容器通関・リスト通関とは?コンテナ条約による免税の手続

容器通関・リスト通関と呼ばれる、コンテナ条約による免税の手続を扱う記事のアイキャッチ

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通関業者や船会社の仕事で「リスト通関」「容器通関」という言葉を聞いて、2つの違いが分からずに調べている方もいるはずです。

結論から言うと、どちらも税関の資料に出てくる正式な名前ではありません。検索や現場でこう呼ばれているのは、税関の資料では、条約で関税と消費税が免除される免税コンテナーの手続にあたる部分です。

この記事を読むと、容器通関・リスト通関の中身と、コンテナが免税になる場合とならない場合の分かれ目が分かります。

目次

容器通関・リスト通関とは?税関の資料での呼び名

先に結論

「容器通関」「リスト通関」は現場での呼び方です。税関の資料では、コンテナーに関する条約に基づいて輸入の時の関税と消費税を免除する「免税コンテナー」の手続と、そこで出す「積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)」として説明されています。

コンテナは、貨物を運ぶための入れ物、つまり容器です。

その容器としてのコンテナを、条約に沿って扱う手続を「容器通関」と呼ぶことがあります。

そして、その手続でコンテナーリストを出すことから「リスト通関」とも呼ばれている、と考えると分かりやすくなります。

呼び方の注意

容器通関とリスト通関は、どちらも法令や税関の資料にある手続の名前ではありません。職場によって指す範囲が違うこともあるので、迷ったら「どの書類を出す手続のことか」を先輩や取引先に確かめてみてください。

2つの呼び方を並べると

呼び方何に注目した呼び方か税関の資料での説明
容器通関コンテナを「容器」として扱う点免税コンテナーの手続
リスト通関コンテナーリストを出す点積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)の提出
コンテナのリスト通関上の2つをまとめた言い方同じく免税コンテナーの手続

つまり、容器通関とリスト通関は、同じ手続を別の角度から呼んでいることが多いんです。

こんな場面で耳にする言葉です

容器通関やリスト通関という言葉は、だいたい次のような場面で出てきます。

  • 通関業者で、海上コンテナの輸入を担当している時
  • 船会社や運送の事業者で、空のコンテナの出し入れを管理している時
  • 通関士試験の勉強で、コンテナー特例法の範囲を読んでいる時

どの場面でも、話の中心は「入れ物としてのコンテナをどう扱うか」です。

中に詰めた貨物の通関とは別の話なので、そこを分けて聞くと理解しやすくなります。

コンテナを容器として免税にする仕組み

『コンテナも外国から来た物なのに、なぜ税金がかからないの?』と思いますよね。

税関の免税コンテナーに係る税関手続についてでは、次の2つのコンテナーが対象として説明されています。

免税コンテナーの対象になる2つのパターン
  • 貨物を詰めて輸入された後に、再輸出されるコンテナー
  • 空で輸入された後に、貨物を詰めて再輸出されるコンテナー

この2つは、「コンテナーに関する通関条約」と、TIR条約とあわせた特例法に基づいて、輸入の時の関税と消費税が免除されることとされています。

ポイントは「再輸出される」ことです。

日本に入ってきても、いずれ外国へ出ていく入れ物なので、免税で扱われるわけです。

貨物を詰めて輸入されたコンテナーと空で輸入されたコンテナーが、再輸出されることで免税になる仕組みを示した図解

平成24年4月1日からの扱い

同じページでは、平成24年4月1日以降に変わった点も紹介されています。

項目平成24年4月1日以降の扱い
再輸出の期間原則3か月から、原則1年に
空コンテナーの国内での運送経路や回数の制限なし
事前の申請不要

空のコンテナを国内で動かす時の制限がなくなったので、コンテナを使い回しやすくなったんです。

コンテナーリストの出し方と、本船扱いとの兼用

リスト通関と呼ばれる部分の中身を、税関の特例法基本通達から見ていきます。

コンテナーリストを使う手続の流れ(通達の記載から)
  1. 積み卸しするコンテナーを「積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)」(A-1000)にまとめる
  2. コンテナーリストを2通、保税取締部門に出す
  3. 輸入申告については、コンテナーリストの提出をもって申告があったものとみなされる
  4. 本船扱いと兼ねる場合は、標題の下に「本船扱い承認申請書兼用」と書いて出す

通達は税関の特例法基本通達(コンテナー特例法関係)で読めます。

3番目が大事なところです。

コンテナ1本ごとに輸入申告書を作るのではなく、リストを出すことで申告したものとみなされるんです。

本船扱いの承認とも兼ねられる

リストの標題の下に「本船扱い承認申請書兼用」と書くと、税関がリストを受け取ったことで、本船扱いの承認があったものとして扱われます。

本船扱いは、保税地域に入れずに船に積んだ状態で申告する仕組みです。

通常は「本船扱い・ふ中扱い・搬入前申告扱い承認申請書」(C-5250)を2通出して承認を受けるので、リストと兼ねられると手間が1つ減るわけです。

本船扱いの詳しい仕組みは本船通関(本船扱い)とは?で説明しています。

輸出でリスト通関と言われたら

リスト通関という言葉は、輸出の場面で出てくることもあります。

コンテナーリストは、名前のとおり積み卸しするコンテナーの一覧表です。

輸出の場面での具体的な書類や手順は、税関の案内や通関業者に確かめてみてください。

通関の申告で使う略語は通関の申告種別コードと略語一覧にまとめています。

条約の容器として扱うか、通常の輸入かの分かれ目

ここが大事なところです。

コンテナがすべて免税コンテナーの手続で扱われるわけではありません。

通関ドットコム編集部で、税関の案内の条件をもとに分かれ目を表にしました。

コンテナの状況考えられる扱い確かめたいこと
貨物を詰めて輸入され、後で再輸出される免税コンテナーの手続再輸出の期間(原則1年)に収まるか
空で輸入され、貨物を詰めて再輸出される免税コンテナーの手続国内で運送する予定と再輸出の時期
日本で売る、または使い続けて再輸出しない免税の前提から外れる通常の輸入としての扱いを税関に確かめる
再輸出の予定が分からない判断がつかない運送の事業者や通関業者に予定を確かめる
コンテナを条約の容器として扱う場合と、通常の輸入として扱う場合の分かれ目を示した判定図

例えばこんな相談が現場で出てきます。

「このコンテナ、荷を出した後は国内で倉庫として使いたいんですが」

「再輸出しないなら、免税コンテナーの前提から外れます。輸入の扱いを税関に確かめましょう」

コンテナの扱いを判断する前に確かめること
  • そのコンテナが再輸出される予定か
  • 再輸出までの期間が原則1年に収まりそうか
  • 空のまま国内で運送する予定があるか
  • コンテナーリストを誰が作って出すか
よくある思い込み

「コンテナは全部免税」と考えがちですが、免税の前提は再輸出されることです。日本に残すコンテナは扱いが変わるので、使い方が決まった時点で確かめておきましょう。

コンテナ以外の容器の免税

容器の免税は、コンテナだけの話ではありません。

税関の資料では、日本から輸出された貨物の容器の輸入免税(カスタムスアンサー1611)や、関税定率法第17条第1項第2号・第3号の容器の再輸出免税が案内されています。

細かい条件や手順は、税関のカスタムスアンサーや通関業者に確かめてみてください。

試験勉強ではこう整理する

通関士試験の勉強では、似た「一時的に持ち込む物の免税」がいくつも出てきて混乱しやすいですよね。

仕組み主な根拠対象の例
免税コンテナーコンテナーに関する通関条約と特例法再輸出されるコンテナー
容器の再輸出免税関税定率法第17条再輸出される容器
輸出された容器の輸入免税税関の案内(カスタムスアンサー1611)日本から輸出された貨物の容器
ATAカルネATA条約と特例法商品見本、職業用具、展示用物品など

条約によるものと、関税定率法によるものを分けて覚えると、問題文を読んだ時に迷いにくくなります。

一時的に持ち込む物の免税には、展示会のサンプルなどで使うATAカルネという条約の仕組みもあります(ATAカルネの通関)。

よくある相談|容器通関・リスト通関で迷った時

この2つの言葉は、通関業者に勤めている方や、通関士試験の勉強をしている方から質問が多く見られます。

よくある3つを取り上げます。

相談1:リスト通関と容器通関の違いは?「通関を切る」とは?

『同じものなの?別のものなの?』という相談です。

この記事で見たとおり、どちらも免税コンテナーの手続を、リストを出す点と容器として扱う点から呼んだ言い方と考えられます。

例えば職場ではこんな使われ方をします。

「このコンテナ、リストで通関切っておいてください」

「分かりました。コンテナーリストを2通用意して出しておきます」

「通関を切る」は、現場で「申告して許可を受けるまでの手続を進める」という意味で使われることが多い言い方です。

相談2:通関士試験のテキストで容器の免税がよく分からない

『容器の免税の条文が、どれに当たるのか混乱する』という相談もあります。

まずは、コンテナの免税(条約と特例法)と、関税定率法の容器の免税を分けてノートにまとめてみてください。

コンテナー通関条約の実施に伴う特例法は、通関士試験の出題範囲の「その他関税に関する法律」に含まれています。

同じ範囲には、ATA条約の実施に伴う特例法も入っています。

この記事の「試験勉強ではこう整理する」の表を、自分のノートに写して条文の番号を書き足していくと、知識がつながりやすくなりますよ。

相談3:容器を再輸出免税で輸入する時、担保が要ると聞いた

担保が要るかどうかや、その額の決まり方は、この記事で確かめた資料には書かれていません。

再輸出免税を使う予定があれば、輸入の前に税関や通関業者に確かめておきましょう。

確かめる時は、容器の品名と数量、再輸出する予定の時期をメモにまとめて伝えると、話が早く進みます。

分からないまま進めて後で手続が足りないと分かるより、先に一度聞いておくほうが安心です。

通関の仕事に興味がある方へ

容器やコンテナの免税は、条約・特例法・関税定率法がからむ、通関の専門知識が生きる分野です。

通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。

どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。

通関ドットコム

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実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

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よくある質問

容器通関とは何ですか?

税関の資料にある正式な名前ではなく、コンテナを容器として条約に沿って扱う、免税コンテナーの手続を指して使われる呼び方です。

リスト通関とは何ですか?

免税コンテナーの手続で積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)を出すことから、こう呼ばれていると考えられます。輸入申告については、リストの提出をもって申告があったものとみなされます。

容器通関とリスト通関は同じものですか?

同じ手続を、容器として扱う点とリストを出す点から呼び分けていることが多い言葉です。職場によって指す範囲が違うこともあるので、確かめてみてください。

コンテナーリストはどこに出しますか?

特例法基本通達では、積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)を2通、保税取締部門に出すとされています。本船扱いと兼ねる場合は、標題の下に「本船扱い承認申請書兼用」と書きます。

免税コンテナーの再輸出の期間はどれくらいですか?

税関の案内では、平成24年4月1日以降は原則1年とされています。

まとめ

この記事の要点
  • 容器通関・リスト通関は現場の呼び方で、税関の資料では免税コンテナーの手続にあたる
  • 再輸出されるコンテナーは、条約と特例法で関税と消費税が免除される
  • コンテナーリストの提出で、輸入申告があったものとみなされる
  • 再輸出しないコンテナは免税の前提から外れるので、扱いを確かめる
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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