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通関の仕事を始めたばかりで、IMやECR、OLTといった略語が飛び交い、ついていけないと感じていませんか。
結論から言うと、通関の略語は「輸入申告の種類」「輸出の手続」「保税と運送」「システム」の4つに分けると、ぐっと覚えやすくなります。
この記事を読めば、よく見る略語の意味と、どの資料で確かめればいいかが分かります。
通関の略語は2つの出どころがある
通関の略語の多くは、輸入申告書に書く「申告種別の符号」か、NACCSの「業務コード」のどちらかです。意味は、税関の記載要領とNACCSセンターの業務一覧で確かめられます。
『IMもECRも、同じ種類の略語でしょ?』と思いますよね。
実は、出どころが違うんです!
IMやISWは、輸入申告書の申告種別の欄に書く符号です。
ECRやOLTは、通関の電子システムNACCSで使う業務の名前(業務コード)です。
| 出どころ | 例 | 確かめる資料 |
|---|---|---|
| 申告種別の符号 | IC、IS、ISW、IM、IMW、BP、IBP | 税関の輸入申告書の記載要領 |
| NACCSの業務コード | EDA、EDC、IDA、IDC、ECR、OLC、OLT、MIC | NACCSセンターの第7次NACCSオンライン対象業務一覧 |
| 接続するシステムの名前 | CCIS | NACCSセンターの第7次NACCS基本仕様書 |
この記事では、これらの公式資料で意味を確かめられた略語だけを載せています。
通関の全体の流れは通関とは?で説明しています。
輸入申告の種類を表す符号(IM・IMW・ISWなど)
まずは、輸入申告書に書く申告種別の符号です。
通関ドットコム編集部で、貨物の置き場所と合わせて並べました。
| 符号 | 記載要領での意味 | 現場での呼び方の例 | 関係する場所や場面 |
|---|---|---|---|
| IC | 直輸入 | IC通関 | 着いた貨物をそのまま輸入 |
| IS | 蔵入れ | IS通関 | 保税蔵置場に入れる |
| ISW | 蔵出輸入 | ISW通関 | 保税蔵置場から出して輸入 |
| IM | 移入れ | IM通関 | 保税工場で使われる言葉 |
| IMW | 移出輸入 | IMW通関 | 移入れした貨物を出して輸入 |
| IA | 総保入れ | IA通関 | 総合保税地域に入れる |
| IAC | 総保出輸入 | IAC通関 | 総合保税地域から出して輸入 |
| BP | 許可前引取 | BP通関 | 担保を出して許可の前に引き取る |
| IBP | 輸入許可前引取貨物の輸入 | IBP通関 | BPの後に輸入の許可を受ける |
| RE-IMP | 再輸入 | 再輸入 | 輸出した物をまた輸入する |

符号を覚えるコツ
10個もあると、覚えるのが大変ですよね。
コツは、「入れる時」と「出して輸入する時」のペアで覚えることです。
ISとISW、IMとIMW、IAとIACのように、入れる時の符号に1文字足すと「そこから出して輸入する」符号になります。
BPとIBPも、先に引き取る時と、後から輸入の許可を受ける時のペアです。
IM通関・IMW通関とは?
IMは「移入れ」、IMWは「移出輸入」です。
入れる時の符号と、出して輸入する時の符号がセットになっていて、ISとISWの関係と同じ形なんです!
移入れがどの保税地域のどんな手続に当たるかの細かい点は、関税法の条文や記載要領で確かめてみてください。
ISW通関とは?
ISWは「蔵出輸入」で、蔵入承認(IS)を受けて保税蔵置場に置いた貨物を、輸入申告して引き取る時の符号です。
保税蔵置場に外国貨物を入れた日から3月を超えて置く時は、蔵入承認が要ります(関税法第43条の3)。
ICとISの違いはIC通関・IS通関とは?、BPとIBPはBP通関とは?で詳しく説明しています。
ICを「課税の輸入申告」と説明するページもありますが、記載要領の原文は「直輸入」です。符号は課税・無税を表すものではないので、意味は記載要領で確かめておきましょう。
輸出の手続で見る略語(ECR・EDA・EDC)
次は、輸出の現場でよく見るNACCSの業務コードです。
| 業務コード | 業務一覧での名前 | どんな時に見るか |
|---|---|---|
| EDA | 輸出申告事項登録 | 輸出申告の内容を入力する時 |
| EDB | 輸出申告事項呼出し | 登録した内容を呼び出す時 |
| EDC | 輸出申告 | 登録した内容で輸出申告する時 |
| ECR | 輸出貨物情報登録 | 輸出する貨物の情報を登録する時 |
| MEC | 輸出マニフェスト通関申告 | 輸出のマニフェスト通関の時 |
出典は第7次NACCSオンライン対象業務一覧です。
ECR通関と呼ばれるもの
『ECR通関って、輸出申告のこと?』と聞かれることがあります。
ECRは、業務一覧では「輸出貨物情報登録」という業務の名前です。
現場で「ECR通関」と呼ぶことがあっても、ECRそのものは申告ではなく、貨物の情報を登録する業務だと押さえておくと混乱しません。
輸出申告そのものはEDCです。
- EDAで輸出申告の内容を登録する
- 必要に応じてEDBで呼び出して確かめる
- EDCで輸出申告をする

輸出の手続全体は輸出通関の流れで説明しています。
輸入・保税と運送の略語(IDA・IDC・OLT・MIC)
輸入申告や保税運送でも、NACCSの業務コードが出てきます。
| 業務コード | 業務一覧での名前 | 分類 |
|---|---|---|
| IDA | 輸入申告事項登録 | 輸入申告 |
| IDC | 輸入申告 | 輸入申告 |
| MIC | 輸入マニフェスト通関申告 | 輸入申告 |
| OLC | 保税運送申告 | 保税と運送 |
| OLT | 保税運送申告(一般)呼出し | 保税と運送 |
| HCH | HAWB情報登録 | 保税と運送 |
出典は同じく第7次NACCSオンライン対象業務一覧です。
OLT通関とは?
OLTは、業務一覧では「保税運送申告(一般)呼出し」です。
OLT01が「保税運送申告(一般)」とされています。
保税運送は、外国貨物を税関長に申告して承認を受け、保税地域などの間を外国貨物のまま運ぶ手続です(関税法第63条)。
MIC・MECとマニフェスト通関
MICは「輸入マニフェスト通関申告」、MECは「輸出マニフェスト通関申告」です。
マニフェスト通関は、航空貨物混載業者が扱う少額の貨物を、マニフェストを添えてまとめて申告する仕組みです(カスタムスアンサー1005)。
対象になるのは、課税価格1万円以下の少額貨物の免税が使われる貨物などで、他の法律の証明が要らないことなどの条件があります。
保税の仕組みは保税と通関、マニフェスト通関はマニフェスト通関とは?で紹介しています。
システムの略語(NACCS・CCIS)
最後は、システムの名前です。
NACCSは、輸出入の申告などの手続を電子で行うシステムで、上の業務コードはすべてNACCSの中の業務です。
CCISは「通関情報提供システム」です。
第7次NACCS基本仕様書では、NACCSと接続する民間システムの一つとして挙げられています。
「CCIS通関」と検索されることがありますが、CCISはNACCSとつながるシステムの名前です。申告の種類を表す言葉ではありません。
NACCSで申告することが条件の手続もある
海上貨物の通販の荷物などには、海上小口貨物に係る簡易通関という扱いがあります(カスタムスアンサー1007)。
条件の一つが、NACCSで申告されることです。
税番や税率、税額などの申告項目の一部を省けますが、利用を始める少なくとも3か月前までに申し出る必要があります。
NACCSの仕組みと使う人はNACCSとは?で説明しています。
知らない略語に出会った時の調べ方
この記事に載っていない略語に出会うこともあります。
そんな時は、次の順番で調べてみてください。
- 申告書の欄に書く符号なら、税関の輸入申告書の記載要領を見る
- システムの画面や帳票に出る略語なら、NACCSセンターの業務一覧を見る
- どちらにも無ければ、社内の手順書や先輩に、どの場面で使う言葉かを聞く
- 意味が確かめられない略語は、推測で覚えず保留にしておく
インターネット上の説明には、公式資料と意味が違うものもあります。
ICを「課税」とする説明がその一例なので、出どころを確かめる習慣をつけておくと安心です。
よくある相談|略語の意味で迷った時
略語については、仕事を始めたばかりの人からの相談が目立ちます。
よくある3つを取り上げます。
相談1:IM通関の実務手順が知りたい
『IM通関を任されたけど、何から始めればいいか分からない』という相談です。
まずは、IMが記載要領で「移入れ」を表す符号だという点を押さえてください。
具体的な手順は会社ごとの手順書があることが多いので、先輩にこう聞いてみると話が早いです。
「IMの申告で、どの書類をそろえて、どの業務で入力するか、手順書はありますか?」
相談2:OLTって何のこと?
保税の仕事をしている人から、OLTの意味を聞かれることがあります。
OLTは、NACCSの業務一覧で「保税運送申告(一般)呼出し」という業務の名前です。
保税運送の手続の一部だと考えると、ほかの言葉ともつながりやすくなります。
職場では、こんな使われ方をすることがあります。
「この貨物、OLTで呼び出して保税運送の内容を確かめておいて」
相談3:EDAを送ったまま使わなかったデータは?
輸出でEDAを一度送り、そのデータを使わなかったらどうなるのか、という相談です。
EDAは輸出申告事項の登録で、申告そのものはEDCです。
登録したまま使わなかったデータの扱いは、この記事では公式資料で確かめられていません。
NACCSセンターの案内や、社内のマニュアルで確かめてみてください。
通関の仕事に興味が出てきた方へ
略語が分かってくると、通関の仕事がぐっと身近に感じられますよね。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
IM通関とは何ですか?
輸入申告書の申告種別の符号IMから来た呼び方で、記載要領ではIMは「移入れ」です。出して輸入する時の符号はIMW(移出輸入)です。
ISW通関とは何ですか?
ISWは「蔵出輸入」で、蔵入承認を受けて保税蔵置場に置いた貨物を輸入申告して引き取る時の符号です。
ECRとは何ですか?
NACCSの業務一覧で「輸出貨物情報登録」とされている業務の名前です。輸出申告そのものはEDCです。
OLTとOLCの違いは何ですか?
NACCSの業務一覧では、OLCは「保税運送申告」、OLTは「保税運送申告(一般)呼出し」とされています。どちらも保税運送の手続に関わる業務です。
意味が分からない略語はどこで調べればいいですか?
申告種別の符号は税関の輸入申告書の記載要領、NACCSの業務コードはNACCSセンターの業務一覧で確かめられます。
まとめ
- 通関の略語は、申告種別の符号とNACCSの業務コードが主な出どころ
- IMは移入れ、IMWは移出輸入、ISWは蔵出輸入(記載要領)
- ECRは輸出貨物情報登録、EDAは輸出申告事項登録、EDCは輸出申告
- OLTは保税運送申告(一般)呼出し、CCISは通関情報提供システム
- 意味は記載要領とNACCSセンターの資料で確かめる





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