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初めて輸入をしたら、請求書に知らない項目がずらっと並んでいて戸惑った。そんな経験をした方も多いはずです。
結論から言うと、通関費用は「税関に納める税」「通関業者への料金」「物流の実費」の3つに分けると一気に読みやすくなります。
この記事では、請求書や見積もりの項目をこの3つに仕分けながら、輸入と輸出で何が違うのか、どこを確かめればよいのかをお話しします。
通関費用は「3つの財布」に分けて見ると分かりやすい
通関費用とひとまとめに呼ばれるお金は、払う相手がまったく違う3種類の集まりです。
税関に納める税、通関業者への料金、倉庫や運送の実費。この3つに分けるだけで、どこが削れてどこが削れないかが見えてきます。
『通関費用って、税関に払う手数料のことでしょ?』と思っていませんか。
実は、税関に納めるのは主に税金で、手続を代わりにしてもらう料金は通関業者に払うものなんです。
さらに、港や空港の倉庫に貨物を置いておく料金や、トラックで運ぶ料金も同じ請求書に並ぶことがあります。
請求書の項目を3つに仕分ける表
この記事では、次の3つの財布で考えます。金額は取引ごとに違うので、表には「どこに払うか」と「何で決まるか」だけを書いています。
| 財布 | 主な項目 | 払う相手 | 何で決まるか | 交渉できるか |
|---|---|---|---|---|
| 税関に納める税 | 関税、消費税、地方消費税、酒税などの内国消費税 | 国(税関) | 品目の税率と課税価格 | できない |
| 通関業者への料金 | 通関手数料、書類作成、他法令の手続の代行など | 通関業者 | 通関業者が掲示する料金表 | 見積もりで比べられる |
| 物流の実費 | 保管料、検査のための運送や開梱、国内の配送など | 倉庫、運送会社など | 置いた日数、運んだ距離、作業の量 | 段取り次第で変わる |

この3つは、性格がまったく違います。
税は法律で決まるので値引きはありません。一方で、通関業者の料金や物流の実費は、依頼先や段取りによって変わります。
「通関費用」は法律上の決まった言葉ではありません。
この記事では、輸出入のときに通関まわりで発生するお金をまとめてこう呼んでいます。
税関に納める税はどう決まる?関税・消費税・地方消費税
輸入のときに税関に納めるのは、主に関税と消費税・地方消費税です。
どれも「課税価格」と「税率」で決まり、通関業者に頼んでも頼まなくても額は変わりません。
税関の案内では、輸入申告をして必要な検査を受け、関税や消費税などを納めてから輸入が許可されると説明されています(カスタムスアンサー1101)。
ここで払う税金が、通関費用の中でいちばん大きくなりやすい部分ですよね。
課税価格には運賃と保険料も入る
『商品代金に税率を掛ければいいんでしょ?』と考える方も多いのですが、ここが大事なところです。
関税の課税価格は、実際に支払った価格に、輸入港に着くまでの運賃や保険料などを加えて計算します(カスタムスアンサー1403)。
外国の通貨で取引した場合は、税関長が毎週公示する為替相場で円に直します(カスタムスアンサー1406)。
消費税は関税を足した額にかかる
税関の計算例では、課税価格に関税を加えた額を消費税の課税標準にしています(カスタムスアンサー1111)。
税率は消費税7.8%と地方消費税2.2%で合計10%、軽減税率の品目は6.24%と1.76%で合計8%です。
- 商品代金に輸入港までの運賃と保険料を足して課税価格を出す
- 品目の関税率を調べて関税額を出す
- 課税価格と関税額を足して消費税の課税標準を出す
- 消費税と地方消費税を計算する
- 酒やたばこなら、その他の内国消費税も確かめる
関税の計算の流れは、通関でかかる関税と消費税の計算の流れでもっと詳しく説明しています。
少額の荷物は免税や簡易税率がある
個人の買い物などで覚えておきたいのが、少額の荷物の扱いです。
課税価格の合計額が1万円以下の物品は、関税と消費税が免税になります(カスタムスアンサー1006)。
ただし、革製のカバンや編物の衣類など免税にならない物品があり、酒税やたばこ税も免税の対象外です。
課税価格の合計額が20万円以下の貨物には、品目をおおまかに分けた簡易税率が使われます(カスタムスアンサー1001)。
個人輸入の細かい扱いは、個人輸入の通関と免税の考え方を見てみてください。
通関業者への料金と物流の実費は何で決まる?
通関業者の料金は、各社が営業所に掲示している料金表で決まります。
物流の実費は、貨物を置いた日数や検査の段取りで増えたり減ったりします。
通関業者には料金の掲示が義務になっている
『通関手数料って、業者が好きに決めていいの?』と不安になりますよね。
通関業法第18条で、通関業者は通関業務と関連業務の料金の額を、営業所で依頼者に見やすく掲示することになっています(通関業法)。
今の通関業法基本通達では、料金は依頼者に分かりやすいものにすることとされています。
割増や割引、実費を別に請求する場合はその旨を書くこと、インターネットで掲示する場合はURLを営業所に示すことも定められています(通関業法基本通達)。
以前の通達には料金の最高額の表がありましたが、今の通達にはありません。
つまり、依頼先によって料金の立て方は違うということです。見積もりを比べる意味はここにあります。
通関業者の料金表に並びやすい項目
通関業者の仕事は、輸出入の申告の代理だけではありません。
申告に先立つ事前教示の照会、保税運送の申告、他法令の許可や承認の申請なども「関連業務」として扱われます(カスタムスアンサー9105)。
| 料金表で見る項目 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 申告の料金 | 1申告あたりか、品目の数で増えるか |
| 書類作成 | インボイスの品目数で変わるか |
| 他法令の手続 | 食品の届出などを代行してもらえるか |
| 検査の立会い | 税関検査があった時に別料金になるか |
| 時間外の対応 | 夜間や休日の申告で割増があるか |
依頼先の選び方は、通関業者の役割と依頼する前に確かめることで詳しくまとめています。
物流の実費は保管と検査で増えやすい
物流の実費で見落としやすいのが、保管料と検査まわりの費用です。
外国から届いた貨物は、輸入の手続が終わるまで保税地域に置かれます(カスタムスアンサー1102)。
置いている日数が延びれば、そのぶん倉庫の料金がかかるのは想像しやすいですよね。
税関検査については、税関長が指定した場所で受ける場合、税関に納める手数料はないと案内されています(カスタムスアンサー1112)。
ただし、検査のために貨物を運んだり、開けて詰め直したりする費用は輸入者などの負担です。
「税関検査に料金がかかった」と感じる時、その中身は多くの場合、運送や開梱の作業代です。
指定された場所以外で検査を受ける時は、許可を受けて許可手数料を納めることになります。
ちなみに、開庁時間外に手続をしてもらう時の臨時開庁手数料は、平成20年4月1日から廃止されています(カスタムスアンサー9602)。
輸入通関費用と輸出通関費用はどう違う?
輸入通関費用は、税と通関業者の料金と物流の実費の3つがそろいやすいです。
輸出通関費用は、通関業者の料金と物流の実費が中心になりやすく、消費税には輸出免税の仕組みがあります。
輸入と輸出で、同じ「通関費用」でも中身の比重が変わるんです。
| 比べる点 | 輸入通関費用 | 輸出通関費用 |
|---|---|---|
| 税関に納める税 | 関税、消費税、地方消費税など | 品目と取引の内容で確かめる |
| 消費税の扱い | 輸入時に納める | 輸出取引なら免除される仕組みがある |
| 通関業者の料金 | 申告、書類作成、他法令の代行など | 申告、書類作成、船積みまでの手配など |
| 物流の実費 | 保税地域での保管、検査の運送、国内配送 | 保税地域への搬入、船や飛行機への積込み |
| 見積もりで多い悩み | 税額が読めない | 誰がどこまで払うかが曖昧 |
輸出では消費税の輸出免税を押さえる
国税庁の案内では、販売が輸出取引にあたる場合は消費税が免除されるとされています(国税庁タックスアンサーNo.6551)。
そのための証明として輸出許可書などを保存する必要があり、保存期間は7年間です。
輸出の手続そのものは、貨物を保税地域に入れた後に許可を受けるのが原則です(カスタムスアンサー5001)。
ですから、輸出通関費用の見積もりでは、保税地域までの運送や搬入の費用がどう扱われているかも見ておきましょう。
誰が払うかは取引条件で決まる
『この通関費用、うちが払うものなの?』という迷いは、輸出でも輸入でもよく起きます。
これを決めるのが、売主と買主の間で決めるインコタームズなどの取引条件です。
ジェトロの解説では、DAPの場合、買主が輸入通関に関わる一切の費用を負担するとされています(ジェトロ)。
一方で、DDPは売主が輸入通関まで受け持つ条件です。取引条件ごとの違いはインコタームズと輸入通関で確かめられます。
- 契約書にインコタームズの規則名が書かれているか確かめる
- 輸出通関と輸入通関をそれぞれ誰が受け持つか確かめる
- 関税や消費税を誰が納めるか、請求書の宛先と合っているか見る
- 運送の手配と通関の依頼先が同じかどうか確かめる
運送の手配と通関をどこに頼むかで迷ったら、フォワーダーと通関業者の違いも参考になります。
通関費用が膨らみやすい場面と見積もりの確かめ方
通関費用が予想より増える原因は、書類のやり直し、検査、保管の延長の3つに集まりやすいです。
見積もりの段階で「どんな時に追加が出るか」を聞いておくと、慌てずに済みます。
見積もりでは安く見えたのに、請求書で増えていた。これがいちばん困りますよね。
追加の費用が出やすい場面
| 場面 | 増えやすい財布 | 事前にできること |
|---|---|---|
| インボイスの品名や数量が曖昧 | 通関業者への料金、物流の実費 | 品名と数量と単価を具体的に書いてもらう |
| 税関検査になった | 物流の実費 | 検査の立会いや運送の料金を事前に聞く |
| 他法令の許可や届出が要る品目 | 通関業者への料金、物流の実費 | 食品などは届出の要否を先に調べる |
| 書類がそろわず保管が延びた | 物流の実費 | 到着前に書類をそろえて予備審査を使う |
| 税率の分類に時間がかかる | 物流の実費 | 事前教示で分類を確かめておく |
貨物が日本に着く前に申告書類を出して審査を受けられる「予備審査制」は、全ての輸入貨物が対象です(カスタムスアンサー1108)。
書類を早めにそろえることは、保管料を抑えることにもつながるんです。
手続が止まる理由は、通関が遅い時に荷物が止まる主な理由で詳しく説明しています。
見積もりを取る時の手順
- 品名、数量、単価、原産国、輸送方法をまとめる
- 取引条件から、自社が受け持つ範囲を確かめる
- 通関業者に料金表と見積もりを依頼する
- 税の欄、料金の欄、実費の欄に分けて見比べる
- 検査や時間外対応の時の追加料金を確かめる
例えばこんなやり取りをしておくと、後で困りにくくなります。
「税関検査になった場合、どの項目が追加になりますか」
「検査場までの運送と、開梱と詰め直しの作業が別にかかります」
この一往復だけで、請求書を見た時の驚きはかなり減ります。
自社で申告する選択肢もある
輸入申告は、貨物を輸入しようとする人自身が行うものです。通関業者に頼むのは、その代理や代行を任せる形です(カスタムスアンサー1101)。
件数が多い会社では、自分で申告する方法を考えることもあります。その時の準備は自社通関と通関業者に頼む場合の違いで比べています。
通関の知識を仕事にするなら
請求書の項目を一つずつ読み解いていくと、通関の仕組みそのものに興味がわいてきた、という方もいるかもしれません。
通関の知識を仕事にしたい人には、国家資格の通関士という道もあります。
独学で進めるか、講座を使うかは人によって合う方が違います。
市販の問題集で自分のペースで進められる人は、独学でも十分に始められます。
一方で、実務の計算問題や申告書の問題の解説がほしい人、勉強時間が限られている人、質問できる相手がいない人は、講座が役に立つ場面が多いです。
迷ったら、通関士の講座の選び方や独学の進め方を見比べてみてください。
通関ドットコム
通関士を目指すなら、講座を比べてみませんか
実務の申告書問題や計算問題の解説、法改正への対応など、独学では用意しにくい部分だけでも講座を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通関士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
通関費用のよくある相談
通関費用の相談は「誰に払うお金か」「何回分かかるか」「誰が負担するか」の3つに集まります。
どれも3つの財布に分けて考えると答えが出しやすくなります。
ここでは、Yahoo!知恵袋でよく見られている相談を要約して取り上げます。
『輸入通関料は、税関に請求される費用なの?』
輸入通関料や取扱料という名前の項目は、税関ではなく通関業者に払う料金と考えるのが自然です。
税関に納めるのは関税や消費税などの税金で、手続そのものに税関の手数料がかかるわけではありません。
請求書の発行元と項目名を見て、3つの財布のどれにあたるかを仕分けてみてください。
『インボイスが2通でB/Lが1通。通関費用は1回分?2回分?』
これは、通関業者の料金表が何を1件と数えているかで変わります。
1申告ごとなのか、インボイスごとなのかは業者によって違うので、料金表を見るか見積もりで聞くのが確実です。
申告をまとめられるかどうかは貨物や書類の状況によるので、依頼する前に通関業者に相談しておきましょう。
『DAP条件で輸入したら、日本でかかる費用は誰が払う?』
ジェトロの解説では、DAPでは買主が輸入通関に関わる一切の費用を負担するとされています。
つまり、日本側の輸入者が関税や消費税、通関業者の料金を払う形になります。
契約書の取引条件と、実際の請求書の宛先が合っているかも確かめておきましょう。
相談する前に、取引条件、品名、課税価格のおおよその額、輸送方法をメモしておきます。
この4つがあるだけで、通関業者も税関も答えやすくなります。

よくある質問
通関費用はいつ払うのですか?
関税や消費税は、原則として輸入の許可を受ける前に納めます。通関業者の料金や物流の実費は、業者からの請求に合わせて払うのが一般的です。支払いの時期は依頼先に確かめておきましょう。
輸入通関費用を安くする方法はありますか?
税は法律で決まるので値引きはできません。書類を早めにそろえて保管の日数を減らすことや、料金表を比べて依頼先を選ぶことが、現実的な方法です。
輸出通関費用にも関税はかかりますか?
輸出では、販売が輸出取引にあたれば消費税が免除される仕組みがあります。品目によって確かめることがあるので、税関や通関業者に相談しておくと安心です。
国際郵便で届いた荷物の通関費用はどうなりますか?
課税価格が20万円以下の郵便物は、税関が税額を決めて、配達の時に納める仕組みがあります。詳しくはカスタムスアンサーの国際郵便のページで確かめてみてください。
まとめ
- 通関費用は「税関に納める税」「通関業者への料金」「物流の実費」の3つに分けて見る
- 税は課税価格と税率で決まり、課税価格には輸入港までの運賃と保険料も入る
- 通関業者は料金を営業所に掲示することになっていて、見積もりで比べられる
- 輸入通関費用は3つがそろいやすく、輸出通関費用は料金と実費が中心になりやすい
- 追加が出やすいのは書類のやり直し、検査、保管の延長の場面
まずは手元の請求書や見積もりを、3つの財布に仕分けるところから始めてみてください。通関の全体の流れは通関とはでまとめています。





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