通関士試験の内容|3科目の出題形式と配点

通関士試験の内容を3科目の出題形式と配点で紹介する記事のアイキャッチ

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『通関士試験の内容って、どんな問題が何問出るんだろう』と、勉強を始める前に全体をつかみたい方も多いはずです。

結論から言うと、通関士試験は「通関業法」「関税法等」「通関実務」の3科目で、すべてマークシート方式です。満点は3科目で150点になります。

この記事では、第60回(令和8年)の受験案内をもとに、科目ごとの出題形式と配点、点を取りに行く場所の考え方まで見ていきます。

目次

通関士試験の内容は?3科目の全体像

先に結論

通関士試験は、通関業法(45点)・関税法等(60点)・通関実務(45点)の3科目を1日で受けます。合格には、3科目すべてで合格基準を満たす必要があります。

まずは、3科目を1枚の表で見てみましょう。

科目試験時間(第60回)満点電卓
通関業法9:30から10:20(50分)45点使えない
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法11:00から12:40(100分)60点使えない
通関書類の作成要領その他通関手続の実務13:50から15:30(100分)45点使える

出典は税関の第60回通関士試験の受験案内PDFです。

2番目の科目は名前がとても長いので、この記事では「関税法等」、3番目を「通関実務」と呼びますね。

3科目とも合格基準を満たす必要がある

通関士試験は、3科目の合計点で決まる試験ではありません。

科目ごとに合格基準があって、1科目でも届かなければ不合格になります。

『得意な科目で稼いで、苦手な科目をカバーしよう』という作戦が使えないんです。

合格基準は発表の時に公表

合格基準は事前には公表されず、合格発表の時に公表されます。第59回は3科目とも満点の60%以上でした。第58回は通関業法と通関実務が60%以上、関税法等が55%以上です。

出題範囲は「7月1日現在の法令」

第60回の出題範囲は、令和8年7月1日現在で施行されている法律・政令・省令・告示・通達です。

法律だけでなく、通達まで範囲に入っているのがポイントです。

試験の年によって基準日が変わるので、受ける年の受験案内で確かめてください。

試験の内容は毎年同じ?

科目の数と出題形式の組み合わせは、受験案内で毎年示されます。この記事の配点や問題数は、第60回(令和8年)の受験案内の内容です。

次の年に受ける方は、受験案内が出たら配点の表をもう一度見比べてみてください。問題数や配点が変わっていれば、勉強の優先順位も少し変える必要が出てきます。

科目ごとの出題範囲と形式

ここからは、科目ごとに中身を見ていきます。

出題形式は「選択式」「択一式」「計算式」の3つがあります。

形式どんな問題か
選択式空欄に当てはまる語句を選ぶ形式、または五肢から正しいもの(誤っているもの)を複数選ぶ形式
択一式選択肢から1つを選ぶ形式
計算式税額や価格などを計算して答える形式(通関実務だけ)

選択式は「複数選ぶ」タイプがあるので、1つの知識があいまいだと点を落としやすいんです。

通関業法(45点・50分)

通関業法は、通関業の許可や通関業者・通関士のルールを定めた法律です。

形式問題数配点
選択式13問41点
択一式4問4点
合計17問45点

時間は50分と、3科目でいちばん短い科目です。

通関業法は、通関業者と通関士のルールが中心です。輸出入の手続そのものより、仕事をする人の決まりを学ぶ科目だと考えると入りやすくなります。

通関業法の勉強の入り口
  • 通関業の許可、通関業者の義務、通関士のルールの順に条文を読む
  • 選択式の空欄になりやすい語句に線を引いておく
  • 過去問の選択式を解き、間違えた語句を条文で確かめる

認定通関業者に関わる出題も含まれます。勉強の進め方は通関業法の勉強法|出題範囲と得点を安定させるコツで詳しく紹介しています。

関税法等(60点・100分)

関税法等は、3科目でいちばん配点が大きく、範囲も広い科目です。

形式問題数配点
選択式17問49点
択一式11問11点
合計28問60点

科目名にある「その他関税に関する法律」には、次の法律が入ります。

  • 関税暫定措置法
  • 日米地位協定の実施に伴う関税法等の臨時特例法
  • コンテナー通関条約・TIR条約の実施に伴う特例法
  • ATA条約の実施に伴う特例法
  • 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(NACCS法)

外国為替及び外国貿易法(外為法)は、同法第6章に関わる部分だけが範囲です。

条約は範囲外

通関業法と関税法等の2科目では、TIR条約や経済連携協定などの条約そのものは出題範囲外です。上の特例法は、条約を国内で実施するための法律として範囲に入っています。

『こんなに法律があるの?』と驚いた方もいるかもしれませんね。

ただ、中心になるのは関税法と関税定率法です。まずはこの2つで、輸出入の手続と税率の決まり方の骨組みを作ってから、ほかの法律を足していくと覚えやすくなります。

範囲を絞る順番は関税法等の勉強法|範囲の広い科目を絞り込む順番で紹介しています。

通関実務(45点・100分)

通関実務は、通関書類の作成と、実務の知識・計算を問う科目です。電卓が使えるのはこの科目だけです。

区分形式問題数配点
通関書類の作成要領NACCSを使って行う輸出申告と輸入申告を各1問2問20点
その他通関手続の実務選択式5問10点
その他通関手続の実務択一式3問3点
その他通関手続の実務計算式6問12点
合計16問45点

申告書の問題が2問で20点と、1問の重みがとても大きいんです。

通関士試験の3科目を、時間・出題形式・配点・電卓の可否で並べた図解

通関実務は、関税法等で学ぶ知識を使って解く問題が多い科目です。

『実務だけ先に勉強できないかな』と考える方もいますが、課税価格や税額の計算は、関税法等の知識があるほど理解が早くなります。2科目を並行して進めるのも一つのやり方です。

申告書と計算問題の解き方は、通関実務の勉強法|申告書問題と計算問題の解き方で手順を見ています。

どこで点を取りに行く?配点から考える表

ここが大事なところです。

通関士試験の配点から、科目ごとに点を積み上げる場所を示した図解

試験の内容が分かったら、次は「どこで点を積み上げるか」を考えておくと勉強の優先順位がはっきりします。

通関ドットコム編集部で、第59回の合格基準(3科目とも満点の60%以上)を当てはめた場合の目安を表にしました。

科目満点60%に当たる点数配点が大きい形式考え方
通関業法45点27点選択式(41点)ほぼ選択式で決まる。条文の言葉を正確に覚える
関税法等60点36点選択式(49点)範囲が広いので、よく出る手続から固める
通関実務45点27点申告書(20点)と計算式(12点)申告書と計算で合わせて32点。ここを落とさない

合格基準は回によって変わるので、表の点数はあくまで「第59回の基準ならこのくらい」という目安です。

『全部の範囲を完璧にしないと受からない』と思うと、勉強が進まなくなりますよね!

実際には、配点の大きい形式で確実に点を取ることが、合格への近道になります。

配点から決める勉強の優先順位
  • 通関業法と関税法等は、選択式の語句を条文どおりに覚える
  • 通関実務は、申告書の問題を毎週1問は解く
  • 計算式は6問あるので、時間を計って解く練習をする
  • 択一式は配点が小さい分、深追いしすぎない

合格基準が下がった回もある

第58回は、関税法等の合格基準が満点の55%以上でした。60点満点なので、33点に当たります。

『じゃあ基準が下がるのを期待しよう』と考えたくなりますが、基準は合格発表まで分かりません。

勉強の目標は、どの科目も60%を少し上回るくらいに置いておくと安心です。

1問の重みを比べてみる

配点を問題数で割ってみると、1問の重みの差がよく分かります。

形式1問あたりの点数
通関実務の申告書10点
通関実務の選択式2点
通関実務の計算式2点
各科目の択一式1点

申告書の1問は、択一式の10問分に当たります。

申告書問題を後回しにしてしまうと、通関実務の合格基準に届きにくくなるんです。

よくある失敗

法律の2科目の暗記に時間を使いすぎて、通関実務の申告書と計算の練習が試験直前になってしまうケースです。実務は練習量がそのまま点数に出やすいので、早めに手をつけておきましょう。

試験内容をつかむには過去問から

試験の内容を本当につかむには、実際の問題を見てみるのがいちばんです。

税関ホームページでは、各回のページから試験問題を確認できます。合格発表のあとには、各科目の配点と正答も公表されます(第59回の試験のページ)。

過去問で試験内容をつかむ手順
  1. 税関ホームページで直近の回の試験問題を開く
  2. 3科目それぞれ、最初の数問だけ読んで形式を見る
  3. 通関実務の申告書問題を1問、時間を気にせず解いてみる
  4. 正答と配点のPDFで答え合わせをする
  5. 分からなかった言葉をノートに書き出し、勉強の入り口にする

いきなり全部を解く必要はありません。『どんな問題が出るのか』を目で見ておくだけで、テキストを読む時の集中の仕方が変わってきます。

年度ごとの過去問の使い方は、通関士試験の過去問の使い方|年度ごとの問題と正答の確認方法で詳しく紹介しています。

3科目をどの順番で勉強する?

試験の内容が分かると、次に迷うのが勉強の順番ですよね。

よく取られる進め方を、編集部で3つに分けてみました。

進め方順番の例向いている人
土台から積む関税法等から始め、通関実務、通関業法へ法律の勉強が初めての人
並行して進める関税法等と通関実務を同じ時期に進め、最後に通関業法計算問題に早く慣れたい人
短い科目で慣れる通関業法から始め、関税法等、通関実務へまず1科目を終えて手応えを得たい人

どれが正解というものではありません。大事なのは、通関実務の申告書と計算の練習時間を試験前に十分残しておくことです。

3科目の順番の考え方は通関士の勉強法|3科目をどの順番で進めるかでも紹介しています。

試験当日の時間配分を考える

内容と配点が分かったら、時間の使い方もイメージしておきましょう。

科目時間問題数時間配分の考え方
通関業法50分17問短い時間で17問。迷った問題は印をつけて先に進む
関税法等100分28問問題数が多い。見直しの時間を10分ほど残す
通関実務100分16問申告書2問と計算6問に時間がかかる。解く順番を決めておく

通関実務は問題数が少なく見えますが、申告書と計算に時間を取られます。

『時間が足りなかった』という声が出やすいのも、この科目なんです。

過去問を解く時は、本番と同じ100分を計って通しで解いておくと、自分なりの順番が見えてきます。

1日3科目の体力配分

試験は午前9時の集合から午後3時30分まで続きます。昼休みは12時40分から13時50分までです。

いちばん配点の重い申告書が出る通関実務は、最後の科目なんです。

午前の2科目で疲れ切ってしまうと、午後の計算でミスが出やすくなります。

当日の過ごし方のヒント

過去問を解く練習の時も、一度は本番と同じ時間割で3科目を通して解いてみてください!午後にどのくらい集中力が残るかを知っておくと、休み時間の使い方を決めやすくなります。

通関実務で使える電卓

電卓は、計算機能だけのものが使えます。印刷・音(消音できるものは可)・電子手帳の機能があるものや、関数電卓は使えません。

貸し出しはないので、自分で用意しておく必要があります。

使える電卓の例は通関士試験の電卓と持ち物で詳しく紹介しています。

当日までに確かめておくこと
  • 使う電卓が受験案内の条件に合っているか
  • 時計を持って行くか(試験場に時計がないことがある)
  • 試験開始後30分と終了前10分は退出できないこと

独学で進めるか、講座を使うか

3科目の中身を見て『通関実務の申告書は、独学でできるかな』と不安になった方もいるかもしれません。

独学で合格を目指す人もたくさんいます。市販の問題集と税関ホームページの過去問を使い、自分で計画を立てて進められる人には向いているやり方です。

一方で、次のような場面では講座が役に立ちます。

独学が向いている場面
  • 法律の文章を読むのに慣れている
  • 自分で計画を立てて守れる
  • 分からない所を自分で調べて解決できる
講座が助けになる場面
  • 申告書や計算問題の解き方の解説がほしい
  • 法改正の情報を追うのが大変
  • 勉強時間が限られていて効率よく進めたい

どちらにするか迷ったら、通関士は独学で合格できる?で両方の進め方を比べてみてください。

勉強の進め方に迷ったら、講座の資料を取り寄せて、3科目への対応や申告書問題の解説があるかを比べてみるのも一つの方法です。

講座の資料で見ておきたいところ

資料を取り寄せたら、試験内容と照らし合わせて次の点を見比べてみてください。

試験内容から見た講座のチェック
  • 3科目すべてに対応したカリキュラムになっているか
  • 通関実務の申告書問題と計算問題の解説が十分にあるか
  • 分からない所を質問できる仕組みがあるか
  • 出題範囲の基準日に合わせて、法改正の情報を届けてくれるか
  • 受講期間が10月上旬の試験日に間に合うか

同じ物差しで2〜3講座を並べると、自分に合うものが選びやすくなります。

講座を選ぶ時の物差しは、通関士の講座・スクールの選び方にまとめています。

通関ドットコム

通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか

実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通関士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある相談:試験内容について多い質問

Yahoo!知恵袋で読まれている相談の中から、試験内容に関わるものを要約して答えます。

関税率表の所属の決定はどう勉強する?

『関税率表の所属の決定(品目の分類)がどうしても苦手。どう勉強すればいい?』という相談がよく読まれています。

申告書の問題を解く中で、品目の分類に悩む人は多いようです。

まずは過去問の申告書問題を1問選び、解説を見ながら「なぜこの分類になるか」を自分の言葉でノートに書いてみてください。

同じ型の品目を何問か続けて解くと、判断の手がかりが少しずつ見えてきます。

試験内容と仕事の内容はつながっている?

『通関士の試験内容と、実際の仕事の内容はどのくらい関係があるの?』という質問もあります。

通関実務の科目では、NACCSを使って行う輸出申告と輸入申告の書類作成が出題されます。

通関士は、通関業者が作った申告書の内容を審査して記名する役割を持っています(通関業法第14条)。試験で問われる中身は、仕事の中身とつながっているんです。

仕事の流れは通関士の仕事内容|1日の流れと通関業者での役割で紹介しています。

合格率は毎年15%くらい?

『毎年合格率が15%くらいらしいけど、試験内容は難しいの?』という相談もありました。

財務省(税関)の公表値では、合格率は年によってかなり動いています。

回(年)受験者数合格者数合格率
第57回(令和5年)6,332人1,534人24.2%
第58回(令和6年)6,135人759人12.4%
第59回(令和7年)6,322人954人15.1%

出典は税関の第59回通関士試験の結果についてと受験案内です。

「15%くらい」とよく言われますが、第57回は24.2%、第58回は12.4%と、年ごとの差は小さくありません。

難しく感じる理由の一つは、3科目すべてで合格基準を満たす必要があることです。1科目でも基準に届かなければ不合格なので、苦手な科目を作らない勉強が求められます。

『自分は何が苦手か』を早めに知るためにも、過去問を一度解いて、科目ごとの得点を出してみてください。詳しくは通関士試験は難しい?合格率の推移と難しく感じる理由で見ています。

よくある質問

通関士試験の内容は何科目ですか?

通関業法、関税法等、通関実務の3科目です。すべてマークシート方式で、同じ日に受けます。

記述式の問題はありますか?

第60回の受験案内では、各科目とも筆記のマークシート方式です。通関実務の申告書の問題もマークシートで答えます。

電卓はどの科目で使えますか?

通関実務の時間だけ使えます。計算機能だけの電卓で、関数電卓や印刷機能のあるものは使えません。

3科目の満点はそれぞれ何点ですか?

第60回では、通関業法が45点、関税法等が60点、通関実務が45点で、合計150点です。

過去の試験問題はどこで見られますか?

税関ホームページの各回のページで試験問題を確認できます。正答と配点も合格発表後に公表されます。使い方は通関士試験の過去問の使い方で紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  • 通関士試験は通関業法・関税法等・通関実務の3科目で、満点は150点
  • 出題形式は選択式・択一式・計算式で、すべてマークシート方式
  • 3科目すべてで合格基準を満たす必要がある
  • 通関実務は申告書2問で20点と配点が大きく、電卓が使える
  • 配点の大きい形式から勉強の優先順位を決める
通関ドットコム

通関ドットコム 編集部

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