コンテナ通関の流れ|中の貨物とコンテナ自体の扱いの違い

コンテナ通関の流れと、中の貨物とコンテナ自体の扱いの違いを扱う記事のアイキャッチ

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海外からコンテナで商品を輸入することになって、コンテナ通関で何をすればいいのか調べている方も多いですよね。

結論から言うと、コンテナ通関は「中の貨物の通関」と「コンテナそのものの扱い」の2つに分けて考えると分かりやすくなります。中の貨物は普通の輸入と同じように申告し、コンテナ自体は条約で免税になる仕組みがあるんです。

この記事を読むと、コンテナでの輸入の通関の流れと、コンテナ自体がどう扱われるかが分かります。

目次

コンテナ通関とは?2つの層に分けて考える

先に結論

コンテナ通関という言葉には、2つの話が混ざっています。1つは、コンテナに詰めた貨物の輸出入の通関です。もう1つは、コンテナという「入れ物」そのものを日本に出し入れする時の扱いです。

『コンテナごと税関に申告するんじゃないの?』と思う方もいるはずです。

実は、中の貨物とコンテナ自体では、手続の考え方が違います。

通関ドットコム編集部で、2つの層を並べてみました。

比べる点中の貨物の通関コンテナそのものの扱い
対象コンテナに詰めた商品や原料貨物を運ぶ入れ物としてのコンテナ
主に関わる人輸入者・輸出者、通関業者コンテナを使う運送の事業者など
税金品目に応じて関税・消費税などがかかる再輸出されるコンテナは条約で関税・消費税が免除される
手続の根拠関税法の輸出入の申告コンテナーに関する通関条約と特例法
コンテナ通関を、中の貨物の通関とコンテナそのものの扱いの2層に分けて示した図解

荷主として気にするのは、ほとんどの場合「中の貨物の通関」のほうです。

中の貨物の通関|コンテナ輸入の通関の流れ

コンテナで届いた貨物も、輸入の手続の基本は一般の貨物と同じです。

外国貨物は、輸入の手続が終わるまで保税地域に入れられます(カスタムスアンサー1102)。

コンテナ輸入の通関の流れ
  1. コンテナが船から降ろされ、コンテナヤードなどの保税地域に置かれる
  2. 運送会社などから到着通知が届く
  3. 仕入書やB/Lなどをそろえて、輸入申告をする
  4. 書類の審査や必要な検査を受け、関税や消費税を納める
  5. 輸入の許可を受けて、コンテナや貨物を引き取る

コンテナのままヤードで通関するか、倉庫で取り出してから通関するかは、貨物の量や作業によって変わります。

ヤードでの通関の流れはCY・CFSとは?コンテナヤードで行う通関の流れで詳しく見ています。

一般の輸入の手順は輸入通関の流れにまとめています。

コンテナでの輸入で用意する書類

書類は、コンテナかどうかに関係なく、輸入申告に必要なものをそろえます(カスタムスアンサー1107)。

コンテナ輸入で確かめておきたい書類
  • 仕入書(インボイス)の品名・数量・価格が中身と合っているか
  • 包装明細書(パッキングリスト)で、どの箱に何が入っているか分かるか
  • 船荷証券(B/L)または海上運送状が手元にあるか
  • 運賃明細書や保険料明細書があるか
  • 食品などは、他の法律の手続が済んでいるか

コンテナの運賃は税金の計算に入る?

『コンテナの運賃は、関税の計算に関係あるの?』という疑問もよく聞きます。

関税の課税価格は、実際に支払う価格に、含まれていない運賃などを加えて計算するのが原則です(カスタムスアンサー1403)。

加える費用の1つ目に、輸入港に着くまでの運送の運賃や保険料などが挙げられています。

つまり、コンテナで運ぶ費用も、輸入港までの分は課税価格の計算に関わってくるんです。

検査が入った時の費用

税関の検査が必要になると、コンテナを検査の場所へ動かしたり、開けて中を確かめたりします。

税関長が指定した場所での検査なら、税関へ納める手数料などはかかりません(カスタムスアンサー1112)。

ただ、運送や開梱、詰め直しの費用は輸入者などの負担になります。

よくある失敗

パッキングリストの中身とコンテナの中の並びが合っていないと、検査の時に確認に手間取ることがあります。どの箱に何を入れたかを、出荷する側と細かく共有しておきましょう。

コンテナそのものの扱い|免税コンテナーの手続

次は、入れ物としてのコンテナの話です。

コンテナも外国から来た物なので、本来なら輸入の扱いが気になりますよね。

免税コンテナーの考え方

税関の案内では、貨物を詰めて輸入された後に再輸出されるコンテナーや、空で輸入された後に貨物を詰めて再輸出されるコンテナーは、条約と特例法に基づいて、輸入の時の関税と消費税が免除されることとされています。

案内は税関の免税コンテナーに係る税関手続についてで読めます。

根拠は「コンテナーに関する通関条約」と、TIR条約とあわせた特例法です。

平成24年4月1日からの変更点

このページでは、平成24年4月1日以降の扱いも紹介されています。

項目内容
再輸出の期間原則3か月から、原則1年に延びた
空コンテナーの国内での運送経路や回数の制限がなくなった
事前の申請不要になった
再輸出されるコンテナーが条約と特例法で免税になる手続の流れを示した図解

コンテナーリストの提出

コンテナ自体の手続では、「積卸コンテナー一覧表(コンテナーリスト)」という書類が使われます。

特例法の基本通達では、コンテナーリスト(A-1000)を2通、保税取締部門に出すとされています。

さらに、輸入申告については、コンテナーリストの提出をもって申告があったものとみなす、と書かれています。

呼び方の補足

「リスト通関」「容器通関」という呼び方を見かけることがありますが、税関の資料での正式な名前ではありません。検索でこう呼ばれているのは、このコンテナーリストを出す免税コンテナーの手続にあたる部分です。詳しくは容器通関・リスト通関とは?で説明しています。

本船扱いとの兼用

コンテナーリストには、もう1つの使い方があります。

リストの標題の下に「本船扱い承認申請書兼用」と書いて出すと、税関がリストを受け取ったことで、本船扱いの承認があったものとして取り扱われます。

本船扱いは、保税地域に入れずに船の上の状態で申告する仕組みです。

詳しくは本船通関(本船扱い)とは?で説明しています。

2つの層を並べて見る、誰が何をするかの表

ここが大事なところです。

コンテナで輸入する時は、2つの手続が同時に動いています。

場面中の貨物の通関コンテナそのものの扱い
書類輸入申告書、仕入書、B/Lなどコンテナーリスト
出す先貨物を置く保税地域を管轄する税関保税取締部門
税金品目に応じて納める再輸出されるコンテナーは関税・消費税が免除
荷主の関わり輸入者として申告する(通関業者に頼むこともできる)普段は意識することが少ない
コンテナで輸入する前に確かめておきたいこと
  • 中の貨物の輸入申告を、自社でするか通関業者に頼むか決める
  • 仕入書とパッキングリストの中身が、詰めた貨物と合っているか確かめる
  • 輸入港までの運賃や保険料が分かる書類を手元に置く
  • 中身に、食品など別の法律の手続が要る物がないか調べる
  • コンテナを返す先や期限を、運送の事業者に確かめる

例えばこんな場面です。

「コンテナの分の関税も払うんですか?」

「中の商品の関税はかかりますが、再輸出されるコンテナ自体は免税の手続で扱われますよ」

荷主にとっては、中の貨物の通関に集中すればよい、ということなんです。

ただ、コンテナを返す期限や、空のコンテナをどこへ戻すかは、運送の段取りに関わります。

通関が長引くとコンテナを返すのも遅れるので、書類は早めにそろえておきましょう。

よくある相談|コンテナ通関で迷った時

コンテナでの輸入は、初めての方にとって分からないことが多いですよね。

よくある3つを取り上げます。

相談1:個人でもコンテナで輸入できる?

『海外からコンテナで荷物を送りたいけど、個人でもできるの?』という相談です。

輸入申告は、貨物を輸入しようとする人が行うことになっていて、通関業者に代理を頼むこともできます(カスタムスアンサー1101)。

ただ、コンテナの手配や港での作業も絡むので、初めてなら運送を手配する事業者や通関業者にまとめて相談するのが現実的です。

例えばこんな聞き方をすると、話が早く進みます。

「品物は家具で、コンテナ1本分です。港に着いてから家に届くまで、どこまでお願いできますか?」

通関だけを頼むのか、港からの配送まで頼むのかで、準備することが変わってきます。

相談2:家族の会社で初めてコンテナ輸入をする

『何から準備すればいいか分からない』という相談もよくあります。

まずは、この記事のチェックリストにある書類をそろえるところから始めてみてください。

中身が食品なら、検疫所への届出など、別の法律の手続も要ります。

販売する食品を輸入する場合は、検疫所に食品等輸入届出書を出し、届出済の印などが押されたものを税関に出す流れです(カスタムスアンサー1802)。

扱う品目が決まったら、どの手続が要るかを最初に確かめておきましょう。

相談3:通関の後、倉庫で自社のトラックに積み替えられる?

輸入の許可を受けた貨物は、内国貨物として国内に引き取れます。

引き取り方や積み替えの段取りは、倉庫や運送の事業者と事前に打ち合わせておきましょう。

通関の仕事に興味がある方へ

コンテナの扱いは、関税法だけでなく、コンテナーに関する条約の特例法も関わる分野です。

実は、こうした特例法は通関士試験の出題範囲にも含まれています。

通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。

どんな資格かは通関士とは?仕事内容と国家資格としての役割で紹介しています。

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よくある質問

コンテナ通関とは何ですか?

コンテナに詰めた貨物の輸出入の通関と、コンテナそのものの扱いの2つを含んだ言葉として使われます。荷主が行うのは、主に中の貨物の通関です。

コンテナ自体に関税はかかりますか?

貨物を詰めて輸入された後に再輸出されるコンテナーなどは、条約と特例法に基づいて、輸入の時の関税と消費税が免除されることとされています。

コンテナでの輸入の通関の流れは一般の輸入と違いますか?

基本は同じです。保税地域に置かれた後に輸入申告をして、審査や検査を受け、税金を納めて許可を受けます。

コンテナで輸入する時、通関業者に頼まないといけませんか?

輸入申告は輸入しようとする人が自分で行うこともでき、通関業者に代理を頼むこともできます。コンテナの手配や港での作業も絡むので、初めての時は通関業者に相談すると進めやすくなります。

免税コンテナーはいつまでに再輸出しますか?

税関の案内では、平成24年4月1日以降、再輸出の期間は原則1年とされています。

まとめ

この記事の要点
  • コンテナ通関は、中の貨物の通関とコンテナそのものの扱いに分けて考える
  • 中の貨物は、一般の輸入と同じ流れで申告し、税金を納める
  • 再輸出されるコンテナーは、条約と特例法で関税と消費税が免除される
  • コンテナ自体の手続にはコンテナーリストが使われる
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通関ドットコム 編集部

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