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海外通販の荷物に「輸入マニフェスト通関申告控え」という紙が入っていて、何のことか分からず調べている方もいるはずです。
結論から言うと、マニフェスト通関は、課税価格1万円以下で免税になる小口の航空貨物などを、積荷の一覧を添えてまとめて申告する仕組みです。
この記事では、1件ずつの申告との違いと、マニフェスト通関が使えない貨物をお話しします。
マニフェスト通関とは?まとめて申告する仕組み
マニフェスト通関は、航空貨物の混載業者が扱う貨物のうち、条件をすべて満たすものを「輸入(納税)申告書(マニフェスト通関用)」にマニフェストを添えて申告できる扱いです。主な条件は、課税価格1万円以下の無条件免税が使えることです。
マニフェストは、運ぶ荷物の一覧のことで、積荷目録とも呼ばれます。
国際宅配便などで運ばれる小口の荷物は、1つ1つは小さくても数がとても多いですよね。
それを1件ずつ申告書にしていたら、手続が追いつきません。
そこで、条件を満たす荷物については、一覧を添えてまとめて申告できるようにしているんです!
税関の案内はカスタムスアンサー1005で読めます。根拠は関税法基本通達67-4-6、67-4-7です。
混載貨物とHAWBの関係
マニフェスト通関の対象は、航空貨物の混載業者が扱う貨物で、HAWBに基づく貨物です。
混載とは、たくさんの荷主の荷物をまとめて1つの貨物として飛行機で運ぶ形のことです。
その中の1件1件の荷物ごとに、混載業者が発行する運送状がHAWBです。
NACCSの業務一覧には「HAWB情報登録(HCH)」という業務名もあります(第7次NACCSオンライン対象業務一覧)。混載の荷物1件ごとの情報を扱う場面で出てくる言葉です。
輸入のマニフェスト通関の流れ
受け取る側からは見えにくいですが、流れはおおむね次のとおりです。
- 混載業者が、飛行機で運ぶ荷物をHAWBごとに受け付ける
- 荷物の中から、4つの条件をすべて満たすものを選び分ける
- 条件を満たす荷物は、マニフェスト通関用の申告書に一覧を添えて申告する
- 条件から外れた荷物は、1件ずつの申告に回す
- 輸入の許可が出た荷物から、受取人へ配達される
受取人にとっては、条件に合う荷物ほど手続が早く進みやすい、ということなんです。
1件ずつの申告とマニフェスト通関はどう違う?
『普通の輸入申告と、何がそんなに違うの?』と思いますよね。
通関ドットコム編集部で、対象・税の扱い・使えない貨物の3点で並べた表を作りました。
| 比べる点 | 1件ずつの輸入申告 | マニフェスト通関 |
|---|---|---|
| 対象 | すべての輸入貨物 | 航空貨物の混載業者が扱う、HAWBに基づく貨物 |
| 金額の条件 | なし | 運送状ごとに課税価格1万円以下の無条件免税が使える |
| 税の扱い | 関税・消費税などを計算して納める | 関税と消費税が免税になる貨物が対象 |
| 申告書 | 輸入(納税)申告書 | 輸入(納税)申告書(マニフェスト通関用)にマニフェストを添付 |
| 使えない貨物 | 特になし | 酒税などがかかる物、他の法律の許可が要る物など |
マニフェスト通関は「免税になる小さな荷物をまとめて片付ける」ための扱いなんです!
税金がかかる荷物は、基本的にこの扱いの外になります。

少額の荷物向けのほかの扱い
少額の荷物向けの簡単な申告は、マニフェスト通関だけではありません。
| 扱いの名前 | 対象の目安 |
|---|---|
| 少額貨物簡易通関扱い | 申告書の品名欄の各欄の課税価格が20万円以下 |
| Air-Waybill等による輸入申告 | 品目ごとの課税価格が20万円以下 |
| 海上小口貨物に係る簡易通関 | 海上の通販貨物で、課税価格1万円以下の免税対象など |
個人輸入の税金の全体像は個人輸入の簡易通関とは?でまとめています。
マニフェスト通関が使えない貨物は?
実際に通関の仕事をしている方からも、「どんな貨物がマニフェスト申告できないのか」という質問はよく出ます。
答えは、税関の示す4つの条件のどれかを満たさない貨物です。
- HAWBに基づく貨物で、1つの混載貨物運送状ごとに課税価格1万円以下の無条件免税が使える
- 消費税以外の内国消費税(酒税・たばこ税など)がかからない
- 関税法第70条の、他の法律による許可や確認が要らない
- 関税法第71条に当たる表示がされていない
この条件を裏返すと、使えない貨物の例が見えてきます。
| 使えない貨物の例 | 外れる条件 |
|---|---|
| 課税価格が1万円を超える荷物 | 1万円以下の無条件免税が使えない |
| 革製のカバンや編物製の衣類など | 1万円以下でも免税にならない品目 |
| お酒やたばこ | 酒税やたばこ税がかかる |
| 販売用の食品、化粧品など | 他の法律の手続が要る |
免税にならない品目は、カスタムスアンサー1006で確かめられます。
「少額だからマニフェスト通関になるはず」と思いがちですが、金額だけでは決まりません。品目によっては1万円以下でも1件ずつの申告に回ります。
条件から外れたらどうなる?
条件から外れた荷物は、マニフェストでまとめず、1件ずつ申告することになります。
課税価格の合計額が20万円以下なら、簡易税率が使われることもあります(カスタムスアンサー1001)。
- まとめて申告されるので手続が進みやすい
- 関税と消費税が免税の貨物が対象
- 受取人がすることはほとんどない
- 1件ずつの申告に回る
- 税金がかかることがある
- 品名や価格の確認を求められることがある
追跡に「一般通関」などと出るのは、こうした切り替えが起きた時だと考えられます。
詳しい表示の意味は、配送している事業者に確かめてみてください。
受け取る側にできること
マニフェスト通関に乗るかどうかは、受取人が選べるものではありません。
ただ、手続がスムーズに進むように、買う時に気をつけられることはあります。
- 注文の画面で、品名が具体的に表示されるか確かめる
- 支払った額が分かる画面や控えを残しておく
- お酒や化粧品など、別の手続が要る品目かどうかを先に調べる
- 受取人の名前と住所、電話番号を正しく入れる
輸入と輸出のマニフェスト通関|NACCSの業務名
マニフェスト通関は、通関の電子申告システムであるNACCSでも業務として用意されています。
| 業務コード | NACCSの業務名 |
|---|---|
| MIC | 輸入マニフェスト通関申告 |
| MEC | 輸出マニフェスト通関申告 |
| IDA / IDC | 輸入申告事項登録 / 輸入申告 |
| EDA / EDC | 輸出申告事項登録 / 輸出申告 |
出典は第7次NACCSオンライン対象業務一覧です。
輸入のマニフェスト通関については、この記事で紹介した税関の案内で条件を確かめられます。
一方、輸出のマニフェスト通関は、NACCSに業務名があることまでを確認しています。
輸出で使えるかどうかや条件は、税関の案内か通関業者に確かめてみてください。
NACCSの仕組みはNACCSとは?、略語の意味は通関の申告種別コードと略語一覧で詳しく説明しています。

通関の仕事ではどう関わる?
マニフェスト通関は、混載業者や通関業者の現場で使われる扱いです。
通関業者は、通関業務を行う営業所ごとに通関士を置き、通関書類を通関士に審査させて記名させることが通関業法の第13条と第14条で決められています。
条件に合うかの見極めも、こうした専門の知識に支えられているんです。
よくある相談|マニフェスト通関で迷った時
マニフェスト通関については、個人輸入をした方からも、仕事で通関に関わる方からも相談があります。
よくある3つを取り上げます。
相談1:「輸入マニフェスト通関申告控え」が入っていた
『初めて個人輸入をしたら、この紙が入っていた。税金を払うの?』という相談です。
マニフェスト通関は、関税と消費税が免税になる貨物を対象にした扱いです。
そのため、この控えが入っていたからといって、税金の請求が来るとは限りません。
心配な時は、配送した事業者に「この荷物で支払うものはありますか?」と聞いてみてください。
相談2:国際宅配便で輸入しているのに関税がかからない
『海外から国際宅配便で商品を取り寄せているのに、関税がかからない。大丈夫?』という相談もあります。
課税価格の合計額が1万円以下なら、関税と消費税は原則免税です。
ただ、販売用の商品を継続して輸入している場合は、課税価格の考え方や他の法律の手続も含めて、通関業者に一度確かめておくと安心です。
相談3:マニフェスト申告できない貨物はどれ?
仕事で通関に関わる方からの質問です。
答えは先ほどの4つの条件で、外れるものは1件ずつの申告になります。
例えばこんな場面です。
「この荷物、HAWBは1万円以下ですが、中身が化粧品です。マニフェストで行けますか?」
「他の法律の確認が要る品目なので、マニフェストからは外して申告しましょう」
こうして、条件に合うかを1件ずつ確かめていくイメージです。
通関の仕事に興味がある方へ
こうした判断を毎日している仕事に、興味が出てきた方もいるかもしれません。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
マニフェスト通関とは何ですか?
航空貨物の混載業者が扱う、課税価格1万円以下の無条件免税になる貨物などを、マニフェストを添えてまとめて申告する扱いです。酒税がかからない、他の法律の許可が要らないなどの条件もあります。
マニフェスト通関の荷物は税金がかかりませんか?
対象は関税と消費税が免税になる貨物なので、通常は税金がかかりません。ただし条件から外れた荷物は1件ずつの申告になり、税金がかかることがあります。
マニフェスト通関は輸出でも使えますか?
NACCSには輸出マニフェスト通関申告(MEC)という業務があります。輸出での対象や条件は、税関の案内か通関業者に確かめてみてください。
船で届く荷物にもマニフェスト通関はありますか?
マニフェスト通関は航空貨物の扱いです。海上の通販貨物には、海上小口貨物に係る簡易通関という別の扱いがあります。
マニフェスト通関と簡易通関は同じものですか?
同じではありません。マニフェスト通関は少額の荷物向けの簡単な申告の一つで、ほかにも少額貨物簡易通関扱いなどがあります。それぞれ対象の金額や条件が違います。
まとめ
- マニフェスト通関は、混載の航空貨物で課税価格1万円以下の免税になる貨物などをまとめて申告する扱い
- 1件ずつの申告とは、対象・税の扱い・申告書が違う
- 酒税がかかる物や他の法律の許可が要る物は使えない
- NACCSには輸入マニフェスト通関申告と輸出マニフェスト通関申告の業務がある





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