(ジェトロ)。

申告種別の符号とは別のもので、売主と買主の取引条件を表します。

取引条件と通関の関係はインコタームズと輸入通関で説明しています。

通関の仕事に興味が出てきた方へ

申告種別の符号は、通関の仕事を始めると毎日のように目にします。

通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。

どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。

申告をシステムで行う仕組みはNACCSとは?で紹介しています。

通関ドットコム

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実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

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よくある質問

IC通関とは何ですか?

輸入申告書の申告種別の符号ICから来た呼び方で、記載要領ではICは「直輸入」です。保税地域に着いた貨物を、そのまま輸入の許可を受けて引き取る形です。

IS通関とは何ですか?

申告種別の符号ISから来た呼び方で、ISは「蔵入れ」です。保税蔵置場に外国貨物を3月を超えて置くための蔵入承認を指して使われます。

ICは課税、ISは無税という意味ですか?

いいえ。記載要領の原文では、ICは直輸入、ISは蔵入れで、課税・無税を表す符号ではありません。

IS通関とIC通関はどちらを選べばいいですか?

すぐ国内で使う貨物ならIC、外国貨物のまましばらく置いて少しずつ輸入したいならISが向いています。迷う時は、出荷の予定を通関業者に伝えて相談してみてください。

ISWとは何ですか?

記載要領では「蔵出輸入」です。蔵入承認を受けて保税蔵置場に置いた貨物を、輸入申告して引き取る時の符号です。

まとめ

この記事の要点
  • IC通関・IS通関は、輸入申告書の申告種別の符号から来た呼び方
  • 記載要領ではICは直輸入、ISは蔵入れで、課税・無税の意味ではない
  • 符号は、貨物がどの保税地域に入り、どこから引き取られるかで覚えると楽
  • 保税蔵置場に3月を超えて置くなら、超える日の前に蔵入承認(IS)を受ける
  • 蔵入承認を受けた貨物を輸入する時はISW(蔵出輸入)
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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